〔今日の交通〕広島電鉄 5100形 Green mover max

・宮島口方面では1編成のみが活躍する5100形 Green mover max
 広島電鉄の最大の特徴は、国内では他に見ない長い路面電車が走っていることである。3連接車でも比較的珍しいが、5000形、5100形、5200形のいわゆる5連接車(厳密には3台車5車体連節車)は国内では現在のところ広島でしか見ることができない。広島電鉄の数多く路線を広島市内とその周辺に張り巡らせているが、これらの車両が普段から走る路線・系統は限られており、基本的には1号線(広島駅-広島港)、2号線(広島駅-宮島口)の2系統に限られている。ただし、一部時間帯では、宮島口方面と日赤病院前・広電本社前などを結ぶ0号線と呼ばれる系統にも使用されるが、紙屋町の交差点を曲がる箇所が違う以外走るルート自体は1号線と2号線を組み合わせた形である。車両も3形式があるが、基本的には割り振りが行われており、5000形と5200形は2号線主体、5100形は1号線主体で運行されている。なお、5100形と5000形は1編成ずつがそれぞれ2号線、1号線で運行されており、両系統の単独区間では貴重な存在となっている。写真はそのうちの1両で、宮島線方面の2号線で活躍する5100形5101号車である。5100形は2004年にデビューした初の国産3台車5車体の連節車で、5000形、5200形と同じく、車体の前後中に台車があり、中間の2両は前後の車両に連節され浮いている構造となっている。愛称は「Green mover max」で、先に登場した5000形「Green mover」の進化形的位置づけである。現在10編成が活躍しており、10編成のうち、9編成は広電本社に隣接する千田車庫に所属する一方、写真の1編成のみが宮島線の商工センター入口に隣接す荒手車庫に所属し、「ひろしまおもてなし号」のラッピングが施されて活躍している。5100形は本来は1号線(広島駅-紙屋町-広島港)で使用するため導入した車両だったものの、一時宮島線で走らせた際、運行終了となる際に沿線から運行継続を求める声があったため、5100形も引き続き1編成だけ宮島線で使用している。現在では後継の5200形も投入されているが、5000形と5200形の中に混じって異彩を放っている。