【旅行記】香椎線と西鉄バスで志賀島に行ってみた

【旅忘録】最後の特急かもめで行く西彼杵・長崎半島路線バスの旅
 

香椎線と路線バスで志賀島北部の勝馬地区へ

 長崎での路線バスの旅、そして特急かもめの惜別乗車を終えて、到着した博多駅。時間はまだ13時過ぎで、長崎の路線バスの旅で使用したSUNQパスの期限も残り1日半あるので、ここからはSUNQパスでの路線バス旅をメインに福岡・大分エリアを旅していく。この日の午後は福岡市の北部にある志賀島へ。金印の島として有名な島を走る路線バスに乗車する。なお、翌日の朝からは再び博多港からの渡船に乗って再び志賀島へ行く予定。朝の志賀島の景色を楽しむ予定にしている。SUNQパスをメインにとは言ったが、まずは列車に揺られて香椎線の西戸崎駅まで向かう。博多駅で特急かもめのきっぷを記念にもらって、ICカードで入り直し、鹿児島本線の区間快速列車で香椎駅へ。香椎線用の4番のりばへと移動すると819系が停車していた。
 
乗車記録13
鹿児島本線 区間快速(福間まで快速) 門司港行
博多→香椎 813系
 
乗車記録14
香椎線 普通 西戸崎行
香椎→西戸崎 BEC819系
 
 香椎線を完乗したときはまだキハ40系列が活躍していたが、2019年3月の改正で撤退。代わりに蓄電池車であるBEC819系が投入され、全列車がこの車両に置き換わっている。香椎線の蓄電池車投入に伴い、香椎駅の4番・5番のりばとその隣の留置線も電化された。819系は香椎駅停車中にパンタグラフを上げ充電を行う。また最近では自動運転の実証運転も行われるなど、昭和から令和へ一気に時代が変わった感がある。最初に香椎線に乗ったときはキハ200系だったと記憶しているので、平成から昭和に逆戻りして、そして令和になったというべきだろうか。海の中道海浜公園をはじめとたレジャー施設が多くある香椎線の北側区間。夏休みシーズンだったので、子供連れの乗客が多く、車内は賑やかな雰囲気が漂っていた。キハ40系列のエンジン音とは異なり、静かな電車の走りで、列車は西戸崎駅へと向かう。
 
 前半の雁ノ巣あたりまでは地元の住民の利用が多いが、それから先は観光客の利用が目立つ。海の中道で観光客の半分程度を降ろし、終点の西戸崎へと到着。多くの乗客は志賀島にある休暇村の送迎バスに乗り換えて行った。香椎線の起点である西戸崎駅。博多駅から香椎経由で来ると大きく迂回してくることになる。ここから福岡市内中心部へは近くの桟橋から渡船も運航されていて、通勤で使う人も一定数いる。駅前にはマンションが立ち並んでいて、これは福岡市中心部側からもよく見える。
 
 西戸崎駅からは西鉄バスの勝馬行で志賀島へと向かう。志賀島へ向かう路線バスは天神発着で都市高速を経由する21A番と、西戸崎駅始発で勝馬まで向かう1番の2つのバスがある。21A番は志賀島小学校前発着で、志賀島の入口の地区で終点となる。一方の1番はそこからさらに先へ進み、志賀島の西海岸にある弘地区を通って、北側の勝馬地区まで走る。どちらも西戸崎駅を経由するが、1番のみが西戸崎駅の構内へと入る。21A番は道路上のバス停に停車するため、バス停の間違いに注意が必要である。車両は香椎の臨海部にあるアイランドシティ自動車営業所所属の車両。早速バスへ乗り込んで西戸崎駅を出発する。
 
乗車記録15
西鉄バス[1]
志賀島・弘経由 勝馬行
西戸崎駅(構内)→勝馬
 
 西戸崎地区で何人かの乗客を拾い、海の中道と志賀島とがつながる海の中道海岸を通って志賀島へと入る。両側が海岸となっていて、車窓左手には博多湾、右手には玄界灘が目の前に迫る。昼間はツーリングや観光を楽しむ車でにぎわっていて、小さな島へ向かう道ながら交通量は多い。志賀島へと渡ると、博多港行の渡船が発着する志賀島発着所や志賀海神社がある志賀島地区へ。ここからバスは志賀島の西側の海岸線を進む。
 
 志賀島地区を出ると、車窓に博多湾に浮かぶ能古島や玄海島、糸島半島を見ながら進んでいく。海岸線に沿って整備された道路はカーブが多い。少し走ると金印が発見されたと伝わる場所に金印公園がある。さらに進むと西海岸に位置する弘地区。ここで地元の住民が降りていき、車内は貸切となった。さらに進むと勝馬地区へと入る。勝馬地区は休暇村が所在し、休暇村とその前にある海水浴場では観光客が海水浴を楽しんでいた。ここまで来ると外海に面していて、海の色も青い。バスは休暇村のロータリーをまわって、内陸へと入っていく。その先にある勝馬地区の集落がこのバスの終点で、JAの施設がある小さな十字路で終点となる。
 
 バスはこの先の転回場まで行って折り返しに備える。バスの本数自体は決して多くなく、折り返しまで小1時間空く時間もあるが、この時間は15分で折り返しがやってくる。長時間の待ち合わせが必要な時間で計画したことがあったが、その日は雨。さすがに雨の中数十分は待てないので志賀島行きをあきらめたことがあった。都市部を走る姿が目立つ西鉄バスも末端部分ではこうした小さな集落へと向かう路線も多くある。
 

勝馬から路線バスを乗り継いで天神へ

 折り返しのバスに今度は志賀島小学校前まで乗車する。この志賀島を走る1番は平成19年に西鉄が単独維持困難として廃止を申し出たものの、福岡市が運行経費を一部負担する形で今日まで運行が続けられている。志賀島の住民にとっては欠かせない足で、福岡市のHPなどでも積極的な利用が呼びかけられている。もちろん志賀島も福岡市内なので、西鉄が発売する福岡市内のフリーパスでも乗車が可能。デジタル乗車券の「スマ乗り放題」は6時間で600円、24時間でなんと900円とお得で、志賀島観光にはもってこいの乗車券となっている。
 
乗車記録16
西鉄バス[1]
弘・志賀島経由 西戸崎駅(構内)行
勝馬→志賀島小学校前
 
 勝馬を出たバスは再び来た道を西戸崎駅へと帰っていく。今度は車窓に福岡市中心部が見える。近くで見ると大きな福岡タワーやPayPayドームも小さく見える。おそらく夜間は夜景もきれいに見えるのではないかと思う。
 
 志賀島小学校前でバスを下車し、そこから少し歩いて海岸線まで歩いてみた。歩道がないので、写真撮影をするときは車の通行には気を付けたい。奥に見える福岡市中心部はちょうど正面あたりが百道浜。ヒルトン福岡シーホークやPayPayドームが見え、その右側に百道エリアのビル群と福岡タワーが見える。PayPayドームから左へ進むと天神のエリア、さらにマリンメッセ福岡が所在する博多港がある。頭上は福岡空港の進入経路に当たるため、着陸する飛行機が頻繁に通っていく。
 
 志賀島地区の端にある志賀島小学校前バス停。ここから天神行きのバスに乗車して天神まで向かう。天神までの所要時間は約1時間で、天神発着のバスはここが始終点となっている。どこからバスが現れるのかと思ってたら、脇道の奥からバスがやってきた。
 
乗車記録17
西鉄バス[21A]
西戸崎駅・和白・都市高速経由 天神丁目行
志賀島小学校前→天神三丁目
 
 天神にはたくさんのバス停があるのでややこしいが、このバスは天神三丁目行き。反対に志賀島小学校前行のバスは天神中央郵便局前が始発となっている。本数は1時間に1本程度。志賀島から西戸崎・海の中道、和白を経由。香椎から福岡都市高速へと入り、呉服町ランプで都市高速を降りて天神へと向かう。志賀島での乗車はわずかだったが、香椎線沿線エリアからの乗車が多かった。以前は都市高速を走らない21番も走行していたが、現在は全てのバスが都市高速経由の21A番として運行されている。
天神に到着し、長崎半島→特急かもめ→志賀島と旅した2日目が終了。この日は天神で一泊。翌日は再び福岡市営渡船で志賀島へと向かい、その後福岡から筑豊・行橋・大分空港などを経由して大分まで向かった。
 

★今回の初乗車路線

【バス路線】
西鉄バス [1]西戸崎駅-勝馬(志賀島島内)西戸崎駅(構内)-勝馬間
     [21A]志賀島小学校前-天神線 志賀島小学校前-天神三丁目