〔今日の旅客機〕Peach Aviation Airbus A320

・設立からまもなく10年、バニラと統合し成長を続けるLCC
 ANA系の格安航空会社であるPeach Aviationは主に関西国際空港および成田空港を拠点に国内線・国際線を運航している。2019年には同じくANA系のLCCであったバニラエアと統合し、さらに就航地を拡大させている。国際線は昨今の感染症による出入国制限などに伴い、現在では関西国際空港や成田空港から台湾の桃園空港間を結ぶ路線に限定して運行されているが、本来であれば、台北のほか高雄、上海、仁川、香港、バンコクなどにも就航し、特に台湾方面便に関しては、新千歳、仙台、福岡、那覇にも就航していた。国内線については、北は釧路から南は石垣まで国内各地の空港に就航している。2月には女満別と大分にも就航予定で、今後も路線拡大を進めていく予定となっている。多くの路線は関西国際空港、成田空港を発着する便が多く、一部に新千歳、仙台、福岡、那覇などと各地を結ぶ路線も設定されている。機材はAirbus A320-200型機が使用されており、一見するとすべて同じ機材に見えるが、従来からピーチで活躍しているグループ、バニラエアから転籍してきたグループ、ピーチが新たに導入したneo機の3種類に大別される。neo機は今後随時導入予定で、現在では1機のみが運航されており、機体記号はJA201Pとなっている。バニラからの転籍機材は機体記号にVAが振られており、写真の機材もバニラから転籍した機材である。ピーチで導入された機材には基本的にはシャークレットと呼ばれる主翼端の折れ曲がった形状がないが、JA824Pのみはバニラが発注しピーチが導入した機材であり、シャークレットが装備されている。座席数はneo機が188席、その他が180席配置で、3+3列シートが並ぶ配置となっている。昨今の航空需要の減少でANAではピーチとの共同運航も視野に入れており、中小路線を中心にピーチがANA路線網の維持を担う可能性が出てきた。ANAではテレワークの普及により、ビジネスの需要が減少するなか、観光などの需要がつかみやすいLCCを強化していく構えを見せており、コロナ禍においてもピーチの成長拡大は続いていく。