〔今日の交通〕熊本都市バス(熊本県)

・熊本市営バス移譲路線を中心に熊本市周辺で路線バスを運行
2019年10月に開業した熊本桜町バスターミナル。それまで熊本のバスターミナルだった熊本交通センターを置き換える形で開業し、バスターミナルとしては日本一の規模を誇る。熊本市周辺の路線バスは、九州産交バスとその子会社である産交バスのほかに、熊本電鉄バス、熊本バス、熊本都市バスの計5社が運行し、桜町バスターミナルはこの5社の路線バスが発着する巨大ターミナルとなっている。このうち熊本都市バスは、熊本市交通局の路線バス事業の民営化の受け皿会社として、九州産交バス、熊本電鉄バス、熊本バスの3社の出資のもとで設立されたバス会社で、熊本市中心部から市内各方面に路線を延ばす。特に熊本市中心部から東側に位置する帯山、長嶺、小峯などのエリアへ向かう路線が多く、その他の路線は上熊本発着路線のほか熊本市の団地や施設を結ぶ路線も多い。路線を挙げるとキリがないが、代表的な路線としては、桜町バスターミナルから水前寺駅、京塚、小峯を経由して三山荘まで運行される小峯京塚線や、熊本市西部の島崎から桜町バスターミナル、水前寺、保田窪、帯山を経由して長嶺まで運行される島崎保田窪線などがある。また、熊本市内を循環する環状線も運行されていて、熊本駅から市街地の南側を巡回する中央環状線、上熊本駅から熊本駅や九品寺、子飼を経由して上熊本駅に至る第一環状線などがある。2021年3月からはバス会社による共同経営が解禁され、熊本都市バスが運行していた富尾団地線を路線のほとんどが重複する九州産交バスが運行するようになり、その一方で熊本都市バスでは、九州産交バスが運行していた桜町バスターミナル方面~トラックターミナル、免許センター線の運行を開始し、熊本都市バスとしては初めて路線が熊本市を出て、隣接する菊陽町まで延びることとなった。車体デザインは別名銀杏城と呼ばれる熊本のシンボル熊本城をロゴにあしらったデザインで、それまでの熊本市営バス車両とは大きく印象が異なるが、熊本市営バスから引き継いだ車両も在籍し、昔ながらの緑色のバスも健在である。先述の通り熊本都市バスをはじめとする熊本市内のバス会社5社は共同経営推進室を設置し、共同経営に向けた取り組みを実施している。その取り組みの一つとして今年9月には路線バス100円の日として熊本県内の路線バスと熊本電鉄線および熊本市電が100円(子ども無料)となるイベントが実施予定。会社の垣根を越えた取り組みで、熊本市民の足を支えていく。