【旅行記】函館本線と道南鉄道路線乗りつぶし旅~函館市電を乗りつぶす~
函館市街を走る路面電車、函館市電に乗車

早朝に函館駅を発って函館~森間を8の字の左半分→右半分のルートで往復して数時間ぶりに函館駅へ到着。ここからは函館市街地を走る路面電車、函館市電に乗車していく。函館市電は現在2系統が運行されていて、函館駅の南側、函館山のふもとにある十字街で2方向に分岐している。今回は函館駅前からまずは谷地頭行き、函館駅前→谷地頭→湯の川→函館どつく前→函館駅前と乗車した。

函館駅前の交差点で東から南へと曲がる函館市電。JRの駅舎からは少し距離があるが、西九州新幹線開業で駅が移転して私鉄の一駅分くらい歩かないといけなくなった長崎駅に比べれば全然近い。ここ函館駅前交差点は3つの国道の起終点となっていて、函館本線に沿って札幌まで向かう北海道の動脈の一つ国道5号線、亀田半島をくるっとまわって森へと向かう国道278号線、津軽海峡を渡って下北半島を縦走する279号が、この交差点から各方面に分かれている。
乗車記録 No.10
函館市電 2系統 谷地頭行
函館駅前→谷地頭 8100形

最初に乗車したのは谷地頭行き。十字街から東へと進み、観光名所としても知られる立待岬にもほど近い谷地頭へと走っていく。十字街あたりまでは観光客を中心ににぎわう車内も、十字街から先は地元の乗客の利用が多かった。乗車した8100形は、中間のドア部分だけが低床となっている部分低床車両で、座席部分には階段を上っていくという面白い造りになっている。製造されたのはこの1両のみで、全国的に見ても珍しい車両として知られている。

谷地頭に来たからと言って何をするわけでもないが、そのまま帰るのはもったいないので、少し歩いて海岸へ。函館山の東側の海が見える。写真の左側の山々が亀田半島、そして右側の山の遥か先にうっすら見えるのは、本州の下北半島。前日、木古内の海岸からは下北半島が見えなかったが、この日は晴れていて本州が見えた。

谷地頭電停がある交差点。背後には函館山が聳えている。白い建物の上に見えるのがロープウェイでアクセスできる函館山展望台。谷地頭はこの函館山に隠れるような地形になっていて、路面電車の電停の周辺には住宅街が広がっていた。
乗車記録 No.11
函館市電 2系統 湯の川行
谷地頭→湯の川 3000形

谷地頭から反対側の終点である湯の川へ2系統を乗りつぶし。函館山の北側に扇形に広がる函館の市街地。函館駅周辺も繁華街の一つだが、五稜郭公園の南側のエリアも百貨店などが所在する繁華街の一つとなっている。JRの五稜郭駅から五稜郭公園まではかなり距離があるが、市電の五稜郭公園前もそれほど近くはない。終点の湯の川は温泉地として知られ、多くの観光ホテルが所在する。函館空港はこの湯の川地区に隣接していて、市電も函館空港まで延びていればさらに便利だと思う。終点の湯の川まで乗車するのは地元の利用客が多く、観光客は一つ手前の湯の川温泉で下車していた。

湯の川電停の道向かいには湯倉神社がある。湯の川温泉の発祥の地として知られ、500年以上の歴史がある神舎となっている。少しだけ神社の中を見て回り、再び電停へと戻った。
乗車記録 No.12
函館市電 5系統 函館どつく前行
湯の川→函館どつく前 8000形

次に乗車するのは函館どつく前行の5系統。十字街までは来た道を戻り、十字街からは西側へと進んで終点の函館どつく前まで向かう。最初函館どつく前という電停名を見たとき、どつくって何だろうと思ったが、これはどっくと読まないといけないようで、造船会社である函館どつく株式会社が電停名になっている。

終点の函館どつく前電停から折り返し湯の川行として発車していく路面電車。ここ函館どつく前電停の脇にある小さな公園には、新撰組終焉の地という石碑が建っている。新政府軍と、新撰組のメンバーを含めた旧政府軍が戦った箱館戦争。現在、函館どつくの函館造船所がある一帯は、旧政府軍の弁天岬台場と呼ばれる砦があり、旧幕府軍はここで降伏した。新撰組のメンバーらはこの台場の防衛していたことから、この地が新撰組の終焉の地となっているのだそう。明治維新の歴史の舞台にもなっている。当日は公園の工事が行われていて、石碑には近づけなかった。

路面電車の走る通りから函館山の中腹に向かってはいくつもの坂道がある。それぞれに名前が付けられていて、山手側には住宅街が広がっている。函館どつく前電停から函館駅側に少し歩いた場所にある幸坂は山上大明神から海へと一直線に続く坂道で、坂の街しても函館の景色を楽しむことができる。
乗車記録 No.13
函館市電 5系統 湯の川行
函館どつく前→函館駅前 9600形

再び函館どつく前電停へと戻って、湯の川行に乗車し函館駅で下車。函館どつく前から乗車していたのは、9600形と呼ばれる2連接の低床車。アルナ車両製の国産低床車「リトルサンダー」シリーズの車両で、4編成が活躍。らっくる号の愛称が付けられている。

函館市電を乗り終えて、今回の旅で乗車予定だった路線を乗り終えた。このあとは、函館空港へと移動して帰路に就く。バスまで1時間ほど時間があったので、駅前のハセガワストアで函館名物のやきとり弁当を購入。やきとり(といっても豚肉)とご飯って合うのかなと思っていたが、タレがごはんにマッチしていてとてもおいしかった。また函館に行った際には食べてみたい。