【PICK UP】南海電鉄 高師浜線(大阪府)

南海 高師浜線 普通 高師浜行
2000系 羽衣にて
2024年に眠りから覚めた所要時間わずか3分の小さな支線
今年4月に泉北高速鉄道泉北線を吸収し、9路線となった南海電鉄の鉄道路線。そのうちケーブルカー路線である鋼索線を除いた8路線で最も路線距離が短いのは、南海本線の羽衣駅から分岐し、高師浜駅までを結ぶ高師浜線という路線である。
高師浜線の路線距離はわずか1.4km、途中には伽羅橋駅があり、路線単独の駅は2駅のみとなっている。所要時間はわずか3分。もはや座るのすら面倒くさく感じてしまう。かつては2200系電車が使用されていたが、現在は写真の2000系が使用されており、南海本線の列車に接続する形でひたすらピストン輸送をこなしている。
南海羽衣駅付近ではしばらくの間、連続立体高架化事業が行われていた。市街地に隣接する場所で高架化を行うため、高師浜線は2021年5月から2024年4月までの約3年間、列車の運行が休止され、バスによる代行輸送が行われていた。運転再開後は、高師浜線の羽衣駅周辺も高架化され、元から高架区間だった伽羅橋-高師浜間と合わせて、全線が高架化されることとなった。
この辺りでは羽衣駅に隣接する東羽衣駅へも鳳駅から阪和線の支線(通称羽衣支線)が伸びていて、JR、南海共に西へ支線を伸ばす格好になっている。筆者は2016年に羽衣支線に乗車しにこの地を訪れたにも関わらず、なぜか高師浜線には乗車せずに帰ってしまった思い出がある。その後高架化に伴う休止期間に突入し、なかなか乗車することができなかったが、運行が再開された2024年の夏に再び羽衣を訪れ、ようやく乗車することができた。往復したほうが楽だが、どうしても往復を避けたい場合は、高石駅から徒歩で高師浜駅へアクセスすることもできる。終点の高師浜駅周辺には日露戦争における捕虜収容所があり、その跡地に開発された宅地と南海本線を結ぶ路線として開業したのが高師浜線。今も沿線には住宅地が広がっており、列車は高架橋からその街並みを見ながら走っていく。
全線が高架で運行距離も短いことから、2027年度から自動運転の導入が予定されている当路線。自動運転が正式に導入されれば、南海電鉄として初めての本格導入路線となる予定である。