〔今日の交通〕京都丹後鉄道 KTR8000形 特急「たんごリレー」

・京都丹後鉄道線内完結で運行される特急列車
 京都府北部の丹後エリアで宮津線と宮福線の2路線を運行する京都丹後鉄道。沿線には丹後エリアの一大観光地で、日本三景の一つにも数えられる天橋立があり、全国から観光客が訪れる。そのため北近畿タンゴ鉄道が運行を行っていた時代から、宮福線を経由してJR線との直通運転が行われている。宮福線の全線と宮津線の宮津~天橋立間は電化区間となっており、京都発着の特急「はしだて」でJR西日本の289系電車が入線するほか、宮津線内の一部普通・快速列車には福知山支社の113系電車も使用される。一方で、京都丹後鉄道からはKTR8000形車両が特急「はしだて」として京都~豊岡(久美浜~豊岡間は快速扱い)でJRに乗り入れるほか、この列車に綾部で併結する特急「まいづる」にも充当され、京都まで顔を出す。
 特急「たんごリレー」はJRへの直通列車がない時間帯に運転される京都丹後鉄道線内完結列車で、現在は宮津~福知山間1本、福知山~豊岡間1往復(網野~豊岡間快速列車)、福知山~網野間1.5往復の計3往復が運行されている。なお、宮津~福知山間の1本は前列車の西舞鶴発宮津行の快速列車から通しで運転されており、西舞鶴から福知山へと丹鉄経由で乗り換えなしで移動できる貴重な手段となっている。いずれの列車も福知山駅で大阪方面もしくは京都方面へと向かう特急列車に接続し、KTR8000形「丹後の海」車両で運転される。基本的に2両編成で運転され、1号車指定席、2号車自由席となっており、JRと直通する特急「はしだて」は2022年3月から全車指定席化されたが、特急「たんごリレー」は自由席の設定が継続されている。JRの特急列車と乗り継ぐ場合のみJRのみどりの窓口で指定席券の購入ができ、そうでない場合は京都丹後鉄道の窓口のみに発売が制限されるため注意が必要である。
 なお、宮津~福知山間では、特急「たんごリレー」のほかに快速「大江山」の一部列車と朝の「通勤ライナー」でも「丹後の海」車両が使用されているほか、宮津線内でも朝夕を中心に普通・快速列車に「丹後の海」車両が使用されており、必ずしも特急列車でなくてもこの車両に乗ることも可能である。