〔今日の交通〕JR九州 キハ220形200番台 久大本線普通

・キハ200系列で最後に投入されたキハ220形200番台
キハ200系は1991年に登場し電化開業前の篠栗線を皮切りに鹿児島、熊本、長崎などに投入された気動車系列である。篠栗線電化開業後は大分にも投入され、現在では大分、長崎、鹿児島、熊本をメインに活躍する。キハ200形は2両編成を組む片運転台車両であり、キハ220形は1両編成で運行可能な両運転台車両となっている。このうち、キハ220形は1997年に登場した1100番台および1500番台と2006年に登場した200番台があり、前者はキハ200形の1両編成バージョンというような位置づけ。車体も基本的にはキハ200形を両運転台にしたような車両となっている。1100番台は転換クロス車で、現在は長崎と熊本に在籍し、熊本に在籍し肥薩線で活躍する1両(※)は、2004年の九州新幹線部分開業時に指宿枕崎線の特別快速「なのはなDX」の指定席車両として活躍した車両である。1500番台はロングシート車として登場し、現在全車が大分で活躍している。一方の200番台はその出で立ちが従来車と大きく異なっており、なんといってもその特徴は前面と側面の大型LED表示器で、今となっては813系1100番台など多くの車両が導入しているため違和感はなくなっているが、登場した当時は鉄道ファンの間で話題となった。車内もロングシートと転換クロスシートを組み合わせたセミクロスシート車となっており、JR九州では2015年前後から多くの車両に設置された液晶式運賃表も登場時から搭載している。
 
・久大本線の運行概況
 久大本線はその名の通り久留米と大分を結ぶ地方交通線であり、途中には大分県西部の都市である日田市や九州有数の観光地である由布院などがある。特急列車としては「ゆふいんの森」と「ゆふ」の2列車が運行されており、多くの観光客の姿が見られる。その一方で大分道がほぼ全線に渡って並行しており、福岡方面の都市間輸送で利用される機会は少なくなっている。普通列車は両端の大分、久留米近郊区間では一定の通勤通学需要があり、1時間当たり2~3本の運行が行われている時間帯がある。大分方では大分~向之原の大分市近郊で本数が最も多くなっており、由布院までは比較的本数も多い。また久留米方では久留米~日田間で1時間に1本程度が運転され、加えて久留米~うきは、久留米~筑後吉井間などの区間便が朝夕を中心に設定されている。普通列車車両には写真のキハ220形のほか、キハ200形、キハ125形などが使用されている。
 
写真:JR九州 キハ220形200番台 普通 久留米行 久大本線 御井-善導寺間にて