【管理人室】雀ヶ野と茶臼原

 10月1日のダイヤ改正により、宮崎エリアではいくつかの路線が廃止・休止となりました。乗車した2つの路線が廃止・区間短縮されたようで寂しく思います。区間短縮されたのは、宮崎交通が運行する宮崎駅と都城市の雀ヶ野を結ぶ路線のうち、雀ヶ野から川口の区間。これまで雀ヶ野発着として運転されていたバスは全て赤谷発着となり、都城方面へ向かう国道10号線と、小林方面へと向かう国道268号線の分岐点である赤谷から、都城方面へと進むバスが姿を消しました。
 この雀ヶ野-宮崎駅線は、このブログでは公開していませんが、今年のはじめに鹿児島空港から宮崎駅までの路線バス乗り継ぎの旅で利用した路線でした。霧島神宮を経由して高崎観光バスの路線バスで都城市街に到達。そこからさらにこの雀ヶ野を経由して宮崎駅へ出るという旅でした。周辺に人家がほとんどない雀ヶ野では30分ほどの乗り継ぎで宮崎駅へと向かうことができましたが、乗り継ぎ旅の楽しさを再認識する旅でした。
 現在でも雀ヶ野バス停自体は高崎観光バスの路線バスが運行されているため、存続はされていますが、もともとはこの都城方面へ向かう高崎観光バスの路線も宮崎交通が運行していた路線でした。雀ヶ野は宮崎・都城両方向のバスの折り返し地点として、都城方面のバスが高崎観光バスへ変わったあとも活躍していましたが、ついに宮崎方面の路線バスが姿を消した形です。そうなるとなかなか雀ヶ野へ訪れることもないでしょう。
 都城-宮崎間を一般道経由の路線バスで旅する場合、現在でも小林経由であれば移動することができますが、去年までは雀ヶ野で乗り継ぐパターンと青井岳温泉で乗り継ぐパターンで直接的に旅することができました。しかし去年、青井岳温泉で乗り継ぐ際に利用する都城側の路線が区間短縮で青井岳温泉へ行かなくなり、今年雀ヶ野で乗り継ぐパターンも区間短縮により成立しなくなりました。もちろん乗り継ぐ客などほぼマニアしかいない状況ですので、区間短縮は致し方ありませんし、地元の結論ですから尊重したいところです。
 もう一つ思い出の路線があります。西都と高鍋を結ぶ路線のうち、茶臼原を経由する路線も廃止となりました。こちらの路線には去年の夏、国富→西都→高鍋と旅した際、この路線の高鍋行が先発だったために乗車しました。西都市街を出たバスは一旦西米良村方面に向かい、一ツ瀬川を渡って、茶臼原へと続く坂を上り、高台の田園風景を走った後、坂を下りて高鍋へと至る、そんな路線でした。自分が乗車した際も全区間で貸切でしたので、相当厳しいだろうなと感じていましたが、やはり廃止されるようです。この時直前に乗車した国富と西都を結ぶバスも西都~郡境間の区間短縮となり、この乗り継ぎ旅も今はもう完全に過去のものになっています。
 9月末をもって廃止されたバス路線は全国津々浦々多数あり、この宮崎交通の路線のように乗車した路線もある一方、乗る前に消える路線もたくさんあります。なるべく多くの路線に乗車したいとは思うものの、おそらく人生かけて乗っても縁がある路線はせいぜい数割に過ぎないでしょう。だからこそ、一つ一つの路線との出会いを大切にして、その路線や景色との縁に感謝して、これからも乗り鉄・乗りバスを楽しみたいと思っています。