〔今日の交通〕長崎県営バス ブルーロマン号

・県が運行する珍しいバス企業である長崎県営バス
 長崎県営バス(正式名:長崎県交通局)は長崎県が運営するバス企業であり、長崎県内の路線バスのほか長崎-北九州間を結ぶ「出島号」、長崎-熊本間を結ぶ「りんどう号」などの高速バスを運行している。市営バスや町営バスなど、市町村単位で交通局を持つ自治体は数多くあるのの、都道府県単位で交通局を持つのは東京都と長崎県のみとなっており、県だけで見れば長崎県営バスのみとなっている。路線バスは主に長崎市、諫早市と空港が所在する大村市で運行されており、真っ赤な車体のバスが走っているが、高速バス車両は写真のような青主体の落ち着いたカラーリングとなっている。
・高速バスが栄える九州島内でも有数の長距離路線
 ブルーロマン号は長崎と宮崎を結ぶ高速バスで、長崎県営バスと宮崎交通がそれぞれ1往復担当し、1日2往復が運転されている。長崎と宮崎間を乗り換えなしでつなぐ唯一の交通手段であり、長崎道、九州道、宮崎道を経由して運行される。運行距離は394km、運行時間は5時間半となっており、九州島内で運行される高速バスでも最長を誇っている。長崎県営バスは独立3列シート車、宮崎交通は偏心3列シート車での運行で、途中2度休憩がある。停留所は長崎県内と宮崎県内に限られており、休憩地を除いて佐賀県、福岡県、熊本県の停留所には停車しない。長崎では長崎駅前を起点とし、昭和町、諫早IC、大村木場、大村IC、松原に停車、宮崎側でもえびのIC、小林IC、都城北、宮交シティ、たまゆらの湯、橘通り一丁目、カリーノ宮崎・山形屋前、宮崎駅と両県内では比較的こまめに停車する。鉄道でも時間がかかる区間のため比較的利用も多く、所要時間も鉄道+高速バス利用の場合と大きく変わらなくなっており、利用者も比較的多く見られる。以前は九州島内のバスが乗り放題となるフリーパス「SUNQパス」が利用不可だったが、「ランタン号」(2020年3月で廃止)とともに2018年4月から利用可能となっている。このバスでは3日以内に往復するのであれば、往復乗車券を購入するより、SUNQパス全九州版3日間を購入した方が安くなる不思議な現象も発生する。
 
※2020年以降は多客期のみ運行中
※当記事は2020年3月23日に公開した記事を再編集したものです。
 
写真:長崎県営バス ブルーロマン号 宮崎行 宮崎駅前にて