〔今日の交通〕JR九州バス 福岡-宮崎線 フェニックス号

・真っ赤なデザインが目を引くJR九州のバスとフェニックス号
JR九州バスは福岡、鹿児島、宮崎を拠点として高速乗合バス事業を行っている。福岡は主に本州方面への高速バスを運行し、福岡と山口を結ぶ「福岡・山口ライナー」、福岡と広島・福山を結ぶ「広福ライナー」、福岡と出雲を結ぶ夜行便である「出雲ドリーム博多号」がある。宮崎と鹿児島は九州島内向けの高速バスを運行しており、鹿児島は福岡とを結ぶ「桜島号」のみ、宮崎は福岡とを結ぶ「フェニックス号」、新八代駅とを結ぶ「B&Sみやざき号」、大分・別府とを結ぶ「パシフィックライナー」を運行している。真っ赤なデザインが特徴の同車のバスの車体デザインはJR九州ではおなじみの水戸岡鋭治氏によるもので、全国的に見てもここまで派手なバスは珍しいかもしれない。
フェニックス号は言わずとしれた九州の名門高速バス路線。西鉄など4社が運行し、福岡-宮崎間の移動では航空機とシェアを二分する存在となっている。もともとは西鉄、宮崎交通、九州産交バスの3社が1988年に運行を開始した高速バス路線であり、当時は九州自動車道の一部区間が未開通だったことから一部一般道を経由していた。JR九州バスが参入したのはその翌年で、他社に比べて1年遅い。JR九州バスは九州新幹線が全線で開業した2011年に独自路線である「たいよう号」を開設してフェニックス号とライバル関係となり、フェニックス号から撤退。しかし、わずか1年あまりでフェニックス号に再び参入したという歴史がある。現在は28往復が運転される長距離路線としては本数が多い路線成長し、JR九州バスはそのうち4往復を担当している。以前は偏心3列シート中央トイレ装備車での運転だったが、順次新型車両に置き換えられていて、その際4列シート後方トイレ装備車に仕様が変えられている。現在では西鉄運行便も4列シート車が登場し、西鉄と宮崎交通が運行するセレクトシート車(前方3列後方4列シート車)は4列座席について席割料金が設定されているのに対して、全車4列の便は通常料金という矛盾が生じている。
写真:JR九州バス フェニックス号 福岡(西鉄天神高速BT)行 宮崎駅前にて