〔今日の交通〕JR九州 九州新幹線 800系

・九州新幹線の顔としてデビューも現在では脇役的存在に
 800系は2004年の九州新幹線新八代-鹿児島中央間の部分開業時に登場したJR九州初の新幹線車両で、全線開業を控えた2009年に追加投入された3編成と合わせて全9編成が投入された。このうち1編成は2016年に発生した熊本地震で熊本駅鹿児島中央方で脱線し、そのまま廃車となっており、現在はその1編成を除いた8編成で活躍を続けている。廃車により余剰となった800系の座席は、2020年10月に登場する新観光列車である「36ぷらす3」に活用されている。車両は700系新幹線を基本構造としているが、車体、車内デザインは水戸岡鋭治氏率いるドーンデザイン研究所が手掛け、JR九州らしい他にない新幹線となっている。後に投入される山陽新幹線直通用のN700系とは異なり6両編成で九州新幹線のみでの運用となっている。ただし、全線開通直前の試運転では山陽新幹線新山口まで試運転で入線した実績がある。
 現在の運用の中心は「つばめ」で、多くのつばめはこの800系を使用して運転されている。時間帯によっては博多~鹿児島中央間のさくらとしても運行されているが、以前に比べてさくらの運行本数が減ったことで、800系起用の場面は減少している。また熊本以南区間ではつばめの運行本数が大きく減少するため、熊本以南では比較的希少価値になっている。800系はグリーン車の設置のない全車普通車で、基本的には1~3号車は自由席、4~6号車は指定席だが、朝時間帯や一部列車については、4号車自由席または4~6号車乗車不可として運転される。
 
写真:JR九州 800系 つばめ 熊本行 新玉名にて