〔今日の交通〕水島臨海鉄道(岡山県)

・水島コンビナートへの貨物輸送も行う倉敷市民の足
 水島臨海鉄道はJR倉敷駅に隣接する倉敷市駅から倉敷貨物ターミナル間を結ぶ水島本線と、その途中の水島駅から分岐して東水島駅までを結ぶ港東線の2路線を運行する鉄道会社。このうち港東線は貨物営業のみが行われ、水島本線のうち倉敷市駅~三菱自工前間のみで旅客営業が行われている。倉敷市の臨海部に位置する水島地区は、言わずと知れた日本最大級のコンビナートである水島コンビナートがあり、石油、化学、自動車などの多くのプラントや工場が立ち並ぶ。これら工業地帯への貨物輸送の傍ら、倉敷市民の生活の足として使われており、通勤通学など多くの利用客が利用している。倉敷市~三菱自工前間で旅客営業しているものの、このうちの水島~三菱自工前間は運転間隔が空く時間もある。その一方で倉敷市~水島間では概ね1時間に1~2本が運転されている。旅客列車は1~2両だが、貨物列車が通過するため、交換ができる駅では有効長が長く、広い駅構内の端っこにホームがあるのが特徴的で、臨海鉄道の名にふさわしく(?)高架橋の区間も多い。JRは倉敷駅なのに対して水島臨海鉄道は「倉敷市駅」で、駅改札はそれぞれ少し離れている。なお、貨物列車が直通することから駅構内で線路はつながっていて、駅を出た後しばらくは山陽本線と水島臨海鉄道が並走する。写真のMRT300形が活躍する一方で、JR東日本の久留里線で活躍していたキハ30形、37形、38形が在籍し現在も活躍を続けている。なお、水島臨海鉄道の車両基地は三菱自工前駅からさらに奥へと進んだ倉敷貨物ターミナル駅に隣接しており、車窓に車両基地を見ることはできない。旅客の終点である三菱自工前は水島コンビナートに片足を入れた場所に位置するため、関東圏で言えばJR鶴見線のような風情を味わうことができるのが見どころの一つである。