【旅行記】仙台近郊路線と陸羽西線を巡る旅~愛子を経由して仙台市営地下鉄南北線へ乗りに行く~
仙台駅前に宿泊した旅の2日目。朝起きてホテルの客室から外を見渡すと、街は霧に包まれ、幻想的な景色が広がっていた。この日は夕方まで仙台に滞在。仙台市営地下鉄2路線に乗車して、宮城県の鉄道路線完乗を目指す。
2日目は早朝から行動を開始した。5時半過ぎにホテルをチェックアウトし、仙台駅へ向かって歩く。この時間の駅前は人影もまばらだが、夜行バスが到着して乗客を降ろしており、おそらく始発の新幹線に乗るのであろう、大きな荷物を持った人たちの姿も見られた。
仙山線の始発列車に乗車し、まずは青葉区西部の愛子へ

この日乗車する地下鉄2路線は、どちらも仙台駅を経由する。しかし、仙台駅はいずれの路線にとっても途中駅であり、仙台駅から地下鉄に乗車すると、どうしても同じ区間を往復する行程になりがちになってしまう。
首都圏の地下鉄のように相互直通運転を行っていれば、その先のJR線や私鉄へ乗り入れる楽しみもある。しかし、仙台市営地下鉄は4つの終点駅のいずれも他路線との接続がなく、単純に往復するだけでは少し物足りない。せっかく仙台まで来て、一日中地下を"モグラ"のように移動するのも味気ない。そこで前回の札幌旅と同様、地下鉄の前後には路線バスなど別の交通機関を組み合わせ、街の景色を楽しみながら巡る計画を立てた。
問題は地下鉄2路線をどのような順番で巡るかだったが、まずは南北線の北の終点・泉中央駅を目指すことにした。仙台駅から泉中央駅へは宮城交通の路線バスが運行されているが、昨日から利用している「仙台まるごとパス」は宮城交通の路線バス(一部を除く)では利用できない。どうせなら、このパスを最大限活用したい。そこで市営バスで向かう方法を探したところ、朝のみ仙山線の愛子(あやし)駅から泉中央方面への市営バスが運行されていることが分かった。今回はこれを利用して泉中央へ向かうことにした。
仙台駅からは6時6分発の普通愛子行きに乗車する。仙山線下りの始発列車で、E721系0番台4両編成による運転だった。ラッシュとは逆方向へ向かう列車ではあるが、沿線には大学や高校も多いため、始発列車としては乗客も多い。愛子までの所要時間は約30分。朝霧に包まれた仙台市街を走り、丘陵地に広がる住宅街を眺めながら進むうち、やがて霧は晴れ、青空が広がり始めた。
乗車記録 No.9
仙山線 普通 愛子行
仙台→愛子 E721系0番台

2024年末以来となる仙山線に揺られ、愛子駅で下車した。前回は山形まで乗り通したため、この駅で降りるのは今回が初めてだった。仙山線にとって愛子駅は重要な運行拠点であり、仙台発着列車の多くがここで折り返す。この時間帯も始発列車が複数設定されており、駅は通勤・通学客でにぎわっている。
仙台駅や仙台市中心部と同じ青葉区に位置する愛子駅。筆者も仙山線について詳しく知るまでは、ずっと「あいこ駅」だと思っていた。仙山線は葛岡駅付近で一度山あいへ入るものの、次の陸前落合駅から愛子駅を過ぎるあたりまでは再び住宅街の中を走る。仙台市街から一山越えた場所ではあるが、広瀬川沿いの平地に住宅地が広がり、バイパス道路によって市街地とも直結しているため交通利便性も高い。仙山線はこの先も県境手前の奥新川駅まで仙台市内を走るが、市街地としては、この愛子付近が一つの端と言える。
そんな住宅街の中にある愛子駅は、比較的簡素な造りとなっている。駅員は配置されているものの、みどりの窓口は設置されておらず、代わりに指定席券売機が置かれている。駅前ロータリーには送迎の車が次々とやって来て、通勤・通学客を降ろしては去っていく。各方面から集まった人々が改札へ吸い込まれていく様子は、まさにベッドタウンの朝を象徴する光景だった。
愛子と泉中央を結ぶ仙台市営バス25系統に乗車

愛子駅では路線バスへと乗り換える。愛子駅には仙台市街方面へ向かう路線を中心に、周辺のニュータウンへ向かう路線なども複数発着している。駅前の道路上にも「愛子駅前」バス停があり、そこからは作並や定義方面と仙台市街を結ぶ路線も利用できる。
数ある愛子駅発着の路線の中から乗車したのは、25系統という路線バス。仙台市営バスには、終日運転される「基本系統」と、朝夕や特定曜日のみ運転される「特殊系統」があり、これから乗車する25系統は平日朝夕のみ運転される特殊系統の一つだった。
愛子駅と泉中央駅を結ぶ25系統は、平日朝に泉中央駅行きが2本、夕方に愛子駅行きが1本のみ運転される希少な路線である。仙台市街地の外側を回るように走り、途中でいくつかのニュータウンを経由する。愛子駅からこれらのニュータウンへ向かう路線は日中も運転されているが、愛子駅と泉中央駅を直通する便は、この1.5往復しかない。
乗車記録 No.10
仙台市営バス[25]泉中央駅行
愛子駅→泉中央駅

仙台市街方面へ向かうバスには駅前に列ができるほど多くの人が並んでいたが、泉中央駅行きに乗車したのは筆者一人だけだった。ここから陸前落合駅までは仙台市街方面のバスと同じルートをたどり、仙山線沿いに広がる住宅街の中を進んでいく。最初に乗客が現れるのはどこだろうと思っていたが、愛子駅と陸前落合駅の間でも数人が乗車した。ただ、いずれも短距離利用で、陸前落合駅をまたいで利用する人はいなかった。

陸前落合駅のロータリーを回ると、その後は仙山線を跨いで北へ向かう。駅で乗客が入れ替わり、バスは国道457号を道なりに進んだ。この国道は陸前落合駅付近で何度か折れ曲がるが、バスもそれに沿って走る。仙山線を越え、広瀬川を渡ると住宅街は途切れ、車窓には緑豊かな景色が広がる。遠くには奥羽山脈の山々も望むことができた。

やがてバスは国道を離れ、一旦泉中央駅から遠ざかる方向へ進む。この先は高野原、赤坂、みやぎ台といった複数のニュータウンを経由するため、ルートはかなり複雑になっている。これらはいずれも丘陵地に造成された住宅地で、国道457号の西側に細長く広がっている。この路線は愛子駅と泉中央駅を結んではいるものの、両駅を最短で結ぶことが目的ではなく、それぞれの駅とニュータウンを結ぶ役割を担っている。
このような郊外路線を利用しなければ、おそらく訪れる機会のないニュータウンである。仙台市街の山の向こうにも広大な住宅地が広がっているというのは、このバスに乗って初めて気付いた発見だった。

高野原・赤坂の住宅街をリボンの輪を描くように巡回したバス。沿道のバス停からは高校生が数人乗り込んできた。次のみやぎ台へ向かうため坂を下ると、一転のどかな里山の風景が広がる。仙台市も山側の郊外へ足を延ばすと、このような景色になる。田植えを終えたばかりの水田が朝日に照らされ、美しく輝いていた。
この田園風景の中をしばらく進むと、再び坂道を上り、みやぎ台の住宅街へ入る。直前までの里山の景色とは対照的に、住宅が建ち並ぶ街並みが続く。本数の少ない路線だが、このあたりから乗客も増えてきた。前方には別のバスの姿も見える。各ニュータウンからは仙台市街方面への路線も運転されている。

複数のニュータウンを経て再び国道457号へ戻ると、バスはしばらく北上し、その途中で青葉区から泉区へ入った。朝のラッシュ時間帯を迎えた国道は車の流れも多く、バスもしばらく渋滞の中を進む。この周辺には、先ほど通ってきた以外にもニュータウンが点在している。国道沿いは郊外らしい景色だが、丘の上には住宅街が広がっている。
実沢地区へ入ると、バスは国道457号を離れ、東へ進路を変える。その後は県道35号を進み、泉区中心部へ向かう。やがて東北自動車道と交差し、高速道路からも見える屋内グラウンドが車窓に現れると、景色は次第に市街地へと変わっていく。途中の沿道には、昨年平泉から仙台へ向かう際に利用した東日本急行の本社もあった。
直後の泉総合運動場・社会福祉センター前では、高校生たちがまとまって下車した。近くには仙台市立仙台商業高校があり、この路線は愛子や沿線のニュータウンから通学する生徒の足としても利用されているようだ。ちなみに仙台商業高校は、あのサンドウィッチマンの母校としても知られる。ただし、学校は1999年に現在の地下鉄東西線国際センター駅付近から現在地へ移転している。

高校生が下車した後も数人の乗客を乗せたまま、バスは泉区の中心部へ入る。終点は泉中央駅だが、一つ手前の泉中央駅北口が地下鉄への乗り換えには便利なため、ここで筆者以外の乗客は全員下車した。結局、路線の両端では貸切状態となったまま終点の泉中央駅に到着する。「仙台まるごとパス」を提示してバスを降りた。おそらく、この路線でこのパスを利用する人はほとんどいないだろう。仙台市中心部の裏側に広がるニュータウンを結びながら走る、とても興味深い路線だった。
仙台市北部の交通ターミナル・泉中央駅と地下鉄南北線

仙台駅から愛子を経由して泉中央へ到着した。途中、車の流れが悪い区間はあったものの、大きな遅れもなく到着することができた。朝のラッシュ時間帯を迎えた泉中央駅は、仙台市北部の交通ターミナルらしく、バスがひっきりなしに出入りし、多くの人が駅へと吸い込まれていく。
ホームは地下にあるが、その真上には駅ビルが建ち、街全体にニュータウンの玄関口らしい雰囲気が漂う。バスロータリーを囲むようにペデストリアンデッキが広がり、周辺の建物と直結している光景は、どこか仙台駅にも通じるものがあった。基本的には地元住民の利用が中心で、市外から訪れる機会はそれほど多くない駅だが、駅の南側にはユアテックスタジアム仙台があり、現在J2のベガルタ仙台がホームスタジアムとして使用している。昨日訪れた利府町の宮城スタジアムも利用されることはあるものの、主な開催地はこちらである。
駅前ロータリーには仙台市営バスも乗り入れているが、宮城交通のバスが圧倒的に多い。地下鉄はここが終点だが、周辺の住宅地は隣接する富谷市まで広がっており、駅前からは富谷市を中心に各方面への路線バスが発着している。富谷市も近年発展が著しい街として知られる。今回は訪れなかったが、今後路線バスをテーマに旅をする機会があれば、ぜひ立ち寄ってみたいと思う。

さて、ここからは仙台市営地下鉄南北線に乗車する。南北線は1987年に開業した仙台市初の地下鉄路線である。開業当初の終点は一つ手前の八乙女駅で、現在の泉中央駅まで延伸されたのは1992年のことだった。
路線はその名の通り仙台市街地を南北に縦断し、仙台駅や長町駅を経て、市南部の富沢駅までを結んでいる。大半は地下区間だが、泉中央~黒松間と富沢駅付近では高架橋などで地上を走る。泉中央駅もホームは地下にあるものの、列車は駅を出るとすぐに地上へ姿を現し、高架橋へと駆け上がっていく。
南北線の列車を撮影しに一駅隣の八乙女へ

泉中央からは早速、南北線を乗り通して富沢へ向かう、と言いたいところだが、その前に一駅隣の八乙女駅へ向かう。乗り通す前に、まずは南北線の列車を撮影することにした。八乙女駅はこの路線の撮影地として知られている。朝ラッシュの最盛期は地下鉄も混雑するため、撮影をしながらその時間帯をやり過ごすことにした。ラッシュ時は列車本数も多く、効率よく撮影できるという利点もある。
国内の鉄道路線の未乗区間も残りわずかとなり、これまでの旅の中で、大半の鉄道会社の車両には一度は出会ってきている。現時点でまだ一度も乗車したことのない会社は2社あるが、そのうち1社については、直通先の路線の駅で車両だけは見たことがある。そのため、車両を一度も見たことがない会社は、この仙台市交通局が最後だった。ホームへ降り立ち、仙台市営地下鉄の車両と初めて対面する。この瞬間をもって、国内の旅客鉄道全社の車両を一度は目にしたことになった。

泉中央から富沢行に乗り込んで、わずか数分で八乙女駅に到着。歩いても15分ほどの距離にあり、この駅のホームからは泉中央駅周辺の街並みを見渡すことができる。地下鉄の駅でありながら高架駅となっており、どこか私鉄の駅のような雰囲気も漂う。周辺は郊外の住宅地で、駅近くでは仙台市中心部から延びる県道22号泉中央通と、市街地北側を走る県道37号仙台北環状線が交差している。1987年の南北線開業当初は、この八乙女駅が終点だった。しかし現在では、その当時の終着駅だったことを感じさせるような痕跡はほとんど残っていない。一旦改札を出て駅前の様子を眺めた後、再び改札内へ戻った。

撮影地となっているのは、この駅の泉中央方にあるホーム。ここでは富沢方面へ向かう南行列車を撮影できる。地下鉄である南北線は地上区間が限られているため、沿線で撮影できる場所も八乙女駅や富沢駅などごくわずかしかない。実際、インターネット上で見かける写真の多くも、この駅で撮影されたものだった。終点が近いため上下列車がすれ違うタイミングも多いと聞いていたが、この日は下り列車に遅れが発生していたため、列車同士が重なることなく撮影することができた。
写真は、先ほども乗車した1000系。南北線開業当時からこの路線を支えてきた車両で、現在も主力車両として活躍している。登場から40年近くが経過しているが、2000年代には更新工事が行われ、制御装置のVVVFインバータ化や冷房装置の設置などが実施された。更新車は1000N系と呼ばれることもあったが、現在は全編成の更新が完了しているため、区別されることは少なくなっている。

一方、こちらは2023年にデビューした新型車両3000系。1000系の置き換えを目的に登場し、現在も徐々に世代交代が進められている。先代1000系のデザインを踏襲しながらも、近年の新型車両らしく耐食アルミ合金を採用し、車体の大部分が無塗装となった。無機質な外観とは対照的に、車内は仕切り板に木目調のデザインが採用されるなど、温かみを感じられる空間となっている。個人的に気に入ったのは、丸みを帯びたドア窓のデザイン。この特徴は1000系から東西線の2000系、そしてこの3000系へと受け継がれており、仙台市営地下鉄ならではの伝統となっている。
南北線を乗り通し終点の富沢へ

この後も何本か列車を撮影し、その後は一旦泉中央駅へ戻る。ここで改めて改札を入り直し、富沢行きの列車に乗車した。八乙女からそのまま富沢へ向かってもよかったのだが、初めて乗る路線は始発から終点まで乗り通したいという、筆者なりのちょっとしたこだわりがある。泉中央からは9時12分発の富沢行きに乗車し、終点まで南北線を乗り通した。
乗車記録 No.11
仙台市営地下鉄南北線 富沢行
泉中央→富沢 1000系
列車を撮影している間に、朝ラッシュもほぼ終わりを迎えていた。八乙女へ向かう際に乗車した列車は、泉中央の時点でも立ち客が多数いたが、40分ほどの間に混雑も落ち着き、この時に乗車した列車は、座席の3割ほどが埋まった状態で泉中央を発車した。列車は車窓にサッカースタジアムを眺めながら高架橋へと進み、この先しばらくは地上区間を走行する。
八乙女の隣にある黒松駅までが地上区間である。半地下構造の黒松駅を出ると、列車はトンネルへと吸い込まれていく。旭ヶ丘、台原、北仙台と停車するにつれて、車内も徐々に混雑し始めた。数時間前に仙山線で通った北仙台を、今度は地下鉄で再び通過する。この先、仙台までは仙山線と南北線の2つのルートがあるが、仙山線は本数が少ないため、このあたりから市中心部へ向かうなら地下鉄の利用が主流なのだろう。やがて列車は仙台市中心部へと入り、県庁や東北地方整備局に近い勾当台公園、繁華街最寄りの広瀬通を経て、仙台駅へ到着した。

当然ではあるが、仙台市北部の各駅から乗ってきた乗客の多くは、勾当台公園・広瀬通・仙台の3駅で下車し、仙台を出る頃には車内もかなり空いていた。一方、仙台駅から乗車してきた乗客は少数だった。朝ラッシュを過ぎたこの時間帯は郊外方面へ向かう利用者自体が少ないうえ、この先の長町方面はJR東北本線とも競合する区間であり、利用者が分散していることも影響しているのだろう。
列車は五橋、愛宕橋、河原町と停車しながら南下していく。愛宕橋から河原町までの間では広瀬川に沿うように走り、河原町を出ると地下で広瀬川をくぐる。このあたりは後ほど路線バスで地上を通る予定だったので、街の様子はその時に改めて眺めることにした。
その後は長町地区へ入り、長町一丁目、長町、長町南と停車していく。商業施設が立ち並ぶ長町南を出る頃には、車内の乗客はさらに少なくなり、1編成に数人程度となっていた。カーブを曲がって地上へ顔を出すと、列車はまもなく終点の富沢へ到着した。

南北線の終点・富沢駅で列車を下車する。泉中央側と同様に富沢側にも短い地上区間があり、終点の富沢駅は高架駅となっている。泉中央駅では到着した列車がそのまま折り返していたが、富沢駅には泉中央方に渡り線がないため、列車は到着後、一旦回送列車として引き上げ線へ移動し、その後、隣のホームへ入線して折り返す方式となっている。この運転方法は、前回の旅で訪れた札幌市営地下鉄東西線の終点・新さっぽろ駅ともよく似ていた。
閑静な住宅街が広がる南北線の終点、富沢駅

先ほど通過した長町と同じ太白区に位置する富沢駅。泉中央駅は泉区の中心部に位置し、交通拠点らしい賑わいがあったが、こちらは周囲に大きな商業施設などは少なく、閑静な住宅街の中にある駅という印象を受ける。高い建物も少ないため、遠くには長町方面の高層建築群を見渡すことができた。朝ラッシュも完全に終わり、駅を行き交う人の姿もこの時間はまばらである。駅はJR東北本線の太子堂駅の西側に位置し、両駅の間は徒歩20分ほど。駅前にはロータリーが整備され、路線バスも発着しているものの、長町周辺を運行する系統が中心で、本数は多くない。
駅周辺に目立った施設は多くないが、北側には仙台市体育館(カメイアリーナ仙台)がある。泉中央駅の近くにはベガルタ仙台のホームスタジアムであるユアテックスタジアム仙台がある一方、こちらはバスケットボールチームの本拠地として利用されている。そのため、域外からこの駅を訪れる人といえば、鉄道ファンやスポーツ観戦に訪れる人が中心だろうか。もっとも、現在は大規模改修工事が行われており、体育館はしばらく休館となっている。

南北線はここが終点だが、ホームの先にも高架橋が延びている。その先には南北線の富沢車両基地があり、回送列車が頻繁に行き来している。車両基地は名取川沿いの地上に設けられている。
仙台市は名取川を渡った先の南仙台地区まで市街地が広がっているが、南北線は現在のところ名取川を越えることはない。ただし、将来的な延伸を見据えた構造になっているともいわれており、航空写真を見ると、当駅の引上線は車両基地へ向かう線路とは別に、南へ向かって直線的に延びるような配線となっている。そのため、富沢駅周辺が高架構造となっているのも、将来の延伸を考慮した設計ではないかとも考えられる。
現時点では南仙台・名取方面への具体的な延伸計画は示されていない。名取市から延伸の要望は出されているが、一方で泉中央から富谷方面への延伸も長年議論されており、どちらかといえば富谷側の方が優先度が高いのではないかと思う。
新型車両3000系に乗車して、太白区の交通拠点・長町へ

南北線を乗り終えた後は、もう一つの路線である東西線へ向かう。東西線の終点・八木山動物公園駅は、富沢と同じ太白区内に位置している。富沢から八木山動物公園駅への直通バスはないが、長町からは多数の路線バスが運行されている。そのため、富沢から2駅戻り、長町を目指した。
行きに乗車したのは1000系だったので、帰りは3000系に乗ってみたいと思いながらホームで待っていると、運よく新型車両がやって来た。わずか2駅だけの乗車ではあるが、新型車両にも乗車してみる。導入からまだ間もない編成だったようで、車内には新車特有の匂いが残っていた。
乗車記録 No.12
仙台市営地下鉄南北線 泉中央行
富沢→長町 3000系

3000系に5分ほど揺られ、長町で下車する。ここからは路線バスに乗り換え、東西線の終点・八木山動物公園駅を目指す。JR東北本線も乗り入れる長町駅だが、地下鉄とJRの駅は少し離れており、地下鉄南北線の駅はJR駅の北西側の道路下に設けられている。乗り換えには少し長い連絡通路を歩く必要があった。次に乗車するバスは長町駅東口始発のため、JRの高架下をくぐり、東口のバス乗り場へ向かった。

東北本線の列車では何度も通過している長町駅だが、下車するのは今回が初めてだった。名取川を渡った東北本線は高架橋を進み、その高架はこの駅の先まで続いている。仙台方では、仙台駅を経由しない宮城野貨物線が分岐し、仙台貨物ターミナルを経由して東仙台へと続く。駅周辺にはマンションが建ち並び、道路を挟んだ先にはIKEA仙台もあるなど、仙台南部を代表する拠点駅の一つとなっている。東北本線で仙台へ向かう際、この近代的な街並みを見ると、「仙台へ着いた」という実感が湧いてくる。
以前、仙台空港アクセス線に乗車した際の旅行記にも書いたが、このあたりの東北本線は、子どもの頃に鉄道運転シミュレーター「BVE」の仙台空港アクセス線データでよく遊んでいた区間だった。実際にこのあたりの駅を訪れるようになったのは比較的最近のことだが、駅名そのものは昔からよく知っている。そのため、長町に来るのは今回が初めてなのに、どこか懐かしさを感じる訪問となった。ゲームで遊ぶ機会はあまり多くなかったが、「電車でGO! 名古屋鉄道編」と、このBVEの仙台空港アクセス線だけはよくプレイしていた。そのため、名鉄や仙台空港アクセス線には今でも少し愛着がある。
この駅の名取方ホーム端は東北本線の撮影地としても知られている。本来であれば列車も撮影したかったのだが、晴天時は光線状態があまり良くないため、今回は見送ることにした。いつか曇天の日や朝ラッシュの時間帯に、改めて訪れて撮影してみたい。
さて、長町からは再び仙台市営バスに乗車し、八木山動物公園駅へ向かう。その後は東西線を乗り通し、終点の荒井駅を目指した。
続く