〔今日の交通〕JR西日本 キハ189系 特急はまかぜ

・播但線経由で但馬地方と阪神エリアを結ぶ気動車特急
大阪と香住、浜坂、鳥取間をJR神戸線、播但線、山陰本線を経由して結ぶ特急はまかぜ。山陰本線の和田山~城崎温泉間では、同じ大阪方面と城崎温泉を福知山線を経由して結ぶ特急こうのとりと重複する区間を走行するが、主に大阪と城崎温泉より先の香住・浜坂エリアへの移動や山陰本線・播但線沿線から特急こうのとりが経由しない神戸との間の移動に用いられる。現在は大阪~香住、大阪~浜坂、大阪~鳥取で各1往復ずつの計3往復が運転され、これに加えて日本海側名産のカニが旬となる季節には臨時特急「カニかにはまかぜ」も運行される。朝の上り、夜の下り1本ずつが兵庫県から鳥取県へと入り、鳥取駅まで運行されており、山陰本線側から鳥取駅へと至る貴重な特急列車となっている。もちろん大阪から鳥取へ行くには特急スーパーはくとを使った方が1時間半以上早く到着するため、この特急で鳥取を目指す人は鉄道ファン以外ほぼおらず、実際には乗務員や車両停泊の都合上鳥取駅まで運転する形をとっている。山陰本線の駅から大阪駅までこの列車を利用する場合は、福知山線経由の特急こうのとりより遠回りとなるが、乗車券は福知山線経由で計算できる特例が設けられている。2010年までは国鉄時代から使用されてきたキハ181系が活躍していたが、新型車両のキハ189系がこれを置き換えて早12年が経つ。自由席1両と指定席2両の3両編成で運転されていた特急はまかぜだが、2021年3月改正からは全席指定席化され、自由席の設定がなくなった。多客期には2編成つなげた6両で運転されることもあり、阪神エリアから北近畿を目指す観光客を中心ににぎわう。山陰本線では日本海を、JR神戸線では明石海峡が車窓に見えるが、途中の姫路で進行方向が変わるため、いずれも同じ側の座席から見える。山陰本線・播但線ではゆったりとした走りの一方で、JR神戸線では前後を走る新快速に高速運転で大阪-姫路間を駆け抜ける。