【旅行記】夏の関西を巡る旅~近鉄天理・田原本線に乗車~

近鉄天理線、田原本線に乗車

 
乗車記録5
近鉄大阪線 特急 大阪難波行
伊賀神戸→大和八木
 
 伊賀神戸駅に停車するのは準速達のいわゆる乙特急といわれる列車。リニューアルした旧型のACE車両で大和八木駅まで30分ほど乗車した。伊賀神戸駅の次は名張。三重県ながらこのあたりは大阪のベッドタウンとして開発された経緯があり、伊賀神戸の先の青山町と並び、大阪方面の列車の始終点となっている。乗車する乗客も多かった。名張、榛原と列車は山間を軽快に走る。この区間も久しぶりに乗車したので、久しぶりに大阪難波-名古屋間を乗り通してみたくなった。徐々に視界開けると奈良盆地へと入り、桜井を通過。しばらく翌日乗る予定の桜井線の線路と並走して、大和八木駅に到着。列車はこの駅で橿原線との接続を取って大阪方面へと去っていった。
 
 橿原線と大阪線が接続する大和八木駅。両線が直角に交わる形で、橿原線の上を大阪線の線路がオーバーパスする。このあたりの中心的な駅で、桜井線の畝傍駅から北に1kmほどのところにある。特急が多方面から運転されるため、JRよりも近鉄の駅の方が栄えている。基本的に京都方面へ向かう列車は一階の橿原線ホームから出るが、伊勢方面発着の特急は大阪線のホームから発車。同じ京都行の列車が橿原線、大阪線の2つのホームから出る。橿原線と大阪線との接続線は大阪線の難波方から橿原線の新ノ口間に設置されている。また営業列車はないが、大阪線の難波方から橿原線の八木西口駅間にも接続線があり、八木西口駅はこの接続線のための上下線のポイントが駅の構内に堂々と存在する珍しい駅としても知られる。
 
 
乗車記録6
近鉄橿原線 普通 京都行
大和八木→平端
 
 大和八木から乗車するのは普通京都行。橿原線と京都線を走破する列車で、橿原線は多くの列車が京都線に直通する。この区間を運転する京橿特急は所要時間が約1時間なのに対し、普通列車は1時間50分。急行列車では1時間15分となっている。この列車で平端駅まで向かう。
 
 奈良盆地を北へ約20分、平端駅で列車を下車する。橿原線部分は2面4線となっていて、普通列車はこの駅で4分停車して急行列車を退避していた。地下道を通って天理線ホームへと向かう。次に乗車するのは天理線の普通天理行。近鉄天理線は平端駅から天理駅までを結ぶ運行時間わずか6分の小さな路線。天理線の線路は橿原線の京都方面と接続され、2面2線となっている。橿原線との直通列車は概ね1時間に1本、京都発着の急行列車があるほか、朝夕を中心に大和西大寺や新田辺などへの普通列車もある。
 
 
乗車記録7
近鉄天理線 普通 天理行
平端→天理
 
 急行列車は6両編成で運転されるが、普通列車は4両編成での運転。大きくカーブするホームに停車する1000系電車に乗車して終点の天理まで所要時間わずか数分の乗り鉄。奈良盆地の東側へ向けて走り、山が近くなると徐々に景色も市街地の景色へと変わり、終点の天理へと到着した。
 
 天理と言えば日本屈指の宗教都市として知られ、天理教の教会本部が駅の正面から東に数百メートル進んだ場所にある。駅の周辺にも天理教の関連施設が多くあり、天理大学などの学校施設も多い。近鉄・JRともに天理臨と呼ばれる団体臨時列車を長年運行してきた歴史があり、近鉄天理駅はターミナル駅のような風貌をしており、JR桜井線のほうも多くの留置線を有する駅となっている。近鉄の駅はJRの駅に突き刺さるようにしてほぼ90度直角に交わっていて、JRの駅の高架下に改札がある。
 
 天理からは折り返し平端行きの普通列車に乗車して、平端で橿原神宮前行の普通列車に乗り換え。来た道を田原本まで戻り、田原本で列車を下車した。
 
乗車記録8
近鉄天理線 普通 平端行
天理→平端
 
乗車記録9
近鉄橿原線 普通 橿原神宮前行
平端→田原本
 
 近鉄橿原線の田原本駅で列車を下車。ここで近鉄田原本線に乗り換える。田原本駅と西田原本駅は徒歩30秒ほど離れた同じ駅ロータリーの左右にある。別の会社ならこういう配置の駅や会社同士で駅名が違う駅を見たことがあるが、同じ会社で違う駅なのはあまり見たことがない。写真の京都方面側の改札口から右手に進んでロータリーを少しだけ歩いて西田原本駅へ向かった。
 
 そしてこちらが田原本線の西田原本駅。同じロータリー内に同じ鉄道会社の違う駅があるという全国的に見ても珍しい構造をしている。橿原線と田原本線では歴史的経緯が異なるため別の駅となっているらしい。田原本線は以前は桜井まで続いていたが1944年に休止。その後正式に廃止され、現在はここ西田原本-新王寺間を結ぶ路線となっている。改札は別々の田原本駅と西田原本駅だが、乗り継ぐと基本的に運賃は通算される仕組み。このあたりは戦前からの路線開発が盛んに行われていて、特に近鉄は異なる歴史を持つ路線の集合体として成り立っている。
 
 駅構内は1面2線のシンプルな構造。近鉄路線で唯一独立した路線として知られる田原本線だが、線路自体は西田原本駅の少し先で橿原線と繋がっていて、車両はこの線路を使って送り込まれる。橿原線は特急、急行、普通が走る複線路線のため列車本数が多いが、こちらは20~30分に1本程度。田原本の到着した列車から降りてくる乗客の何割かは、ロータリーを通って西田原本駅へと向かっていた。
 
 15分ほどホームで列車を待つと次の列車がやってきた。近鉄田原本線は3両のワンマン運転で、基本的に8400系電車が活躍している。近鉄大阪線とJR大和路線のちょうど中間あたりを南東から北西に向かって走る田原本線。田原本駅は田原本町にあるが、ここから列車は三宅町、広陵町、河合町、王寺町と町を連続して走っていく。このあたりは町が多く残っていて、この路線は市を一切通らない珍しい路線なのだそう。
 
乗車記録10
近鉄田原本線 普通 新王寺行
田原本→新王寺
 
 田原本駅の終点新王寺駅。こちらも改札を出てまっすぐ進むと近鉄生駒線の王寺駅があり、駅自体もJR王寺駅とほぼ一体となっているが新王寺という別の駅になっている。
 

千日前線経由で新大阪へ

 JR王寺駅からは大和路快速で久宝寺へ。対面で接続する普通列車に乗り換えて、平野駅で列車を下車した。JR平野駅はOsaka Metro 谷町線の平野駅と千日前線の南巽駅のちょうど中間に位置する。千日前線がJR平野駅を経由して谷町線の平野駅まで延伸されればとても便利な気がするが現時点で動きはない。東京メトロと異なり、Osaka Metroは路線が他路線に接続せずに終わる路線が多いため、乗りつぶしが難しい。今回は平野駅から南巽駅まで徒歩で移動して、千日前線に初めて乗車した。
 
乗車記録11
JR大和路線 大和路快速 天王寺行
王寺→久宝寺
 
乗車記録12
JR大和路線 普通 JR難波行
久宝寺→平野
 
 千日前線の南巽駅。平野駅からは徒歩20分ほどかかった。一応、同駅間の路線バスもあるが、夜は本数が少なく、歩いたほうが早かった。千日前線は4両編成と短く、区間の多くが近鉄線・阪神なんば線と並走するため、正直影が薄い。終点の野田阪神駅まで乗車した。
 
乗車記録13
Osaka Metro 千日前線 野田阪神行
南巽→野田阪神
 
乗車記録14
阪神本線 急行 大阪梅田行
野田→大阪梅田
 
乗車記録15
Osaka Metro 御堂筋線 千里中央行
梅田→新大阪
 
 野田阪神駅からは阪神線、御堂筋線を経由して新大阪駅へ。近くのホテルに宿泊して大波乱だった1日目の行程を終えた。