【過去旅回想】2018年2月 ことでんと八栗ケーブルに乗車する旅

夜行バスでよく訪れていた四国地方

 2018年の2月、この時は香川県へ高松琴平電気軌道と八栗ケーブルに乗車しに行った。前日の夜に福岡から夜行バスに乗り込み、高松へ。1日目に高松琴平電気軌道の3路線と八栗ケーブルに乗車し、岡山に宿泊。2日目は岡山から再度高松へ行き、高松からフェリーで岡山へ戻って、宇野線に乗車。その後、高速バスと新幹線、特急を使って九州に帰った。
 学生の頃は夜行バスを使ってよく旅をしていた。もちろん節約という意味もあったが、土日休みを効率よく使うために前泊、後泊で使うことも多く、翌朝早朝から動き始めることができるのが個人的には最大の利点だった。学校帰りにそのまま夜行バスで他地域へ出かけて、土日を満喫し、日曜の夜に家に帰るなんてことも年に何回かやった。今も仕事終わりにそのまま飛行機や新幹線に乗って前泊することがほとんどだが、最近始めたわけではなく、夜行バスを使っていた頃の名残りみたいなものである。
 四国地方はそんな夜行バスでよく訪れた場所の一つだった。九州と四国というと隣に位置している割にはちょっと遠いイメージがあるかもしれない。しかし、ちょっと遠いからこそ両区間の移動には夜行バスがとても便利で、福岡-高松の場合も夜10時くらいに福岡を出て、朝7時半には高松に着くことが可能。そんなわけで、これまで四国を訪れた半分程度は夜行バスで訪れている。

当時の旅程

0日目:西鉄天神高速バスターミナル-[四国高速バス さぬきエクスプレス福岡号]-高松駅前
1日目:高松築港-[ことでん琴平線普通]-片原町-【ことでん撮影】-片原町-[ことでん琴平線・長尾線普通]-長尾-[徒歩]-大川バス本社前-[さぬき市コミュニティバス]-JR志度駅-[徒歩]-琴電志度-[ことでん志度線普通]-八栗-[タクシー]-八栗登山口-[八栗ケーブル]-八栗山上-【八栗寺】-八栗山上-[八栗ケーブル]-八栗登山口-[徒歩]-八栗-[ことでん志度線普通]-瓦町-[ことでん琴平線]-琴電琴平-【金刀比羅宮】-琴電琴平-[ことでん琴平線]-高松築港-[徒歩]-高松-[快速マリンライナー]-岡山(泊)
2日目:岡山-[快速マリンライナー]-高松-[徒歩]-高松港-[四国フェリー宇高航路]-宇野港-[徒歩]-宇野-[宇野線普通]-茶屋町-[快速マリンライナー]-岡山・岡山駅前-[中国JRバス]-広島バスセンター-[路線バス]-広島駅前・広島-[山陽新幹線のぞみ]-小倉-[特急きらめき]-博多

1日目 ことでん3路線と八栗ケーブルに乗車

 前日の夜に福岡から四国高速バス運行の「さぬきエクスプレス福岡号」に乗車して、朝早くに高松駅に到着。1日目は高松市とその近郊に放射状に延びる高松琴平電気軌道の3路線と、八栗ケーブルに乗車した。まずは初めてのことでんに高松築港~片原町間の一駅だけ乗車し、片原町~瓦町間の沿線でことでんを撮影。ことでんの愛称を持つ高松琴平電気軌道は、高松築港と琴平を結ぶ琴平線、瓦町と長尾を結ぶ長尾線、瓦町と志度を結ぶ志度線の3路線を運行している。このうち長尾線は瓦町駅で琴平線に乗り入れており、高松築港まで運転されている。
 
 撮影後は片原町駅へ戻り、長尾線の長尾行に乗車。その後、終点の長尾駅からは大川バス本社前バス停まで歩き、さぬき市のコミュニティバスに乗車して志度駅へ移動した。このコミュニティバスのおかげで、長尾線と志度線をぐるっと一周する形で乗車することができた。
 
 JR高徳線の志度駅前にある琴電志度駅からことでん2路線目となる志度線に乗車。志度線は琴電志度駅を出た先のわずかな区間で海岸線を走っていく。この日は天気が良かったので、穏やかな瀬戸内海を車窓に眺めることができた。
 
 志度から乗車した列車を八栗で下車。その後はタクシーに乗車して、ケーブルカーの山麓駅である八栗登山口駅へ移動し、八栗ケーブルに乗車した。八栗ケーブルは四国ケーブルが運行するケーブルカー路線。八栗登山口駅から八栗山上駅間の700mを結び、四国地方唯一のケーブルカーとなっている。
 
 ケーブルカーで山上へ登って四国巡礼第85番札所の寺院として知られる八栗寺へ。お迎え大師がある展望台まで歩くと、高松郊外の景色を見下ろすことができた。写真の右手には屋島が、さらに奥には高松市の中心部が見えていた。帰りは登山口駅から歩いて八栗駅へ戻り、駅周辺で志度線の列車を撮影した。
 
 八栗から再び志度線に乗車して、瓦町へ戻った後は、黄色い琴平線に乗車して、琴平へ向かった。琴平線はことでんの中でも最も長い路線で、瓦町から琴平間でも1時間くらいかかる。最初は高松市郊外の住宅街を走っていくが、やがて車窓はのんびりした田園風景に変わる。このあたり特有のおむすび形の山々を眺めて、琴平へ向かった。
 
 琴平では30分くらいしか設けておらず、本来はそのまま金比羅山へは行かずそのまま折り返すつもりだった。しかし、ここまで来て金比羅山へ行かずに戻るのはやっぱりもったいないと思ったので、やや駆け足で金刀比羅宮まで往復。金刀比羅宮にも参拝することができた。階段がめちゃくちゃきつくて、琴平駅へ戻った頃には足が棒になっていたのは今でもいい思い出である。
 琴平からは再び志度線に乗車。帰りは元京王5000系の1100形電車に乗車して高松築港へ戻った。
 
 この日は宿を高松ではなく、岡山に取っていた。久しぶりにマリンライナーに乗車するのもこの旅の一つの目的。マリンライナーは2013年に乗車し、この列車で初めて四国の地を踏んだのだが、そこから5年ほど乗車しておらず、久々に乗車してみたいと思っていた。この時は1日目夜と2日目朝の往復でマリンライナーを利用。往路はグリーン車を利用し、復路は223系単独のマリンライナーに乗車している。高松駅前のうどん屋さんで讃岐うどんを食べて、快速マリンライナーに乗車し、岡山駅前で一泊した。

2日目 最短マリンライナー乗車と四国フェリー宇高航路に乗船

 2日目は岡山から223系単独で運転される快速マリンライナーに乗車して、高松へ戻った。快速マリンライナーは通常、JR四国5000系とJR西日本223系を併結した5両編成で運転されるが、早朝・深夜時間帯は5000系単独の3両編成、223系単独の2両編成で運転される列車がある。乗車したマリンライナー3号は223系単独運行のマリンライナーのうちの1本で、以前から興味を持っていた列車だった。この列車は高松駅に到着時、先にホームに停車している5000系+223系の5両に連結する。折り返しは7両編成として岡山へ帰る運用になっていた。これはおそらく現在も変わっていない。
 
 223系単独の快速マリンライナーで高松駅に到着後は、高松港へ移動。高松港からは四国フェリーの宇高航路に乗船した。宇高航路は高松港と宇野港を結ぶ。瀬戸大橋がなかった時代には、この高松-宇野間のフェリー(当時は国鉄やJR四国が鉄道連絡線を運行していた)が四国へのアクセス経路だった。鉄道連絡船は瀬戸大橋の開通とともに姿を消したが、かつての四国と本州間の移動経路も体験してみたいと思っていたので、このフェリーにも乗ってみたいと思っていて、念願かなっての乗車だった。
 朝日が昇る高松の街と、海に浮かぶ瀬戸内海の島々を眺めながらの移動は最高だった。船内の乗客も少なく、まったりとした船旅を楽しむことができた。宇高航路は乗船した1年半後の2019年12月に廃止されてしまった。
 
 宇野からは宇野線の普通列車で終点の茶屋町まで乗車し、茶屋町でこの旅3度目の快速マリンライナーで岡山へ戻った。これで宇野線を完乗。かつての四国へのアクセス経路だったフェリーと列車を乗り継ぐ高松-岡山間の移動を楽しむことができた。岡山到着後は、岡山~広島、広島~博多と高速バスを2本乗り継いで帰る予定だった。しかし、この日山口県内は大雪に見舞われていたため、高速道路が通行止めとなり、広島~博多間の高速バスは運休となった。そのため、急遽広島から新幹線を使うことになり、時間があったので、小倉~博多間は特急きらめきに乗車した。岡山~広島間では中国JRバスの「サンサンライナー」に乗車。中国地方完結の高速バスへの乗車はこれが初めてだった。
 
 この時点で四国には5回ほど行っていたが、冬の四国を旅するのはこれが初めてだった。冬の晴れた瀬戸内海地域の景色を満喫できた旅であると同時に、香川県内の鉄道路線を楽しむことができた旅だったと思う。金刀比羅神社はちょっと速足での参拝だったので、次はもう少しのんびりと散策してみたい。この旅を最後に高松には行っていないので、そろそろ讃岐うどんを食べに行きたいと考えている。