〔PICK UP〕JR九州 日田彦山線BRT(ひこぼしライン)

JR九州 日田彦山線BRTひこぼしライン 添田行
添田(終点)にて(JR九州バス運行)
日豊本線の城野駅と久大本線の夜明駅の間を、田川後藤寺、添田、彦山などを経由して走る日田彦山線。このうち福岡県と大分県の県境区間を含む添田~夜明間は、2017年に発生した九州北部豪雨で被災し、橋梁の損傷や土砂流入、道床流出など大きな被害が発生した。その後、JR九州と沿線自治体は復旧検討会議において、今後の路線の在り方について検討を開始。JRは上下分離方式による鉄道での復旧を提示したが、沿線自治体がこの区間だけ沿線に負担を求めることに難色を示したため、BRT方式での復旧が検討された。最後まで福岡県東峰村が鉄道での復旧を求めていたが、最終的に鉄道での復旧の断念を容認。BRT方式での復旧が決まり、2020年からBRT化の工事が着工した。なお、現時点でも当該区間の鉄道廃止届は提出されていない。
2023年8月に開業した日田彦山線BRTは、添田~日田間で運行され、JR九州が事業主体となり、子会社のJR九州バスが運行を担っている。列車が運行されていた頃も、全列車が夜明から久大本線へ入り、日田まで運転されており、中には大分方面への列車も存在していた。添田~日田の全区間を走るバスは1日10往復で、このほか添田~彦山間、日田~筑前岩屋間で区間便が数往復程度運行されている。区間のうち日田~宝珠山間と、彦山~添田間では一般道を走行し、釈迦岳トンネルを含む宝珠山~彦山間では線路跡を利用したBRT専用道を走行する。日田駅は駅前ロータリー、夜明駅は駅前バス停の発着だが、添田駅では列車の向かい側のホームに到着し、東北地方の気仙沼駅や盛駅と同じくバスと列車を対面で乗り継ぐことが可能である。日田市内では日田~光岡間を直行する便と、市役所、昭和学園前などを経由する便があり、後者は朝夕時短帯を中心に運行されている。
鉄道とBRTを跨ぐ乗車券は、添田接続、または夜明、光岡、日田接続で、福岡県や大分県などの限られた区間の駅とBRTの駅同士で可能である。ただし、夜明~日田間は鉄道に乗り継ぐ場合とBRTに乗車する場合で運賃が異なるため、鉄道の乗車券でBRTに乗車したり、BRTの乗車券で列車に乗車することはできない。接続駅で列車とBRTを乗り継ぐ場合は、運賃が100円割引となる乗り継ぎ割引が設定されている。青春18きっぷ、旅名人の九州満喫きっぷなどのフリー乗車券は、列車と同様に利用が可能。また、ICカードでの決済も現時点では可能となっている。