〔今日の交通〕JR西日本 287系 特急きのさき

・北近畿へのアクセスの一翼を担う山陰本線完結系統の特急列車
 山陰本線京都口は京都府北部の丹後エリアや兵庫県北部の但馬エリアの玄関口となっていて、多くの特急列車が運転されている。大阪・京都から福知山・綾部を中心点として、城崎温泉、天橋立、舞鶴へ特急列車が走行し、路線図を見ると大きな「X」の文字に見えることから、これらの特急列車ネットワークは「北近畿ビッグxネットワーク」の愛称が付けられている。構成する特急列車を一つずつ見ていくと、京都から山陰本線を下り豊岡・城崎温泉まで向かう特急きのさき、京都から山陰本線を下り、福知山で京都丹後鉄道線に乗り入れて天橋立・久美浜(豊岡)まで向かう特急「はしだて」、綾部から舞鶴線に入り東舞鶴へと向かう特急「まいづる」、新大阪から福知山線・山陰本線経由で城崎温泉へ向かう特急「こうのとり」がある。また京都丹後鉄道線ではこれらの特急列車に接続する形で特急「たんごリレー」が走り直通列車を補完している。このうち、特急「きのさき」は京都~福知山・豊岡・城崎温泉間で運転される特急列車で、他の特急列車と異なり、運転される区間の全区間が山陰本線となっている。「きのさき」と名乗りながら城崎温泉に行かない列車も多数存在するが、あくまで、山陰本線完結の列車につけられているのが「きのさき」の愛称で、城崎温泉に行くことを意味するわけではない。違う方面に向かう特急列車が2本併結して運転されることが多い山陰本線京都口の特急列車。特急「きのさき」は全区間単独で運転される列車と、京都~綾部間で特急「まいづる」を併結する列車がある。287系または289系電車で運転され、4両または7両編成で運転される。ややこしいが、287系は新型車両(といっても11年前のデビュー)、289系は683系電車を改造した車両である。基本は4両編成だが、1本だけ京都-福知山間で3両増結して7両編成となる列車があるほか、週末を中心に京都-城崎温泉間で7両編成となる列車がある。4両編成の列車の一部は京都-綾部で特急「まいづる」3両を併結する。温泉地である城崎温泉への観光客輸送のほか、京都や名古屋・関東方面から福知山・豊岡などの北近畿エリアを結ぶ特急きのさき。朝夕には京都市街方面への通勤特急と様々な一面を持ち、山陰本線京都口の都市間輸送の一翼を担う。