〔PICK UP〕養老鉄道養老線(岐阜県・三重県)

 
養老鉄道養老線 普通 大垣行 7700系 揖斐にて
 
 桑名駅と揖斐駅を大垣経由で結ぶ養老鉄道養老線。かつては近鉄の路線だったが、2007年に運行が養老鉄道へ移管された。当初は線路設備を近鉄が保有し、養老鉄道が運行を行う形だったが、2016年以降は沿線自治体が出資する養老線管理機構が線路設備を保有し、養老鉄道が運行する新たな上下分離方式に変更されている。
 近鉄名古屋線と接続する桑名から揖斐川西部の養老山地沿いを進み、駒野、養老を経由して大垣市街地へ至り、大垣で進行方向を変えると、JR東海道本線の下を潜ってさらに北上。揖斐川町の揖斐駅へ至る。終点の揖斐駅は近鉄時代、近鉄の駅として最も北に位置する駅だった。桑名で接続する近鉄名古屋線は標準軌だが、養老線は狭軌路線であり、近鉄時代から直通運転は行われていない。ただし、車両検査時には、桑名駅に隣接する台車交換所で台車を履き替えて、近鉄の事業用車の牽引のもとで近鉄の工場まで輸送される。
 運行系統は大垣で分かれており、同じ路線ながら南北を直通する列車はない。南側は桑名-大垣間の運行を基本とし、車両基地がある西大垣-大垣間の区間列車と、朝夕に運転される養老、駒野、美濃松山発着の区間列車が加わる。一方で北側は全列車が大垣-揖斐間で運転されている。運転本数は、南側が大垣-西大垣間の区間列車を除いて1時間あたり1~2本、北側が2~3本となっており、沿線の地域輸送を担っている。2007年の移管時から近鉄から引き継がれた600系が使用されているが、最近では東急からやってきた7700系が運行を開始。2~3両編成で運行されている。