【旅行記】北海道の廃線予定路線を巡る旅~北海道を去る編~
~ちょっと遠回りして新千歳へ編~の続き
ANA 新千歳-中部線で北海道を去る
3日間の北海道内の行程も予定通り完了して、北海道を後にする。今回はANAの新千歳-中部線で中部国際空港へ。中部国際空港には名鉄で行ったことがあるものの、航空機を利用するのはこれが初めて。この日は全国的に快晴で、機窓からの景色も楽しめた。搭乗したのはBoeing 737-800型機であるJA53AN。フライト時間はおよそ1時間30分だった。

新千歳空港から離陸すると大きく旋回し、先ほど通った室蘭本線の追分駅などを眼下に見ながら太平洋へと出ていく。奥に広がる山々は、数年前に胆振東部地震で大きな被害を受けたエリアで、今も山崩れの痕跡が生々しく残っている。太平洋をしばらく飛行した後、函館市の上空を飛行、津軽海峡を渡って青森県上空へと入る。機窓には北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅を見ることができた。

遠くに見える青森市を見ながら、その手前に広がるのは津軽平野。そして雪を積もらせるのは青森の名山である岩木山。雄大な山を空から眺める。津軽平野の奥にあるのが弘前市。ちょうどエンジンがあるあたりが五所川原市で五能線が画面の奥から手前に走る。

さらにしばらく飛行すると日本海へと出て、秋田県の沿岸を飛行していく。車窓には日本最大の干拓地として知られる大潟村が見える。そして、そこから延びる半島が男鹿半島。奥にはうっすらと鳥海山が見えている。男鹿半島を越えると秋田市内を見ることができた。ここから新潟県まではしばらく日本海側から秋田・山形・新潟を眺める。空から社会科見学をしている気分になれる。

山形県あたりは陸地からやや離れて飛行し、新潟市からは本州を縦断して中部空港へと向かっていく。新潟市や長岡市などを眺めながら飛行し、柏崎市の上空から内陸へ入ると、ここからは日本で一番長い河川である信濃川に沿って進んでいく。北陸新幹線と飯山線が交差する飯山駅を真下に見ると千曲川と名を変えた最長河川が再び見えるようになる。千曲川流域も数年前には大きな水害が発生した。災害はどこでも起きていることを改めて痛感する。新幹線の車両基地や長野電鉄沿線の湯田中、信州中野などの街を眺めて、長野市の上空を飛行する。

篠ノ井の上空から上田や小諸といった千曲川の流域を眺め、このあたりから徐々に高度を下げ始める。次に見えるのは諏訪湖のふちにある岡谷や諏訪の街。そこから中央西線の沿線の上空を飛行していく。木曽福島の上空あたりからは上松町とその東側にそびえる木曽駒ケ岳をはじめとした木曽山脈。さらに奥には飯田線の沿線となる駒ケ根や飯田といった街も見える。さらに進むと名古屋が近づき、中津川や多治見といった街も見えた。

名古屋都市圏に入ると、最終の着陸態勢に入り、ナゴヤドーム(この日は贔屓のチームが夜から試合だったので上空から念じていた)を眺め、名古屋の中心部を見ながら旋回すると、名古屋駅とそこからのびる東海道新幹線・本線・名鉄線の線路が正面に見えた。名古屋駅のビルも飛行機から見ると小さく見える。ここから弥富の上空まで進み、中部国際空港に着陸した。1時間30分の空の旅。景色が見えないと結構退屈するが、快晴のフライトで、社会科見学をしながら、過去の旅の思い出を思い出しながら楽しい時間を過ごすことができた。
・おわりに
今回は廃止が決まった根室本線の新得~富良野間や廃止を沿線自治体が容認した留萌本線の廃止予定路線への乗車を目的に北海道へと出向いた。これらの路線に乗れたことで目標は達成できたが、留萌や富良野、また沿岸バスで訪れた増毛町など初めて訪れる場所や初めて乗る交通機関も多く、北海道をまた一つ深く知ることができた。北海道では今回乗った路線のほか、北海道新幹線開業で並行在来線となる函館本線の小樽-長万部間も廃止が決定している。こちらの路線は近いうちに訪問予定。これ以外にも北海道は多くの路線が同じような境遇にある。計画をする中で鉄道がすでに廃止された羽幌方面や深名線の幌加内方面などまた行きたい場所もたくさんできた。札幌や函館だけではないもっと深い北海道を今後も旅していきたい。
★ 今回の初乗車路線
【鉄道路線】
JR北海道根室本線 新得~滝川間(新得-東鹿越間はバス代行区間)
※新得~東釧路間乗車済み、東釧路~根室間未乗
JR北海道留萌本線 深川~留萌間
JR北海道富良野線 旭川~富良野間
JR北海道室蘭本線 岩見沢~沼ノ端 ※沼ノ端~長万部間乗車済み
【バス路線】
十勝バス 空港連絡バス(帯広空港-十勝バス本社) 帯広空港~帯広駅バスターミナル間
沿岸バス [23]留萌市立病院-大別苅 留萌駅前~大別苅間
沿岸バス[56]快速留萌旭川線(留萌十字街-旭川駅前)留萌駅前~旭川駅前間
北海道中央バス ふらの号(富良野駅前-札幌駅前)富良野駅前~札幌駅前間
道南バス [30]苫小牧駅-新千歳空港 苫小牧駅前-新千歳空港国内線29番間
【航空路線】
JAL 羽田-帯広線
ANA 新千歳-中部線
SFJ 中部-福岡線(記事中では省略)