〔今日の交通〕南国交通(鹿児島県)

・鹿児島県北西部を中心に路線バスするバス事業者
 南国交通は鹿児島県を中心に高速バス、路線バスを運行するバス事業者である。高速バスでは福岡と鹿児島を結ぶ「桜島号」、熊本と鹿児島を結ぶ「きりしま号」、宮崎と鹿児島を結ぶ「はまゆう号」を運行しており、以前は関西方面への夜行バスの運行も行われていた。路線バスでは主に鹿児島市内、薩摩川内市、阿久根市、出水市、伊佐市、姶良市、湧水町など県北西地域を中心に運行されており、一部路線は熊本県南部の水俣市まで運行されている。また、県の中央部に位置する鹿児島空港をターミナルとして各方面に空港連絡バス(エアポートシャトル)を運行しており、鹿児島市内のほか、出水・阿久根方面、伊佐・水俣方面、薩摩川内、加治木・姶良方面の各方面と鹿児島空港とをつないでいる。鹿児島県では、各方面の移動に鹿児島空港を利用すると便利であり、鹿児島交通が運行する薩摩半島方面(指宿・枕崎)、大隅半島方面(鹿屋・志布志等)に加えて、航空機での移動となる離島方面(奄美・屋久島等)など県内各方面に移動できる。
 さて、先述のとおり、県北西部が主な運行エリアとなっている南国交通の路線バスだが、鹿児島市内では主に市内中心部と鹿児島市北部の吉野地域や姶良市方面と鹿児島中央駅の西側にあたる武岡、西陵地域方面に多く路線を伸ばしている。また、近年では同じく鹿児島市内を運行する鹿児島市営バスから路線移管されたバス路線も運行している。多くの路線が鹿児島市内の大通りである鹿児島駅~市役所前~天文館~鹿児島中央駅のルートを通り、他社のバスと合わせてバスと路面電車の大動脈を形成している。写真の「N14番」は、鹿児島駅方面からこの大動脈を鹿児島中央駅まで進み、鹿児島中央駅の西側の田上地区を経由して、九州道鹿児島ICの西側に隣接する西陵地区まで運行されており、写真のバスは、鹿児島駅より北側の吉野ゴルフ場始発で運行されている。このように南国交通の路線バスは、大動脈を介して、鹿児島市の北側から西側に抜けるように運行されているのが特徴である。鹿児島市内のバス路線では未だ全国相互利用ICカードが利用不可となっており、南国交通、鹿児島交通、JR九州バス、鹿児島市営バスの4社でかごしま共通乗車カード「Rapica」を運用し、このカードに限って利用が可能である。