〔今日の交通〕JR九州 787系 特急かもめ

・長崎新幹線開業でまもなく長崎から姿を消す特急列車
特急「かもめ」は長崎本線を経由し、門司港・博多と佐賀・長崎とを結ぶ特急列車である。基本的な運転区間は博多~長崎だが、朝夕を中心に博多~佐賀間の区間列車が設定されているほか、2020年3月のダイヤ改正から特急「きらめき」と組み合わせる形で門司港発佐賀行の特急「かもめ」が誕生し、博多以北区間では久々のかもめの運行が行われている。基本的には885系と写真の787系が使用されるが、佐賀までの区間便には783系も充当され、一部列車は特急「みどり」「ハウステンボス」の専用車が合間運用として使用される列車も存在する。787系は1990年代および2000年代初頭に「かもめ」に使用された時期があったものの、2000年代はほぼ定期運行はなかった。契機となったのは2011年の九州新幹線全線開通で、特急「リレーつばめ」「有明」の廃止や485系の引退に伴う配置転換が実施され、この年から特急「かもめ」での787系の本格的な運行がスタートしている。これに伴い長崎方面に向かう特急「かもめ」から783系が撤退し、「かもめ みどり ハウステンボス」の3階建て列車も姿を消している。特急「かもめ」に使用される787系はそのほとんどが7両編成で、深夜・早朝の佐賀発着の1往復のみ6両編成が充当される。多客期には7両編成から8両編成に増結されて運行されることがある(写真)。運行本数は885系と787系でおよそ半分半分となっており、2020年のダイヤ改正までは原則として885系で運行される列車が二日市に停車しない一方肥前山口に停車する、787系は二日市に停車する一方肥前山口駅は通過するというパターンが存在していたが、今年からその停車パターンが消滅している。2022年には長崎新幹線が開業し、長崎方面へは武雄温泉で乗り換えとなるため、運行形態の変更は必須となっている。長崎で885系・787系が見られるのも、残り2年ほどとなっている。
 
写真:JR九州 787系 特急かもめ 長崎行 鹿児島本線 基山-弥生が丘間