【旅行記】特急ひだ&サンダーバードで行く北陸乗り鉄旅~北陸鉄道浅野川線に乗車~
あいの風とやま鉄道の始発列車で金沢へ

北陸旅2日目。1日目は富山市周辺で乗り鉄したが、2日目は場所を金沢へと移す。富山駅を5時半に発車するあいの風とやま鉄道の始発電車で金沢駅に向かう予定で起きたらもう5時前。前日のうちにある程度荷物はまとめていたのでよかったが、危うく寝坊するところだった。昨日の日中は多くの人でにぎわっていた富山駅前。5時過ぎなのでまだ人の姿はまばらだった。

改札内へと入ったが、まだ列車は到着していなかった。発車の5分前になると東富山側からこの日の金沢方面の始発となる普通金沢行が到着。あいの風とやま鉄道の521系4両編成だった。北陸新幹線開業時に県単位で第三セクター化された北陸本線。富山駅には金沢からIRいしかわ鉄道の車両が乗り入れてくるが、あいの風とやま鉄道はIRいしかわ鉄道とともにえちごトキめき鉄道への直通列車もあり、金沢~糸魚川間で運用されている。金沢方面の1本は糸魚川始発金沢行として運転され、唯一3社を跨ぐ列車となっている。
乗車記録No.8
あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道
普通 金沢行
富山→金沢 521系4両編成

朝の神通川を渡って列車は金沢へと走り出す。富山から乗車したのは10人にも満たず、その後も高岡までは乗降する人は少なかったが、高岡から先は金沢への通勤・通学客で徐々に混雑し始めた。IRとあいの風の境界駅は県境となる倶利伽羅駅となっていて、そこからはIRいしかわ鉄道に直通する形で金沢へと向かっていく。5年ぶりの乗車で石動や津幡と言った地名の響きが懐かしかった。

終点の金沢に到着。富山からは1時間なので、新幹線を使わなくても時間に余裕があるなら全然在来線でいい。金沢駅からは5年前に台風で乗車を断念した北陸鉄道の2路線へと乗車していく。まずは金沢駅に隣接する北鉄金沢駅から内灘駅間を結ぶ北陸鉄道浅野川線へ。金沢駅のシンボルでもある鼓門の地下(正確にはその隣のバスターミナルの地下)に駅がある。

ちなみに鼓門の地下はどうなっているかと言えば広いイベントスペースになっている。ターミナル駅の地下にはこうしたイベントスペースがある駅が多いが、何も行われていないと、神殿のような空間が広がり、ちょっと神秘的。この広いスペースの画面右側にこじんまりと北鉄金沢駅はある。
金沢駅に乗り入れる北陸鉄道浅野川線に乗車

こちらが北陸鉄道浅野川線の北鉄金沢駅。駅の部分だけが地下になっていて、駅を出たすぐのところで地上へと上がる。今回は浅野川線のあとに石川線にも乗車するので、どちらでも使える「鉄道線全線1日フリー乗車券」を購入した。1100円で販売されており、浅野川線を往復しただけでは元は取れないが、石川線にも乗車するならきっぷを買う手間も省けるのでこの乗車券がおトク。スマホアプリでも発売されている。

発車の5分前になると改札が始まった。乗車したのは8000系電車。もともと京王井の頭線で活躍していた京王3000系車両で、北陸鉄道では1996年から活躍している。京王3000系の移籍車両と言えば2月に岳南電車でも乗車した。このほか伊予鉄道や上毛電気鉄道でもこの車両が現役で活躍している。浅野川線は混雑路線としても知られ、朝夕は比較的本数も多い。内灘からの折り返しは朝ラッシュに突入する予定なので、通勤・通学がどんなものかも見てみたい。
乗車記録No.9
北陸鉄道浅野川線
普通 内灘行
北鉄金沢→内灘 北陸鉄道8000系

下り列車は通勤通学流動とは逆行するので、乗客の姿はまばら。始発の北鉄金沢のほか途中駅の三ツ屋駅でも反対列車とすれ違う。反対列車はかなりな混雑となっていた。列車は名前の通り浅野川に沿って内灘へと走っていく。内灘は金沢市に隣接する町で、駅周辺は郊外のベッドタウンとして住宅街が広がっている。所要時間は15分ほどで小さな鉄道の旅を楽しむことができた。

終点の内灘駅に到着。列車はすぐに折り返し北鉄金沢行として折り返す。内灘駅は浅野川線の車両基地を併設しており、ホームは1面1線しかない。すぐには折り返さず、1本あとの列車で金沢駅へと戻ることにした。ちなみに現在はこの駅が終点だが、以前はここからもう少し進んだ粟ヶ崎海岸駅が終点だった。
駅前に長い行列ができる内灘駅の朝ラッシュ

駅の外に出ると長い行列ができていた。この行列はバスの行列ではなく、列車に乗車する行列。写真のバスとバスの間に見える白い建物が内灘駅の駅舎で、行列はそこからずっと続いている。浅野川線は始発となる内灘駅周辺にも住宅街が広がるため、始発の時点でもたくさんの乗客が乗車する。これから発車する列車が金沢駅8時前到着の列車なので、おそらく最混雑となる列車になる。ロータリーには次々と送迎の車が入ってきて、みな列車に乗り込んでいった。

列車が発車していくと今度は一転駅前は閑散とした。浅野川線の朝はおよそ22~25分間隔。途中交換駅が1つしかないので、これ以上の増発はできない。日中は30分に1本の運転で、内灘駅・北鉄金沢駅それぞれ毎時0分・30分の分かりやすいダイヤとなっている。
元日比谷線の03系で金沢へ戻る

次の列車の発車時刻の10分前になると再び改札口から行列が自然と形成された。列車到着後、降車が終了するとまもなく改札が開始される。次に乗車するのは、03系電車。こちらは言わずと知れた日比谷線で活躍していた車両である。こちらも京王3000系と同様に全国各地に第二の人生を送る車両がいて、九州でも熊本電鉄で活躍している車両がある。また長野県の長野電鉄でも3000系として活躍している。浅野川線の03系は日比谷線で活躍していたときと同じシルバーをまとう車両と写真のように北鉄カラーのオレンジをまとう車両がいる。どちらもそれぞれかっこいい。
乗車記録No.10
北陸鉄道浅野川線
普通 北鉄金沢行
内灘→北鉄金沢 北陸鉄道03系

内灘駅の時点ですでに座席はほとんど埋まり、立ち客も出た状態で発車した北鉄金沢行の普通列車。その後も各駅からの乗車があり、終点到着時点では満員電車の様相を呈していた。高校生の通学時間帯はすでに終わっているので、乗客は大学生やサラリーマンの姿が多かった。地下にある北鉄金沢駅で03系を見ると、東京で活躍していた頃が思い出される。

北陸鉄道浅野川線に乗車後は、北陸鉄道が運行するもう一つの路線である石川線に乗車しに行く。石川線は金沢駅には乗り入れていないので、JR北陸本線の普通列車で移動で一駅隣の西金沢まで移動する。北鉄金沢駅からJR金沢駅へと向かう空間はもてなしドームと呼ばれ、近未来的な空間になっている。エスカレーターの下は人工的な池になっていて、よく見ると小銭が落ちている。観光客がトレビの泉をまねて投げているらしく、投げ込まれたお金は金沢市の雑収入として計上されるのだとか。

北陸本線の普通列車に乗るために金沢駅の在来線ホームへと戻るとちょうどIRいしかわ鉄道の521系が回送として停車していた。IRいしかわ鉄道は521系を計8編成保有するが、うち3編成は七尾線用の521系100番台で、写真のIRいしかわ鉄道カラーの車両は現時点ではたった5編成しかいない。新幹線が開業すれば、現在JRとして運行されている北陸本線のうち金沢~大聖寺間がIRいしかわ鉄道へと変わる見込み。そうなると編成も増える予定だが、現時点では割と希少である。
さて、金沢駅からは福井行の普通列車に乗車して、次の西金沢駅で下車。西金沢駅に隣接する北陸鉄道新西金沢駅から北陸鉄道石川線で鶴来へと向かった。
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