〔PICK UP〕JR東日本 快速しもきた

青森県の下北半島を南北に走る大湊線。野辺地から陸奥横浜、下北を経由して大湊まで走るローカル線である。野辺地で接続する旧東北本線が東北新幹線の並行在来線として、青森県・青い森鉄道に移管されて以降は、他の路線と一切接続しないJR路線となった。
下北半島各地と青森県内、さらには東北新幹線を経由して各地を結ぶ役割を持つ路線だが、青森県の2大都市である青森市、八戸市へは青い森鉄道線を経由しないと辿り着けない。そのため、大湊線の快速列車である「しもきた」は、野辺地から青い森鉄道線へ直通し、八戸発着で運転されている。かつては青森方面にも「しもきた」の運転があったが、2021年のダイヤ改正で姿を消した。
快速しもきたは八戸-大湊間で3往復が運転されている。列車ごとに停車パターンが異なっており、全区間で快速運転を行う列車と、大湊線内では普通列車として運転される列車がある。また、全区間を快速運転する場合の停車駅は八戸、三沢、上北町、野辺地、陸奥横浜、下北、大湊を基本とするが、乙供と近川に停車する列車もある。列車は八戸で東北新幹線と接続し、新幹線と下北半島沿線を繋ぐ役割がある。一方で、車両運用的には八戸から大湊線へ車両を送り込む役割も果たしている。大湊線で活躍するキハ100形気動車は、盛岡車両センター八戸派出所に所属している。このため、大湊線の車両は快速しもきたを使って、送り込み・返却が行われている。八戸-野辺地間は青い森鉄道線を経由するが、青い森鉄道には気動車の運転士がいないため、全区間でJRの乗務員が乗務する。八戸~大湊間の所要時間は約1時間40分。この列車は、気動車の快速列車としては国内有数の表定速度を誇る列車として知られ、青い森鉄道線だけでなく、大湊線内でも軽快な走りを楽しむことができる。