【旅行記】東北地方太平洋側を北上する旅~仙石東北ラインに乗車~

石巻線で女川へ~の続き
 
 1日目の最後は、女川駅から仙台駅まで戻って仙台に宿泊する。北上する旅と題したが、ここだけ一瞬南下する行程になっている。行きは小牛田経由で向かったので、帰りは最速ルートの仙石東北ラインに乗車して仙台へと帰ることにした。
 

夜の仙石東北ラインに乗車

 女川駅からは18時前に出る普通列車小牛田行に乗車して、まずは石巻へ向かう。女川駅は基本的に小牛田方面への列車が発着するが、朝の女川始発、夜の女川行きの1本が仙石東北ライン系統の延長運転という形で運転されている。駅名標などにも石巻線のピンクと仙石東北ラインの緑、青の3色が記載されているのはそのためである。
 
 乗車したのはさきほど小牛田から石巻まで乗った車両と同じ車両だった。一本前の列車はかなり混雑していたが、女川で行われていたイベントも完全に終了していたので、この列車は全く混雑していなかった。夜になった女川を出て、暗闇の中を石巻へと向かう。真っ暗になったとは言え、まだ時刻は18時を回ったところなので、途中の駅からも比較的多くの乗車があった。
 
乗車記録5
石巻線 普通 小牛田行
女川→石巻 キハ110系
 
 石巻では約40分ほどの乗り換え時間で仙石東北ラインの快速仙台行に乗車する。発車の20分ほど前に、仙石線のあおば通行の列車が出ていくが、仙台駅時点では、その差は3分ほどの縮まっている。仙石東北ラインは2015年に開業した新系統で、仙石線の高城町駅と東北本線の塩釜駅との間を結ぶ接続線を作り、石巻-仙台間の所要時間短縮が実現している。なお塩釜駅と書いたが、正式な接続駅は松島駅となっている。東北本線から分岐する地点は松島駅の場内という扱いになっているので、松島駅を通ってないように見えて、運行上は通過している。
 
乗車記録6
仙石東北ライン(仙石線・東北本線)
快速 仙台行
石巻→仙台 HB-E210系
 
 仙石線は直流電化、東北本線は交流電化のため、電車として運行するなら、交直流電車が必要になる。しかし、東北本線と仙石線との接続線は非電化で建設され、ハイブリッド車両のHB-E210系が専属して運用されている。ハイブリッド車という電車にも劣らない性能の車両が、交直流の違いという課題を解決しているのだ。車内はJR東日本ではよくみるセミクロス構造。ハイブリッド車のため機器類の設置が多く、通常の車両に比べて座席数がやや制限されている。
 
 初乗車が夜の乗車となった仙石線。翌朝、石巻方面の列車に乗車するので、車窓は翌日楽しむとして、ハイブリッド車両の走りを楽しむ。車内にはディスプレイが設置されていて、今どんな電源で動いているのかが分かる仕組みになっている。電車が加速しているときは、バッテリーから先に電気をモーターに送り、その後にエンジンを作動させて、バッテリーとエンジンからのハイブリッドでモーターを動かす。逆に止まるときは回生ブレーキで生まれた電気をバッテリーに蓄える。そんな感じで電気がどう動いているのかが分かるの興味深い。蓄電池車とはまた違った走行音が楽しめるのもハイブリッド車両の面白いところだと思った。
 
 列車は高城町を出た先で接続線を渡って東北本線へと入る。この接続線は乗車券に「東北接」と書かれているとおり東北本線の支線となっている。その距離はわずか数百メートル。仙石線の線路が左に分かれていくのが、暗闇の中からも確認できた。ここから列車は東北本線を進み、塩釜に停車。快調な走りで終点の仙台へと向かっていった。
 
 終点の仙台に到着。1日目の行程は仙台で終了した。この日は東北に来ていながら関西私鉄系ホテルのホテル京阪 仙台に宿泊。開業から2年ほどの新しいホテルで、こちらも全国旅行支援のおかげで当初予約していたときよりも安く宿泊することができた。地域クーポンは夕食の牛タンを食べるのに使用した。やっぱり仙台に初めて来たなら牛タンは必修科目だと思うので、とてもおトクだった。
 2日目は最寄りのあおば通駅から石巻、気仙沼、陸前高田などを経由して岩手県の大船渡まで進んでいく。
 
初めてのBRT ~へ続く