〔今日の旅客機〕日本エアコミューター ATR 72-600

・鹿児島離島を中心に西日本のローカル路線を担うコミューターエアライン
 日本エアコミューターは鹿児島空港を拠点とし、主に鹿児島県の離島と鹿児島、福岡、伊丹などをつなぐ航空会社である。運航路線は鹿児島県の離島にとどまらず、兵庫県の但馬空港や島根県の隠岐空港などにも就航し、西日本エリアのJALグループの中小路線を担当している。以前は18機のプロペラ機を保有していたが、JALグループの航空路線再編と、機材更新に伴って保有機体は半減の9機となり、福岡-松山線、福岡-奄美大島線などの路線はJALグループのコミューターエアラインであるJ-AIRへの一部路線移管なども行われている。同じ九州にはJALとコードシェアを行う天草エアライン(AMX)があり、JAC保有するATR 42-600型機を1機保有していることから、この一機が検査に入る場合には、JAC機の貸し出しが行われている。離島各線は人口減などに伴い、利用者の減少に歯止めがかからない状況となっており、JACやAMXに長崎県で離島便を運航するオリエンタルエアブリッジ(ORC)とJAL、ANAを加えた5社による「地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合」が組織され、5社の連携が行われていく予定である。鹿児島空港はその拠点ともなっている。先述の通りJACは現在9機の機材を保有しており、内訳はATR 42-600を7機、ATR 72-600を2機となっている。ATR 72-600はやや胴長の機材であり、42-600が48席なのに対し、72-600は70席となっている。このATR 72-600は現時点では国内ではJACのみが保有し、2機のみの珍しい機体とある。鹿児島空港からJACが運航するのは、福岡・松山・種子島・屋久島・奄美大島・喜界島・徳之島、沖永良部・与論の各空港に就航している。このうち奄美大島・徳之島路線は多くがJ-AIRに移管され、現在は1往復のみJACが就航しており、離島便であっても比較的需要の大きな路線についてはJ-AIRでの運航に切り替えられている。以前はJAC便として運航されていたが、現在はJACが運航する全便がJAL便名での運航となっている。