〔今日の交通〕JR東日本 E353系 特急かいじ

・2015年から順次導入され、中央線特急を置き換えたJR東日本の新型特急
 E353系はJR東日本が2015年に中央本線特急向けに投入した特急型車両で、長らく活躍していたE351系やE257系0番台を置き換え、現在では「あずさ」「かいじ」のほか、ラッシュ時に運行される「おうめ」「はちおうじ」、富士急行線方面に運転される「富士回遊」など、中央線系統の特急列車は一部を除いてE353系に統一されている。E351系は廃車、E257系0番台は東海道本線伊豆方面の特急「踊り子」への転用が進んでいる。E353系は松本車両センターに所属し、9両編成の基本編成と3両編成の付属編成がある。併結して最大12両編成で運転され、この点においてはE351系を踏襲したといえる。ただし、E351系は4+8両の12両だったのに対し、E353系は3+9両の12両に変更されている。9両編成の松本側から4両目はグリーン車でそれ以外は普通車である。中央本線の特急列車改革と合わせて、2019年のダイヤ改正で大月から富士急行線に直通する行楽列車も見直され、E257系500番台や189系で運転されていた「ホリデー快速富士山」が廃止。E353系を使用した特急「富士回遊」に生まれ変わった。特急「富士回遊」のE353系運用車は大月駅で甲府方面発着の特急「かいじ」に併結して新宿方面を目指す。また中央線、青梅線方面の通勤ライナーである「中央ライナー」も廃止。特急「はちおうじ」「おうめ」に変更され、中央線系統からライナー列車が消滅したことも記憶に新しい。
 特急かいじは東京都心と甲府・竜王を結ぶ特急「あずさ」の区間便的位置づけの列車であり、基本的に特急「あずさ」の停車駅に加えて、石和温泉、山梨市、塩山などの山梨県内甲府以東の主要駅に停車していく。先述の通り、一部列車は大月までで特急「富士回遊」を併結し、大月駅で切り離す。2020年のダイヤ改正で、あずさとかいじで別に振られていた号数が統一されており、あずさ2号が消え、かいじ2号だけになったことは記憶に新しい。あずさと同じく全席指定席で、座席未指定券で空席への乗車が可能となっている。
 
写真:JR東日本 E353系 特急「かいじ」 中央本線 吉祥寺駅
※この記事は2020/3/21に投稿した記事を再編集したものです。