〔今日の交通〕JR九州 415系 山陽本線普通

・世界初の海底トンネル「関門鉄道トンネル」がある人とモノの大動脈
山陽本線で唯一JR九州エリアとなっている下関~門司間。当区間は本州と九州を結ぶ関門トンネルがあり、新幹線開業以前は本州と九州を結ぶ人とモノの大動脈として機能していた。新幹線が開業して人の長距離移動を新関門トンネルに譲った現在も、貨物列車が多数運転される物流の大動脈となっている。また、北九州都市圏に含まれる下関市と北九州を結ぶ通勤通学の足としても大きな役割を果たしており、多くの人が行き来する。以前は寝台特急をはじめとして小倉方面から広島・大阪方面に直通する列車が多く運転され、普通列車も九州方面から小郡や宇部新川などに直通する列車が多数運転されていた。しかし、現在では寝台特急を含む当区間の特急列車が全廃し、普通列車も山陽本線の幡生方面を直通する列車がなくなったため、九州方面から運転される列車は全て下関止まりとなり、必ず下関で乗り換えが必要となっている。当区間は門司駅構内にデッドセクションが設けられているため、交直流電車である415系が以前から普通列車に使用されている。基本的には小倉・門司~下関間の運転だが、一部列車は鹿児島本線(折尾・福間など)・日豊本線(柳ヶ浦・苅田など)・福北ゆたか線(直方)と直通している。以前は八代発宇部新川行、近年でも下関発早岐行など多数のロングラン列車が走っていた当区間だが、運用される415系が大分車両センター所属であることから、現在でも下関から大分まで運転されるロングラン列車も現存している。小倉駅から下関方面に乗り込むと、門司まで同じ方向に進む門司港行きや他の電車と区別するために「本州方面下関行き」、逆に下関から小倉行きに乗り込むと「九州方面小倉行き」などと案内されるのがこの区間の独特の言い回しとなっていて、九州と本州の橋渡し役として、日々多くの人とモノが行きかう区間となっている。