〔今日の交通〕JR東日本 E231系0番台 武蔵野線

東京メガループの一角を担う武蔵野線は、高速道路で言うところの外環道のような位置づけの路線で、貨物列車が都心の山手線を経由せずに走行できるように建設が計画された路線である。現在でも多くの貨物列車が走行し、鶴見~府中本町間は貨物列車のみが走行する貨物線となっているほか、中央本線、東北本線、常磐線など多くの路線と接続されており、日本全国とを結ぶ貨物列車がこの路線を走行していく。その一方で、戦後の東京近郊のベッドタウンの広がりは武蔵野線沿線にも広がり、他のJR線や私鉄線との交点は交通結点として機能し、武蔵野線自体も沿線の乗客を運ぶだけでなく、都心から放射状に走る各線のつなぎ役としての役割も果たしている。つい最近まで国鉄型車両である205系の牙城だった武蔵野線だったが、209系やE231系などのJR世代車の投入が行われ、つい先日205系最後の1両が武蔵野線から姿を消し、いよいよ民営化後に登場した車両で統一された。
武蔵野線の旅客化区間は府中本町から西船橋間であり、西船橋で京葉線の支線であるデルタ線と接続し、海浜幕張方面、東京方面それぞれに列車が運行されている。海浜幕張方面への列車は日中では南船橋止まりとなり、朝夕を中心に新習志野、海浜幕張まで運行される。一方東京方面に直通する列車は全ての列車が東京まで運転され、府中本町から乗りとおすと、埼玉、千葉を経由して再び東京に戻る小さな旅を味わうこともできる。外環路線ながら京葉線に直通することで、日本を代表するターミナル駅へと運行されているところも面白い点かもしれない。日中は南船橋発着、東京発着の列車が交互に運転されており、合わせて10分間隔での運転となっている。また京葉線以外にも東北本線、中央本線に直通する列車も少数ながら運転されており、八王子、大宮発着の列車も設定されている。武蔵野線の列車は全列車が8両編成で運転される。写真のE231系は、中央総武各駅停車系統で使用されていたもののお下がり車両で、山手線で使用されていた500番台に突き出されて武蔵野線で活躍している。
写真:JR東日本 E231系0番台 普通 府中本町行 京葉線 市川塩浜駅にて