〔今日の交通〕JR九州 キハ200系 指宿枕崎線

・都市近郊の通勤通学路線とローカル線の二つの顔を持つ指宿枕崎線
 指宿枕崎線はその名の通り、鹿児島中央駅から薩摩半島をくるっと周り、指宿や枕崎を結ぶ地方交通線である。開聞岳がそびえる田園風景や錦江湾に沿って走る車窓が人気で、JR最南端の駅である西大山駅は、鉄道ファンのみならず一般の観光客からも人気の高いスポットとなっている。南に進むほどローカル色が濃くなる指宿枕崎線だが、鹿児島市近郊区間では通勤通学路線として、多くの乗客が日夜利用する路線となっており、本数も比較的多く設定されている。2019年度の駅別利用者数では、主要駅や幹線の駅が多数を占めるなか、66位に谷山駅、82位に坂之上駅がランクインしており、それぞれ県内3位・4位の利用者数を誇る(1位は鹿児島中央駅、2位は日豊本線国分駅)。運行系統は指宿・山川駅で区切られており、全線を運転する列車も設定されているが、多くの列車が両駅で折り返す。また鹿児島市近郊の喜入以北で運転される区間列車も多く設定されており、鹿児島中央駅-喜入間では日中でも2~3本の列車が設定されている。朝夕には五位野、慈眼寺、谷山発着の区間列車もある。山川以南の区間は本数が激減し、一日7往復程度の運行となっている。
・指宿枕崎線の顔である黄色いキハ200系
 指宿枕崎線はキハ200系とキハ40系が使用されており、キハ40系は全線で運転されている一方、キハ200系は鹿児島中央~山川間のみの運転となっている。キハ200系のうち以前はキハ220形も運行されていたが、同線を走る観光特急「指宿のたまて箱」の運行開始に伴い熊本に転出しており、肥薩線・鹿児島本線で活躍している(現在、令和2年7月豪雨で浸水被害が発生し、肥薩線人吉駅で留置中)。このため現在はキハ200形のみが所属しており、ロングシート車500番台と転換クロスシート車の0番台が運行される。いずも鹿児島車両センターに所属し、車体全体が黄色く塗装されている。基本的には2両編成での運行だが、朝を中心に4両編成での運行も行われている。また一部列車は鹿児島中央から鹿児島本線に直通し、一駅先の鹿児島まで運転される列車がある。キハ47形では日中でも混雑する鹿児島市近郊区間においてはロングシートの同系列が重宝されており、近年転換クロスシートだった車両がロングシートに改装され、550番台として運行されている。
 
写真:JR九州 キハ200系キハ200形500番台 指宿枕崎線 普通指宿行 五位野にて