〔今日の交通〕西日本鉄道 5000形と花畑急行

・西鉄天神大牟田線の現在の最古参形式である5000形
西鉄5000系は1975年に投入された通勤形電車で、以後1991年まで製造された西鉄電車の一大グループである。3両編成と4両編成が在籍し、単独編成で使用されるほか、優等列車を中心に3+3両の6両編成、もしくは3+4両の7両編成で運転されている。車体は非対称顔で大きな前照灯と尾灯を取り付けた顔が印象的で、後に登場する6000形にも通じる部分がある。一方で6000形は4ドアなのに対して、5000形は3ドアでやや丸みを帯びており、側面窓も2段式の窓が設置されている。現在では西鉄天神大牟田線系統の最古参形式となり、新型車両9000系の投入により、徐々にその数を減らしつつあるものの、特急から普通にわたる多岐にわたって活躍を続けている。
・西鉄で運行される急行の要となる西鉄福岡-花畑間の急行
西鉄天神大牟田線の急行はほぼ全時間帯で運行され、朝夕は南部区間である柳川や大牟田まで直通する列車があるが、日中は北側の花畑以北でのみ運転されている。花畑駅は西鉄久留米駅の一つ大牟田寄りに位置する駅で、久留米市中心部よりやや南側に位置する駅であり、この駅と西鉄久留米を境に福岡方面への利用客が多くなる。日中の急行は西鉄福岡-花畑間と筑紫から先で普通に変わる西鉄福岡-小郡間の急行の2系統が30分あたり1本づつ運転。それに加えて大牟田行の特急が加わり西鉄福岡駅の日中の優等列車は30分あたり3本となっている。久留米側では小郡発着の列車が減って特急と急行が30分あたり1本ずつの発着となるが、それでも15分に一本が確保されている。特急に比べやや停車駅が多くなっているが、朝の一部の列車を除いて特急に抜かれることなく先着する。大手私鉄らしく緩急接続がしっかり行われており、日中では大橋、二日市、小郡、花畑で同じ方向の普通列車に接続するほか、下りは宮の陣で甘木線の普通列車とも接続している。日中の花畑発着の急行は、花畑到着後、大牟田行普通に接続し、大牟田行普通が発車後にダイヤの合間を縫って大牟田方の本線上に引き上げ、転線して再び福岡方面に折り返していく。ダイヤが過密となる朝夕の一部時間帯は本線で折り返すと下り列車の邪魔になるため一駅先の試験場前駅まで回送され、試験場前駅の大牟田方にある引き上げ線を使って折り返す。一駅先の試験場前発の列車が朝夕で設定されているのはこのためである。