〔今日の交通〕JR九州 817系3000番台

・2012年に登場した817系の新潮流
 817系は、2001年の篠栗線・筑豊本線の電化開業に合わせて同線および長崎地区でデビューした、JR九州発足後後4系列となる交流近郊形電車である。現在ではこのほかに熊本、鹿児島でも運行を開始し、大分を除く九州各県で活躍している。0番台から1100番台は2両編成の転換クロスシート車としてマイナーチェンジを行いながら増備されてきたが、2012年以降は、鹿児島本線・福北ゆたか線の混雑の恒常化による輸送力の増強や国鉄型車両の沙汰などを目的に、大幅な仕様変更が行われた2両編成の2000番台と3両編成の3000番台が登場している。両番台従来の817系とは異なり、車内はロングシートとなり、車体色も白に変更、運転席は半室構造だったものが、813系などと同じく全室へと変更されている。2000番台は直方車両センターに所属し、福北ゆたか線系統(一部列車は北九州地区の鹿児島本線へ乗り入れる)のみに充当される一方、817系3000番台は南福岡電車区所属で主に鹿児島本線で活躍し、朝夕に福北ゆたか線の列車に充当されている。
 
・複雑な鹿児島本線の"区間快速"
 鹿児島本線の一般列車は快速、区間快速、普通の3種別が運行されている。このうち区間快速は2018年のダイヤ改正で準快速が名を変える形で登場した種別で、全日に渡って多くパターンの列車が設定されている。日中の博多近辺では快速1本、普通1本に対して、区間快速は1時間あたり4本が運転されており、内訳は鳥栖~小倉間(快速区間博多~福間間)1本、荒木~福間間(快速区間二日市~博多間)1本、二日市~門司港間(快速区間博多~福間間)1本、荒木~海老津間(快速区間荒木~博多)1本となっており、各列車で運行区間と快速区間が異なっている。朝夕には鳥栖以南で各駅に止まる列車があるほか、快速区間でありながら竹下、笹原に止まる列車も存在、さらに熊本方面には鳥栖~大牟田間で快速運転を行う区間快速が運行されているため、区間快速には何種類もの列車が存在し複雑さが増している。
 
写真:JR九州 817系3000番台 区間快速二日市行 鹿児島本線 吉塚