【PICK UP】ANA Boeing 787-10(78K)

羽田へ向け出発するJA984A 新千歳空港にて
羽田へ向け出発するJA984A 新千歳空港にて

2024年から投入されているANA国内線の新たな顔

 ANAは2019年春にBoeing 787-10を初めて受領した。2022年までにJA900A、JA901A、JA902Aの3機投入され、主に東南アジアや中国方面への短・中距離国際線で運用されている。
 一方で2024年春には国内線仕様のBoeing 787-10を初めて受領し、2025年8月現在までに7機を導入済みである(うち1機はまだ運航開始前)。国内線では羽田-新千歳・福岡・那覇といった幹線路線を中心に運用されているが、機材繰りの都合で国際線仕様機が臨時的に国内線に投入されることもある。機内仕様は全く異なるため、ANAの国内線の予約サイトや運航状況ページでは、国際線仕様機が「78I」、国内線仕様機が「78K」と表記されて、区別されている。
 78Kは先行して投入されたBoeing 787-9(78G)と同様の客室仕様を採用しており、エンジンはGE製GEnx-1Bを搭載している。ロールスロイス製Trent 1000を装備する国際線仕様機とは、この点が一つの大きな相違点となっている。座席数はプレミアムクラス28席、普通席464席の計492席で、ANAが国内線で運航する最大の機材であるBoeing 777-300に匹敵する収容力を誇る。全席に個人モニターを装備し、プレミアムクラスは2+2+2列、普通席は3+3+3列(一部後方は2+3+2列)の配置である。
基本的には羽田-新千歳、伊丹、福岡、那覇の幹線路線での運用が中心だが、地方路線に投入されることも比較的頻繁にある。2025年春には羽田-鹿児島線の毎日1往復で定期的に運用されて注目を集めたほか、函館、広島、松山、長崎、熊本、宮崎などでも運航実績がある。ANAの次世代国内線を担う主力機材として、今後も増備が予定されており、現在大型機として主力のBoeing 777を置き換えていくことになっている。