〔今日の交通〕東京メトロ南北線 9000系

・新たなステージが目前に控えて再注目されはじめた地下鉄路線
 東京メトロ南北線は目黒駅から白金高輪、溜池山王、飯田橋、駒込、王子などを経由し、赤羽岩淵までを結ぶ地下鉄路線である。目黒~白金高輪間は都営三田線との共用区間となっているほか、目黒では東急目黒線と、赤羽岩淵では埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線とそれぞれ直通し、日吉~浦和美園間の全線で相互直通運転が実施されている。また今後は日吉で接続される東急新横浜線を介して相鉄線方面ともつながる見通しで、相互直通運転の更なる複雑化が予想される。東京都心を貫く路線でありながら現在は6両編成と短く、相鉄線の直通に合わせて8両化する工事が行われている。一部時間帯を除いて、普通と急行の2種別が運行されるが、速達運転を行うのは東急目黒線内のみで、目黒以降南北線内では急行運転は実施されていない。東京メトロでは南北線の運行開始(当時はまだ営団地下鉄だった)以来、9000系がマイナーチェンジされながら投入されており、1次車は1990年頃に投入、最新の5次車は2009年に登場しているため、外観が全く異なっている。1次車については2016年以降にいわゆるB修工事と呼ばれる改造工事が実施され、車体の南北線のラインカラーが波打つラインに変更、スカートが取り付けられ、車内も新たな装いに一新されている。南北線にはこのほか、東急電鉄の3000系、3020系、5080系、埼玉高速鉄道の2000系が活躍している。相鉄直通がいよいよ目前に控え、開通すれば相鉄沿線からJR直通により実現した渋谷・新宿などの山手線沿線だけでなく、山手線の内側にあたる東京都心がダイレクトに接続される。今、再注目されている地下鉄の一つである。
 
写真:東京メトロ9000系 各停浦和美園行 東急東横線(目黒線系統)新丸子駅にて