【PICK UP】JR東日本 成田線我孫子支線

 
成田線我孫子支線・常磐線
快速 上野行 E231系0番台
 

常磐線快速との結びつきが強い、かつての成田線本線

 成田線は佐倉〜松岸間を成田・佐原経由で結ぶ路線だが、2つの支線をもっている。一つは成田と成田空港を結ぶ通称「空港支線」。都心方面から成田線へ直通してくる列車の大半はこの区間に進み、日本の空の玄関口の一つである成田空港と都心を結ぶ重要な役割を担う。もう一つが成田と我孫子を結ぶ通称「我孫子支線」。この支線は路線の所属上成田線の支線となっているが、常磐線との結びつきが強く、実質的には常磐線の支線のように扱われている。
 もともと成田線は佐倉から成田を経由し、現在の我孫子支線を通って我孫子へ至るルートが本線、成田から松岸間が支線であった。しかし実際の運行上は成田で系統が分かれ、成田以南は佐原方面との結びつきが強かったことから、国鉄分割民営化の際に区間が再編。成田線の本線は佐倉〜松岸間とされ、総武本線とは別ルートで千葉〜銚子間を結ぶ路線となり、それまで本線だった成田〜我孫子間は支線になった。
 我孫子で常磐線と接続するこの路線には常磐線の快速列車が乗り入れ、実質的には常磐線の支線として機能している。都心〜取手間で運行される快速列車は、その一部が我孫子から当路線へ直通し、沿線と都心はダイレクトに結ばれている。都心側では朝夕を中心に上野東京ラインへと乗り入れ、品川発着となる列車も少なくない。
 運行本数は概ね1時間あたり2本で、朝ラッシュ時には4本となる時間帯もある。日中は常磐線へ直通する上野発着の列車と、線内完結の成田〜我孫子間の普通列車が交互に発着する。線内完結列車は5両編成であるため、10両と5両の交互運転となっている。なお、都心へ直通する列車は我孫子で5両を連結し、常磐線内では15両編成となる列車が多い。
 千葉ニュータウンの北側、利根川沿いを走るこの路線の沿線は、市街地と田園風景が入り混じる。都心からの直通列車は10両編成で乗り入れるが、単線区間の田園風景を長大編成が走る様子はこの路線ならではの光景となっている。
 基本的には沿線から都心への通勤通学に利用される路線だが、常磐線沿線から成田空港へのアクセスとしても使われ、大きなスーツケースを持った乗客の姿も見られる。かつては空港アクセス列車が運転されていたこともあったが、現在は普通列車のみの運転(常磐線直通列車も当路線内では普通だが、上り列車は便宜上快速と案内されている)となっている。