【旅行記】福岡市営渡船に乗って再び志賀島に行ってみた

 
 天神からスタートする3日目。またしても早朝からの移動で若干眠いが、この日は2日目に香椎線と路線バスで行った(前回記事参照)志賀島へもう一つの移動手段である渡船で向かい、朝の海の中道海岸の陸繋砂州の景色を楽しむ。再び天神に戻り、そこから筑豊・行橋・大分空港などを経由して大分市内までバスや鉄道を乗り継いで旅していく。まずは早朝の天神から西鉄バスに乗車して博多ふ頭へと向かった。
 
乗車記録18
西鉄バス [90]対馬小路経由 博多ふ頭行
天神ソラリアステージ前→博多ふ頭
 
 

SUNQパスも利用可能な福岡市営渡船志賀島航路に乗船

 博多ふ頭は福岡市営渡船の志賀島航路、玄海島航路、安田汽船の海の中道航路ののほか、壱岐・対馬行きの高速船、壱岐・対馬・五島行フェリーが発着する博多の海のターミナル。また、港に併設して「ベイサイドプレイス」と呼ばれる商業施設が併設されている。航路のうち、福岡市営渡船と安田汽船、高速船は第一ターミナル、フェリーは第二ターミナルから発着している。
 今回乗船する福岡市営渡船の志賀島航路は、SUNQパス全九州版と北部九州版が利用可能で、九州各地にいくつかあるSUNQパスで乗船できる航路の一つとなっている。窓口でSUNQパスを提示すると、SUNQパス確認済証が発行されるので、それを係員に見せて乗船する。
 乗船するのは「きんいん1」で運航される志賀島港行き。西戸崎・志賀島航路はほとんどの便が博多港-西戸崎港-志賀島港と運航する経由便だが、平日朝の1便だけは西戸崎港に寄らず博多港-志賀島港を短絡する。この航路は大型船「きんいん1」と小型船の「きんいん」の2船が活躍。時刻表に「大型船予定」と書かれている船は「きんいん1」、それ以外は「きんいん」で運航されている。大型船だが、乗船したのは自分以外に一人。まだ静かな朝の博多港を出港し、志賀島へと向かう(写真は志賀島港で撮影したもの)。
 
乗車記録19
福岡市営渡船 博多-志賀島航路 志賀島港行
博多港→志賀島港 きんいん1
 
 博多港を出港すると博多港のランドマークである「博多ポートタワー」が見える。1964年に完成した高さは100メートルの塔で、福岡市の臨海エリアのシンボルの一つとなっている。その手前に見えるのが、博多港の第二ターミナル。フェリー航路はこちらのターミナルが発着する。写真にはないが、反対側には「マリンメッセ福岡」や国際航路が発着する博多港国際ターミナルがある。
 
 博多港を出ると、志賀島まで一直線に航行していく。PayPayドームやヒルトン福岡シーホークなどがある百道エリアを船の上から眺めることができる。写真の中央右側にあるのが志賀島。陸続きながら博多・天神へは香椎を経由する遠回りを強いられるが、海を渡れば一直線。30分ほどで志賀島へ行くことができる。
 
 志賀島港へ到着。写真は福岡市営渡船の志賀島旅客待合所。志賀島の入口に位置し、金印の「漢委奴国王」の刻印のモニュメントがある。調べてみると「水曜どうでしょう」のロケが行われた場所のようで、そのロケ隊も先ほど乗船した「きんいん1」に乗船してここまで来たらしい。待合所の中はいたってふつうの待合所で窓口と券売機が設置されている。
 

朝の海の中道海岸の陸繋砂州を楽しむ

 志賀島旅客待合所から歩いて数分のところに志賀島と海の中道をつなぐ陸繋砂州がある。砂浜で陸続きになっている志賀島と海の中道。その途中には志賀島橋が架かっている。もともとは満潮の時間には砂浜が海の中に消えて、島となっていた志賀島。志賀島橋が最初に建設されて以降に徐々に砂が堆積し、現在みられるような完全な陸続きの島になったそうだ。現在架かる志賀島橋は平成23年に架けられた橋。外海側は砂浜になっていて、よほど潮位が上がらない限りは基本的に海はつながっていない。
 
 志賀島橋から西戸崎方面を眺める。写真左手が外海である玄界灘。右側が博多湾で、右手奥に福岡市中心部の建物が見える。両側に海が広がる不思議な光景。博多・天神から30分あまりでこうした風景に出会える。波も穏やかだったこの日。朝の時間帯は通るのは地元の車と散歩をする人くらいで、この景色を独り占めできる。
 
 反対に志賀島方面を眺める。島へと一直線にのびる道路が美しい。志賀島は福岡市東区に含まれ、島内の人口は1500人ほど。前回の記事で乗車した西戸崎始発の路線バスはこの道を進み、島の西側(写真左手)を通って、島の反対側にある勝馬地区へと向かう。天神発着のバスは正面に見える志賀島地区が終点。この道はバスも多く走っている。この写真だけだと、志賀島橋は海を渡っているように見えるが左側は砂浜になっている。
 
 ちょうど西戸崎行の西鉄バスが通過していった。神々しい景色の中をバスが走っていく。しばらくこの景色を楽しんだあとは、志賀島旅客待合所へ戻り、博多港行きの渡船で天神へと帰る。
 

復路は小型船の「きんいん」に乗船

 先ほど乗船した「きんいん1」と異なり、次に乗船するのは小型船の「きんいん」。この便はほかの大多数と同じく途中で西戸崎港を経由する。通勤通学客がもっといるのかと思ったが、志賀島から乗船したのは自分を含めて3人ほど。夏休み期間中でもあったので、実際のところはもう少し利用者がいるのかもしれない。
 
乗車記録20
福岡市営渡船 博多-志賀島航路 (西戸崎港経由)博多港行
志賀島港→博多港 きんいん
 
 志賀島港を出港して、船は西戸崎港へ。海の中道海岸を続く道路を眺めながら走っていく。朝日が差し込む光景がとてもきれいだった。海の中道海岸を過ぎると松林が広がる。西戸崎港が近づくと、くるっと180度進行方向を変えながら徐々にスビートを落として西戸崎港へと入港する。
 
 西戸崎港はJR香椎線西戸崎駅の裏手にある。志賀島から乗船したのは3人ほどだったが、ここからは通勤客が乗船して船内は混雑した。西戸崎から博多・天神までは香椎を経由すると1時間弱はかかる。車やバスでの移動となると、渋滞することも考慮に入れないといけない。しかし、船であれば海上をショートカットできるので、たった15分で博多港に到着でき、そこから自転車でも15分で博多・天神へ向かうことができる。船なので渋滞を気にする必要もなく、ストレスなく移動できる。地図で見るとよくわかるが、香椎経由はU字を描くが、船は一直線に移動している。
 
 西戸崎港から博多港へはほぼ一直線に進む。だんだんと福岡市の湾岸エリアが近づいてくる。途中で往路で乗船した「きんいん1」とすれ違った。旅客船、貨物船ともに多くの船が航行する博多湾。乗っている船が小さいので、大型船とすれ違うと、その波で船内が揺れる。次第に百道エリアが見えなくなると、博多港は目の前。再び博多ポートタワーが目の前に見えると、博多港へと入港。志賀島から30分であっという間博多港へと到着した。前日にバスで志賀島~天神間を移動しているので時短効果は歴然だった。
 
乗車記録21
西鉄バス [90]天神・博多駅経由 井尻六ッ角行
博多ふ頭→天神大丸前
 
 さて、早朝の渡船の旅と志賀島の景色を満喫したところで、博多港からは再び西鉄バスで天神へ。西鉄天神高速バスターミナルへと移動し、ここから大分方面へと進んでいく。
 

★今回の初乗車路線

【船舶路線】
福岡市営渡船 志賀島航路 博多港-志賀島港(西戸崎非経由)
博多港-志賀島港(西戸崎経由)