〔今日の交通〕東京メトロ 日比谷線 13000系

・東京五輪開催に合わせてイメージが刷新された地下鉄路線
東京メトロ日比谷線は北千住駅から、上野、秋葉原、銀座、霞ヶ関、六本木などを経由して中目黒駅までを結ぶ地下鉄路線である。前回の東京オリンピックが開催される直前に銀座線および丸ノ内線に次いで整備が進められた地下鉄路線で、1961年の南千住~仲御徒町間の開業を皮切りに路線を伸ばし、1964年の霞ヶ関~東銀座間の開業により、北千住から中目黒までの全線で運転を開始している。北千住~南千住、仲御徒町~人形町間が開通した1962年には東武伊勢崎線(現愛称東武スカイツリーライン)と相互直通運転を開始し、全線開通した1964年には中目黒駅で接続する東急東横線との相互直通運転を開始。両端で直通運転が行われるようになった。一時期は東急東横線を介して横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街まで直通運転が行われていたが、東急東横線との直通運転は、東急東横線渋谷駅が地下化され、副都心線と結ばれた2013年に終了し、現在では東武スカイツリーラインのみで直通運転を行っている。2020年に日比谷線の2代目車両として活躍してきた03系が運行を終了し、現在では自社車両はすべて13000系に統一、東武鉄道から乗り入れてくる車両も13000系と共同コンセプトのもとで開発された70000系に統一されている。なお、03系の一部車両は長野電鉄や熊本電鉄、北陸鉄道など地方の中小私鉄に移籍して活躍している車両がある。このうち長野電鉄では、日比谷線の第一世代車両である3000系も活躍しており、日比谷線の旧車両を楽しむことができる。基本的に各駅停車のみが運転される日比谷線だが、朝夕時間帯には有料座席指定列車である「THライナー」が東武70090型を用いて運転されており、一部駅を通過する。東武スカイツリーラインでも各駅停車系統での直通運転が行われており、急行系統で直通運転を行う半蔵門線車両との共演も見ることができる。東武線での直通は日光線の南栗橋と伊勢崎線の久喜(THライナーのみ)となっているが、途中の竹ノ塚、北越谷、東武動物公園までの列車も多く設定されている。日中は5分間隔のダイヤとなっていて、東武線への直通運転は2本に1本、10分間隔で行われている。前述のとおりオリンピックとの縁が深い日比谷線。2020年のオリンピックを目前に新型車両が導入され、神谷町~霞ヶ関駅間に「虎ノ門ヒルズ駅」が開業するなど、イメージの刷新が行われてきた。残念ながらオリンピックは開催すら難しい状況だが、新しい日比谷線は次の時代に向けてスタートを切っている。