【PICK UP】JR東海・伊勢鉄道 快速みえ

快速みえ12号 名古屋行
キハ75系 伊勢市にて
伊勢鉄道を経由して、名古屋と三重県内各地を結ぶ近鉄特急のライバル列車
名古屋と伊勢市・鳥羽を結ぶ快速「みえ」。名古屋から三重県内各地へのアクセスは近鉄特急が最大のシェアを占めるが、その対抗馬としてJR東海が運行している快速列車である。
列車は名古屋〜河原田間で関西本線を走行し、河原田〜津間では伊勢鉄道伊勢線を経由。津からは紀勢本線、多気からは参宮線に入り、伊勢市・鳥羽へ向かう。桑名、四日市、津、松阪、伊勢市といった三重県北部の主要都市を次々に通過し、名古屋と各都市、さらには都市間同士を結ぶ役割を持つ。また名古屋から乗り換えが便利なこともあり、伊勢神宮を目指す観光客にも多く利用されている。
運行は終日にわたりおおむね毎時1本。土休日には、定期列車よりも早い時間に下りの臨時列車が名古屋〜伊勢市間で運転される。基本は鳥羽発着だが、伊勢市が始発・終点となる列車もあり、特に下りで多く設定されている。編成は2両または4両で、2両編成では1号車半室、4両編成では1号車の全車が指定席となる。4両編成の場合、名古屋〜伊勢市間は4両で、伊勢市〜鳥羽間では2両に短縮されるため、この区間では指定席の範囲が列車によって変わる。
停車駅は名古屋、桑名、四日市、鈴鹿、津、松阪、多気、伊勢市、二見浦、鳥羽が基本。ただし朝夕の一部列車は参宮線内で各駅に停車する。また鈴鹿サーキットでのレース開催時には、伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生にも臨時停車する。使用車両は、急行・快速用として導入されたJR東海のキハ75系である。
近鉄に比べ線形はやや遠回りで、複線の近鉄特急に対し快速「みえ」は多くの区間が単線のため、行き違い待ちも発生する。所要時間は名古屋〜伊勢市間で近鉄特急が約1時間20分なのに対し、快速「みえ」は約1時間30分とやや長い。一方で料金は安く、指定席利用でも近鉄特急より割安となっている。特に名古屋で新幹線に乗り継ぐ場合、乗車券を通しで購入できる点が大きなメリットとなる。
伊勢鉄道を経由するため、青春18きっぷでは車内で伊勢鉄道運賃の精算が必要となるが、それでもこのきっぷを使った三重方面への旅では定番の列車として親しまれている。