【旅行記】仙台近郊路線と陸羽西線を巡る旅~仙台市営地下鉄東西線に乗車する~

 
 仙台近郊の鉄道路線と陸羽西線を巡る旅の2日目は、朝から仙台市内を旅し、地下鉄2路線を巡っている。泉中央から南北線を乗り通し、富沢へ向かった後は、折り返して長町へ。ここからは路線バスに乗車し、東西線が発着する八木山動物公園駅を目指した。

長町から仙台市営バスZ60系統で八木山動物公園駅へ

 同じ太白区内に所在する長町駅と八木山動物公園駅。この両駅間には住宅街が広がっており、両駅を結ぶバスは複数の系統が運行されている。仙台市営バスだけでなく宮城交通もこの区間で路線を運行しているため、本数も比較的多い。今回は「仙台まるごとパス」を活用するため、仙台市営バスを利用することにした。日中も経由地の異なる複数の系統が運行されているが、その中からZ60系統を選んだ。
 長町駅東口と八木山動物公園駅を結ぶZ60系統は、両駅間を結ぶ路線の中では西側を経由する系統である。実は長町駅の南側を横切る道路をそのまま山の方へ進めば、八木山動物公園駅付近へたどり着く。最短経路を走るのは58系統で、この道路をほぼ一直線に進み、約20分で両駅を結ぶ。一方、Z60系統はその少し西側を経由し、やや遠回りしながら八木山動物公園駅へ向かう。所要時間は約25分。このほかにも、58系統が走る幹線道路の両側に広がる住宅街を経由する路線が複数運行されている。
 
乗車記録 No.13 仙台市営バス[Z60] 八木山動物公園駅行 長町駅東口→八木山動物公園駅
 
 長町駅東口では5人が乗車。ロータリーを発車すると県道273号へ出て、直後のIKEA前交差点を右折する。東北本線・東北新幹線の高架をくぐり、長町駅西口に停車。この先の長町南駅・太白区役所前までは、地下を先ほど乗車した南北線が走っている。太白区のメインストリートともいえるこの通りには各方面からのバスが集まり、すれ違うバスの数も多い。長町南駅周辺には商業施設「ララガーデン長町」に加え、太白区役所も立地している。各停留所で断続的に乗客を乗せながら進んだバスは、泉崎二丁目交差点を左折し、国道286号へと入った。
 
 宮城・山形県境付近に、車同士の行き違いも困難な「酷道」区間があることで知られる国道286号。仙台市近郊では市中心部と太白区を結ぶ幹線道路となっており、多くの車が行き交う。途中で秋保方面へ向かう道路も分岐するため、秋保方面へ向かう際にもこの道路を利用することになる。バスはしばらく国道286号を西へ進み、位置的には八木山動物公園駅から一度遠ざかる。沿道にはロードサイド店舗が立ち並ぶ。ここにもバス停は設けられているが、住宅街の中を走る別系統もあるため、この区間での乗り降りは少なかった。
 
 その後、西多賀地区へ差しかかると交差点を右折し、山手へ向かう幹線道路へ。バスは徐々に標高を上げていく。沿道には住宅街が広がるほか、高校も立地しており、各停留所で乗客が立て続けに下車していった。ちなみに、この区間では宮城交通の路線も同じ道路を走っている。やがて視界が開け、周囲の住宅街を見渡せるようになるとともに山並みも近づき、道路は片側1車線となった。
 バスは八木山動物公園方面へ向かう道路を一度またぎ、その北側へ進路を取る。ここでは住宅街の中をコの字を描くように走り抜けた。一時的に車内の乗客は3人ほどまで減ったが、このあたりからは八木山動物公園駅へ向かう乗客が増え始める。先ほどまたいだ幹線道路へ戻ると、仙台赤十字病院前を通過し、バスはまもなく終点の八木山動物公園駅へ到着した。
 
 長町駅東口から約30分で終点の八木山動物公園駅に到着。太白区内の住宅街を走るこの路線は、新幹線や東北本線ではなかなか感じ取れない仙台の街の地形を体感できる路線でもあった。仙山線の車窓や、今乗車した路線バスから見える景色を眺めていると、仙台という街は思っていた以上に起伏に富んだ地形の上に広がっていることが分かる。
 もちろん、ロードサイドに並ぶチェーン店だけを見れば、街なんてどこも同じだと言いたくなる。しかし、よく見てみると、その地形や街の構造には土地ごとの個性がある。電車やバスで街を巡ると、そうした特徴が自然と見えてくる。それもまた、乗りつぶしの旅の面白さの一つだと思う。
 八木山動物公園駅のバス停は、駅に隣接する八木山動物公園の立体駐車場1階に設けられている。バスロータリーの上に立体駐車場が載るこの構造を見て、以前どこかで見たことがあると思った。それは、名古屋市営地下鉄桜通線の終点・徳重駅である。あちらは立体駐車場ではないものの、バスロータリーの雰囲気はどこかよく似ていた。

山の上にある八木山動物公園駅と展望台

 地下鉄東西線の終点となっている八木山動物公園駅。その名の通り、駅には八木山動物公園がほぼ直結しており、動物園を訪れる多くの人が利用する。一方で、先ほどバスで通ってきたように、駅の南側には住宅街が広がり、駅前からは各方面への路線バスが発着している。長町駅と並ぶ、太白区の交通拠点としての役割も担う駅である。
 動物園には特に興味がないため今回は立ち寄らなかったが、動物公園の入園口前、バスロータリーの上に設けられた立体駐車場の屋上には、「八木山てっぺんひろば」という小さな公園がある。ここから周辺を一望できるというので、そちらへ足を運んでみることにした。
 
 てっぺんひろばからは太白区周辺を一望できた。八木山動物公園駅が山の上にあることは訪れる前から知っていたが、その高さは想像以上だった。新幹線の車窓から見える仙台市街地の象徴、3本のテレビ塔が自分の目線よりも低い位置に見える。その横には、先ほどまでいた長町駅周辺の街並みも広がっていた。この日は少し霞んでいたものの、遠くには太平洋の姿も確認できる。空気が澄んでいれば、仙台空港まではっきり見えるという。丘陵地帯から海沿いへとなだらかに続く市街地を見渡し、仙台市南部の地形を立体的に実感できる場所だった。
 
 山の上にありながら、その真下の道路沿いには地下鉄の出入口があるというのも面白い。八木山動物公園駅のホームは標高136.4mに位置しており、地下にある地下鉄駅としては日本一高い場所にある。公園内にも、そのことを示す案内板が設置されていた。
 なお、地下鉄駅全体で見ると、さらに標高の高い駅が存在する。日本一高い地下鉄駅は、神戸市営地下鉄北神線の谷上駅で、標高は244m。谷上駅は地上駅で、もともとは北神急行電鉄の駅だったが、2020年に神戸市営地下鉄へ編入され、日本一標高の高い地下鉄駅となった。244mという高さは、ここ八木山動物公園駅の倍近くにもなる。新神戸駅から谷上へ続く北神トンネルがいかに急勾配なのか、その数字からも想像することができる。

宮城県最後の未乗路線、地下鉄東西線で荒井へ

 さて、てっぺん広場から市街地を眺めた後は、いよいよ東西線に乗車する。宮城県最後の未乗路線となった東西線。この路線を乗り通し、荒井駅まで行けば、宮城県の鉄道路線をすべて乗り終えることとなる。八木山動物公園から11時32分発の荒井行きに乗車した。
 
 仙台市営地下鉄東西線は2015年に開業した新しい路線である。地下鉄の新区間としては現在、Osaka Metro中央線のコスモスクエア-夢洲間が最も新しいが、路線そのものとしては、この東西線が日本で最も新しい。
 路線名のとおり、この路線はおおむね仙台市街地を東西に横断し、海側の荒井駅と山側の八木山動物公園駅を結ぶ。簡略化した路線図では南北線と直角に交わっているように描かれるが、実際には八木山動物公園付近でやや南へ膨らむ線形となっている。
 南北線が一般的な普通鉄道であるのに対し、東西線では鉄輪式リニアモーター方式(いわゆるリニア地下鉄)を採用している。この路線は特に八木山動物公園周辺で山地をトンネルで貫く区間が多い。リニア地下鉄は車体を小型化できるためトンネル断面を小さくできるほか、急勾配にも強いという利点がある。地下鉄でありながら山岳トンネルや急勾配区間が連続する東西線には、まさに最適な方式といえる。(写真はこの日の午後に国際センター駅で撮影したもの)
 
乗車記録 No.14 仙台市営地下鉄東西線 荒井行 八木山動物公園→荒井 2000系
 
 八木山動物公園駅を出ると、列車は八木山トンネルへ入る。動物公園の地下をしばらく進むと、一度だけ地上へ姿を現し、地下鉄とは思えない渓谷の車窓が広がった。
 ここに架かる竜の口橋梁は、道路と地下鉄が同じ橋で渓谷を渡る珍しい構造を持つ橋梁である。いわば瀬戸大橋を極端に短くしたような二層構造となっている。ただし、現在は上部を通る道路が未開通のため、橋の上段はまだ使用されていない。ほんのわずか地上区間を走った列車は、再び青葉山トンネルへと吸い込まれていった。
 青葉山駅と次の川内駅周辺には東北大学のキャンパスが広がっており、東西線自体、学生や大学関係者の利用が多い。両駅を結ぶ亀岡トンネルは57‰もの急勾配となっており、列車はここで一気に坂を駆け下りる。車内にいると勾配を意識することはあまりないが、地上の道路をストリートビューなどで見ると、とても地下鉄が走っているとは思えないような峠道となっている。地下鉄といいながら、その一部は山岳鉄道のような趣さえ感じさせる。
 
 川内、国際センターと停車すると、列車は再び地上へ姿を現し、広瀬川を橋で渡る。広瀬川は渓谷状の地形となっているため、この区間では川の下をトンネルで潜るのではなく、橋梁で越える方式が採用された。
 橋を渡ると列車は仙台市中心部へ入り、大町西公園、青葉通一番町と停車して仙台駅へ到着。ここで車内の乗客は大きく入れ替わった。
 
 仙台駅周辺では、東西線は他路線との位置関係を避けるため、線形がやや複雑になっている。仙台駅は南北線との交点付近にあり、北側には仙石線のあおば通駅が隣接している。駅の東口側からは少し離れているため。東北本線の東側には別に宮城野駅が設置されている。列車は仙台から先、概ね東へ進み、終点の荒井駅を目指す。
 西側区間が山岳鉄道のような雰囲気だったのに対し、仙台駅から東側は一転して都市型地下鉄らしい区間となる。住宅地が広がる幹線道路の地下を列車は淡々と走り続ける。八木山動物公園駅は太白区、青葉山〜仙台駅間は青葉区に所在するが、仙台駅から先は宮城野駅のみが宮城野区にあり、それ以東は若林区内を走っていく。
 仙台駅で入れ替わった乗客も一駅ごとに減っていき、列車は八木山動物公園駅から約30分で終点の荒井駅へ到着した。それと同時に、宮城県の鉄道路線をすべて乗り終えることができた。

大きな駅舎を備える荒井駅とその周辺

 仙台市東部の若林区にある荒井駅。市街地の東の端に位置する駅で、この駅の東側を縦断する仙台東部道路を境に市街地は途切れている。南北線の富沢駅と同様に、この駅も終点の先に荒井車両基地があり、駅の東側にその車両基地が広がっている。ホームは地下にあるが、改札は駅舎の1階にある。駅の規模の割に大きな駅舎を持つ荒井駅。交通局の一部機能が入っているほか、東日本大震災のメモリアル交流館や保育園なども入る。メモリアル交流館もぜひ見学していきたかったが、この日は生憎定休日だった。
 
 駅周辺はもともと住宅が点在する地域だったようだが、地下鉄開業を契機に再開発が進み、現在ではマンションや企業のオフィスが建ち並んでいる。一方で、大型商業施設は少なく、全体としては住宅街の玄関口という印象を受けた。ちょうど昼時だったので、近くのコンビニで昼食を購入し、駅前のベンチで食事を済ませながら、次に乗車するバスを待った。
 
 荒井駅は東日本大震災当時はまだ開業しておらず、駅周辺も津波の直接的な被害は免れた。しかし、仙台東部道路より東側の地域や、駅南側に広がる田園地帯には津波が到達し、甚大な被害が発生した。駅から海岸線までは約4km。それにもかかわらず津波が駅の近くまで押し寄せたことを考えると、その規模の大きさを改めて実感する。
 海岸沿いにあった荒浜小学校は現在、震災遺構として保存されており、荒井駅からは路線バスで訪れることができる。こちらも時間があれば見学したかったが、この後は新庄への移動が控えていたため、あいにく立ち寄ることはできなかった。次回仙台を訪れる際の宿題として残しておくことにした。

仙台市営バスK512系統で仙台駅へ戻る

 荒井駅からは仙台駅へ戻る。地下鉄で戻ってもよかったのだが、ここから仙台駅へは路線バスでも向かうことができるため、帰りはそちらを利用することにした。
 
 荒井駅は駅開業後、一帯の交通ターミナルとして整備され、各方面への路線バスが発着している。特殊系統を含めると乗り入れ路線も多く、運行時間が合えばさまざまな場所へ足を延ばせる。鉄道駅を起終点とする系統としては、仙石線の陸前高砂駅・小鶴新田駅、南北線の旭ヶ丘駅・長町駅へ向かう路線も本数は少ないながら運行されている
 荒井駅から乗車したのは12時58分発のK512系統、仙台駅経由交通局東北大学病院前行き。荒井駅から仙台駅へ向かう系統は全部で3系統ある。このうち1系統は朝夕のみ運行され、仙石線沿線を経由して荒井駅へ至る特殊系統となっている。日中に利用できるのは、今回乗車したK512系統とK516系統の2系統である。
 この2系統は東西線とは全く異なるルートをたどる。荒井駅を出ると一旦南へ進み、市街地の外側に広がる田園地帯の中に点在する集落を経由した後、市街地南東部から北上して仙台中心部へ向かう。両系統の違いは経由する集落のみで、日中は合わせて毎時1本の運転。それぞれの集落から見ると、おおむね2時間に1本の路線となっている。
 
乗車記録 No.15 仙台市営バス[K512] 交通局東北大学病院前行 荒井駅→仙台駅前
 
 荒井駅では筆者のほかにもう一人が乗車。駅ロータリーを発車すると、荒井駅周辺の住宅街を経由し、南へと進んでいく。最初は仙台市街地から遠ざかる形となる。車窓には戸建て住宅を中心にした街並みが広がり、その市街地の端でバスは道路を右折し、市街地を離れる。
 
 バスは荒井の市街地を出た後、しばらく田園地帯を進んでいく。車窓の両側に水田が広がる光景は、これから仙台駅へ向かう路線とは思えないほど、のどかだった。遠くには仙台市中心部のビル群が見え、その手前には、先ほど八木山動物公園駅の展望台から見下ろしていた3本のテレビ塔や長町駅周辺の街並みも望める。八木山動物公園周辺と思われる山腹の住宅街もうっすらと見え、東西線が走ってきたルートを俯瞰するような眺めとなる。計画当初は単に仙台駅へ行くバスということだけでこの路線を選んだため、こんな景色が広がっているとは思っておらず、その車窓には正直驚かされた。
 
 その後バスは小さな集落を抜け、仙台東部道路と並走した後、その高架下をくぐって東へ進み、長屋敷というバス停へ到着した。バスはここにある転回場で折り返す。小さな地区の様子を見ながら旅できるのも、バス路線のひとつの魅力であり、新たな発見がある。
 東日本大震災では、この一帯も広く津波の被害を受けた。瓦礫を巻き込みながら津波が住宅や農地をのみ込む映像は当時何度も報道されていたが、あの映像が撮影された名取川河口付近は、ここからわずか3kmほどの場所である。現在では津波の痕跡はほとんど見られないものの、転回場には津波避難タワーが整備されている。2011年7月撮影のストリートビューを見ると、周辺の田畑には瓦礫が散乱しており、震災直後の様子を今でも確認することができる。
 当時は仙台東部道路が市街地への津波の勢いを弱め、この道路へ避難して助かった住民も多かったという。その教訓を踏まえ、現在では海岸寄りに東部復興道路が整備されるとともに、仙台東部道路にも避難階段が設置されるなどの対策が行われている。
 
 長屋敷地区を経由して再び仙台東部道路の高架下をくぐると、バスは徐々に仙台市中心部へ近づいていく。ここまでは車内の動きはほとんどなかったが、直後のバス停で一人が下車し、仙台市立六郷小学校付近からは乗車する人も現れ始めた。
 小学校前の交差点で県道54号へ入ると、バスはそのまま道なりに北上する。途中の各バス停からも次々と乗客が乗り込み、一時は筆者だけになった車内も次第に混雑してきた。このあたりからは仙台駅方面への系統も増え、バスの本数も多くなる。
 
 沖野地区から先は広瀬川に沿うように北西へ進む。仙台バイパスを横切り、若林の住宅街を抜けると、やがてJR東北本線・東北新幹線と交差する。その先で奥州街道へ出ると、いよいよ仙台中心部である。この街道の地下には南北線が通っており、午前中に地下鉄で通った区間を、今度は地上からたどることになる。このあたりでは車内も立ち客が出るほど混雑し、各停留所で乗り降りが続いた。
 地下鉄河原町駅付近から国道286号を経て愛宕上杉通へ入り、五橋駅前では東北学院大学のキャンパスを車窓に眺める。やがて東北新幹線の高架橋が見え始めると、JR東日本前でまとまった乗客が下車し、その直後の仙台駅前で筆者もバスを降りた。
 
 バスは荒井駅から約50分で仙台駅へ到着した。この先も市街地を抜け、交通局東北大学病院前まで運行されるが、今回はここで下車した。
 早朝に仙台駅を出発し、愛子、泉中央、富沢、長町、八木山動物公園、荒井と巡った2日目前半の旅。地下鉄だけでなく路線バスも組み合わせたことで、仙台という街の地形や広がりを、より立体的に感じることができた。同時に宮城県の鉄道路線の完乗も達成することができ、いよいよ現在運行されている東北地方の鉄道路線で未乗なのは、翌日乗車予定の陸羽西線のみとなった。
 都市の旅は地味な旅になりがちだが、一つの都市の中にも様々な街があり、路線がある。今回乗車したのは、そのほんの一部だが、改めて仙台という街の構造について知るきっかけになったように思う。今回は観光地にはほとんど立ち寄らなかったので、次に仙台を訪れる機会があれば、路線バスでさらに行動範囲を広げながら、市内の観光地ものんびり巡ってみたいと思っている。

東西線を撮影しに国際センター駅へ

 さて、仙台での旅を終え、この後はバスで山形県へ向かう。その前に少し時間があったので、東西線唯一の撮影地として知られる国際センター駅を訪ねることにした。地下鉄東西線は2か所で地上へ姿を現すが、そのうち広瀬川を渡る橋梁区間が唯一の撮影スポットとなっている。バスで仙台駅に到着後は、改めて東西線のホームへ向かい、八木山動物公園行きの列車に乗車。国際センター駅で下車した。
 
 ガラスを多用した開放的なデザインの国際センター駅。せっかく訪ねたので、この駅についても少し書き留めておきたい。駅の横には広瀬川が流れ、豊かな緑に囲まれた景色が広がる。その光景は、まさに杜の都・仙台を象徴する風景といえる。
 市街地中心部とは広瀬川を挟んですぐの場所にあるが、その雰囲気は大きく異なる。道路を挟んだ向かい側には東北大学のキャンパスが広がり、建物によっては隣の川内駅よりもこの駅の方が近い。そのため学生の利用も多く、さらに博物館や青葉城にも近いことから、市街地に隣接しながらも落ち着いた文教地区らしい空気が漂っている。これもまた仙台という街の特徴の一つだろう。
 駅名は、駅前広場の先にある仙台国際センターに由来する。展示場や会議室を備えた施設で、学会や講演会をはじめ、企業説明会や就職フェアなど幅広い用途で利用されている。この日も学会が開催されていたようで、多くの参加者が行き交っていた。
 
 そんな国際センター駅前の広場からは、広瀬川橋梁を渡る東西線の列車を見渡すことができる。この橋梁は東西線が地上を走る数少ない区間であり、編成全体をきれいに撮影できることから、この路線唯一の撮影スポットとして知られている。
 朝は八乙女駅で南北線も撮影した。相互直通運転を行っていない地下鉄で、しかも2路線とも地上区間に撮影地がある都市は、おそらく仙台くらいではないだろうか。開業当初と比べると橋梁手前の草木がかなり伸びており、構図を決めるには少し苦労した。このまま成長すれば、数年後には撮影が難しくなるかもしれない。
 ここで2000系を数本撮影した後、最後は少し引いた位置から仙台の街並みを背景に一枚。杜の都を走る地下鉄らしい一枚を撮影でき、満足したところで国際センター駅を後にした。
 
 さて、再び仙台駅へ戻った後は、翌日の陸羽西線乗車に備え、バスに乗り込み新庄へ。山交バスが運行する特急「48ライナー」に乗車した。
 
続く