【PICK UP】JR四国 特急うずしお

 
高徳線 特急うずしお30号 高松行
2600系 徳島にて
 

2025年3月のダイヤ改正で岡山発着が廃止された高徳線特急

 高松と徳島を結ぶ高徳線で運行されている特急「うずしお」。四国を走る主要な特急列車の一つで、両区間をおよそ1時間で結んでいる。列車名は、日本三大潮流として知られる鳴門海峡の渦潮に由来する。現在は全ての列車が高松〜徳島間での運転となっているが、かつては牟岐線や阿佐海岸鉄道に直通する列車が運転されていたほか、2025年3月の改正までは岡山発着の列車も設定されていた。
 朝から夜にかけて1時間に1本程度運転されており、都市間輸送を担うとともに、高松・徳島両方向への通勤・通学客の利用も多い。日中の列車は高松駅毎時10分発、徳島駅毎時24分発のパターンダイヤで運転されており、高松駅では快速「マリンライナー」に、徳島駅では牟岐線の普通列車にそれぞれ10分程度で接続している。
 このように近年では日中時間帯のパターンダイヤ化が進められ、それまで列車ごとに異なっていた停車駅も、日中に限っては統一された。現在の日中の列車は高松、栗林、屋島、三本松、引田、板野、徳島に停車する。一方で通勤・通学需要の多い朝夕は、停車パターンが列車ごとに異なる。日中は全列車が停車する引田を通過する列車もある一方で、オレンジタウン、讃岐津田、讃岐白鳥、引田、池谷、勝瑞の各駅にも選択的に停車する。
 以前はN2000系やキハ185系で運転されていたが、新型車両の投入と車両運用の見直しにより、まずN2000系が2020年に撤退。さらにキハ185系も2025年3月のダイヤ改正をもって姿を消した。現在は新型車両の2600系・2700系で運行されている。中でも2600系は、カーブ通過時に車体を制御する方式として「車体傾斜システム」を導入した車両である。本来はこの車両を「南風」など土讃線の特急にも投入する予定だったが、カーブの多い路線には適さないことが判明し、量産化は見送られた。そのため、現在は「うずしお」にのみ投入されている希少な存在となっている。なお、2025年10月からは「アンパンマン列車」25周年を記念して、2600系2編成すべてが「アンパンマン列車」「ばいきんまん列車」に変更される予定。通常塗装の2600系はしばらく見納めとなる。
 列車は2両を基本とするが、列車によっては3・4・5両で運転される。最大となるのは徳島6時58分発高松行きの特急むうずしお4号で、毎日5両編成で運転されている。いずれの両数の場合も指定席は1号車の一部座席のみで、それ以外はすべて自由席となっている。