〔PICK UP〕京阪電鉄 中之島線(大阪府)

 
京阪中之島線・本線 普通 出町柳行 13000系 中之島にて
 
 京阪本線の天満橋駅から中之島駅までを結ぶ中之島線。その名の通り、大阪市中心部の土佐堀川と堂島川の間にある中之島の地下を東西に走る路線である。開業は2008年と新しく、比較的近接してなにわ橋、大江橋、渡辺橋、中之島の4つの駅が設けられている。大阪市の中心部を横断する路線として期待された一方で、新規に開業した路線であることから、従来からある路線との接続が少ない。同じ名前の駅として、接続する路線は存在せず、渡辺橋駅とOsaka Metro四つ橋線の肥後橋駅が地下で繋がっているのみである。接続路線が少なく、地下深くを走っていることもあって、利用者数は思うようには伸びていない。
 天満橋で接続する京阪本線は、ターミナルである淀屋橋駅が地下にあり、他社のターミナルに比べれば手狭である。駅は1面3線で、1面のホームに切欠がある形状をしているが、それに対面するホームは長さを生かして縦列に停車できるようになっているが、列車本数には限界がある。そこで活用されるのが中之島線で、普通列車などの一部列車を中之島線に直通させることによって、手狭な淀屋橋駅を優等列車中心に、中之島線を普通列車などの近距離列車中心に発着させることにより、列車本数の分散を図っている。
 中之島線を走る列車は普通列車だけでなく、朝夕を中心に通勤快急、通勤準急、準急、区間急行も乗り入れてくる。いずれの列車も中之島線内は各駅に停車し、速達運転を行うのは京阪本線に入って以降である。日中は萱島や枚方市発着の近距離輸送を担う普通のみが発着する。この時間帯は淀屋橋発着の普通は運転されておらず、普通のみ停車する駅から淀屋橋へ行くためには、京橋で乗り換えが発生する。中之島線の列車は萱島、枚方市など近距離列車が多いが、一部は出町柳へ行く列車もある。京阪本線+鴨東線の長さよりも、京阪中之島線+本線+鴨東線の長さの方が長いため、中之島と出町柳間で運転される列車が、京阪ではもっとも長い距離を走る列車になっている。