【旅行記】特急ひだ&サンダーバードで行く北陸乗り鉄旅~北陸鉄道石川線に乗車~

北陸本線の普通列車で一駅移動

 富山から金沢へと移動し、北陸鉄道浅野川線に乗車。ここからは北陸鉄道のもう一つの路線である石川線に乗車する。石川線は金沢市内の野町から白山市の鶴来までを結ぶ路線で、JRが北陸鉄道と接するのは金沢駅の一つ西側にある西金沢駅となっている。まずは金沢駅から普通列車に乗車して西金沢駅まで移動した。乗車したのは521系の福井行普通列車。北陸本線の普通列車は日中は30分に1本程度の運転で、福井行と小松行の交互運転となっている。朝夕はもう少し本数が増え、中には福井駅を介して武生駅や敦賀駅まで運転される列車もある。
 
乗車記録No.11
北陸本線 普通 福井行
金沢→西金沢 521系
 
 わずか3分で西金沢駅に到着。西金沢駅は橋上駅で駅舎の南側には北陸新幹線の高架橋が通っており、南口側は高架橋の下に階段などが設置された構造になっている。金沢から南側はまだ旅客営業していないが、この区間は白山にある車両基地への回送が行われているため、今も新幹線が通過する。駅周辺は住宅街が広がっていた。
 

駅前ロータリーを横断する北陸鉄道の踏切と新西金沢駅

 このJR西金沢駅は駅前の構造がユニークなことで有名。駅前のロータリーをぶった切る形で北陸鉄道石川線の線路が通っており、ロータリに出入りする場合はこの踏切を2回通る形になっている。ちょうど野町行の電車がやってきた。駅前発着のバスはこのロータリーには入らず、踏切の手前でUターンする。ロータリーのためだけの踏切という面白いものを見ることができた。
 
 西金沢駅から徒歩30秒ほどのところにある北陸鉄道の新西金沢駅。新・西金沢駅と名乗るが、JRの駅舎の方が新しく、こちらは昭和の雰囲気を漂わせている。現在のJR西金沢駅はもともと野々市駅を名乗っており、この駅も新野々市駅として開業した。その後、野々市駅が西金沢駅と改称されるのに合わせて、こちらも新西金沢駅に改称。これらは大正時代の話で、それからこの駅はずっと変わらず新西金沢駅を名乗っている。
 
 新西金沢駅は朝夕のみの有人駅となっていた。新年度開始月ということもあって、定期券を代理で買いに来ている人の姿があった。電車を待っている人も何人かいて、大学生の姿が目立った。
 

北陸鉄道石川線で終点の鶴来へ

 さっき駅前ロータリーの写真を撮ったときに通りすぎた列車が、野町駅で折り返してやってきた。野町駅は現在棒線駅となっているので、新西金沢駅が最初の交換駅となっている。石川線は日中は1時間に1本、朝夕は1時間あたり2本の運転となっていて、浅野川線に比べると本数は少ない。やってきたのは去年青森の弘南鉄道でも見かけた中間車を改造した見覚えのある顔。元東急7000系で、北陸鉄道ても7000系として活躍している。前日から京阪、京王、営団(メトロ)、東急という大手私鉄のお下がり車両ばかりもう4本目である。
 
乗車記録No.12
北陸鉄道石川線 普通 鶴来行
新西金沢→鶴来 7000系
 
 新金沢駅を出るとすぐにロータリーの踏切を横切ってカーブを曲がり、その後は野々市市内へ。車内は大学生でそこそこ混雑していたが、野々市工大前駅で多くの下車があった。駅名の通り近くに金沢工業大がある。そこからは各車両3~5人ほどの乗車となり、景色も田園風景へと変化。次第に山が近づくと終点の鶴来へと到着した。
 

かつては2路線が先へ延びていた鶴来駅

 終点の鶴来駅に到着。乗ってきた列車は、駅で待っていた多くの乗客を乗せて、すぐに折り返していった。鶴来は白山市のくびれにある地域。白山市は日本海側の金沢平野から白山連峰まで続く広い市だが、この鶴来あたりだけが能美市や金沢市に挟まれる形でくびれている。白山連峰から流れ出す手取川が金沢平野に流れ出す地点にあり、白山の山々への玄関口ともなっている。
 
 鶴来まで同じ電車だった人たちは、駅前にとまっていたマイクロバスに乗っていった。鶴来駅からバスで15分ほど行ったところには北陸先端科学技術大学院大学のキャンパスがあり、鶴来が最寄り駅となっている。大学とこの駅間にはシャトルバスが運行されている。奈良にも奈良先端科学技術大学院大学があるが、あちらは近鉄けいはんな線の学研北生駒駅が最寄り。大学院大学なので学部の設置はなく、大学院のみが設置された大学である。それにしても、なかなかすごい場所に大学作ったなと思う。この駅にはほかにも陸鉄道バスと、白山市、能美市のコミュニティバスが発着し、小さいながら交通の拠点となっている。
 
 駅前には白山市の鶴来支所があるが、それ以外には特に何もない。駅前には手取川から枝分かれした用水路が流れており、駅前は区画整理事業が実施されて、きれいな街並みになっていた。30分くらい歩くと全国の白山神社の総本宮となっている白山比咩神社があるがさすがに遠すぎるので、今回は駅前をウロウロして次の電車を待つ。
 
 現在は石川線の終点となっている鶴来駅。ただ以前はここが終点ではなく、この先2方向に線路が伸びていた。一つは石川線の続きで、白山比咩神社近くの加賀一の宮駅まで、もう一つは能美線と呼ばれる別路線で、ここから現在の北陸本線能美根上駅に隣接した新寺井駅までを結んでいた。現在も航空写真を見るとその廃線あとがところどころ残っている。いかにもこの先、線路が続いていそうな鶴来駅の先のカーブ。現在は車庫への入換用の線路になっていて、このカーブの先で線路は途切れてる。駅へ戻って飲み物を買って休憩。鶴来駅は自販機が充実していた。
 

野町行の普通列車で石川線を完乗し兼六園へ

 野町行きの電車が到着したので乗り込む。1本前の電車がそれなりに混んでいたので、次の電車も混むだろうかと思っていたら、まさかの乗客は自分を含めて2人だった。さっきの混雑はなんだったのだろうか。さっきは中間改造車の写真を撮影したので、今度は東急時代の面影を残す元からの先頭車を撮影。隣に止まっているのは元京王3000系。京王井の頭線と東急の車両が並ぶ鶴来駅。両車両は渋谷駅でニアミスしていたりしたのだろうか。
 
乗車記録No.13
北陸鉄道石川線 普通 野町行
鶴来→野町 7000系
 
 先ほどは新西金沢駅から乗車したが、今度は終点の野町まで乗車する。2両編成の車内は終始空いていたが、各駅から沿線住民の利用があった。直線区間が多いので、後面展望を見るとずっと線路が続いているのが分かる。終点の野町までの所要時間は30分ほど。ローカルなのんびりとした雰囲気が漂っていた。
 
 列車は終点の野町駅に到着した。駅前はバスロータリーとなっていて、ここから各方面にバスが運転されている。駅舎の後ろに見える塔は、駅の裏手にある工場のもので、駅のものではない。これで5年前に台風で断念した北陸鉄道のリベンジを達成。時刻はまだ11時にもなってないが、この日の乗り鉄はこれで終了。金沢からはこの日の宿泊地である輪島へと移動するが、その前にしばし金沢観光。こちらも5年前の台風で行けなかった兼六園に行ってみた。
 
 野町から兼六園へ行くには、金沢市内方面に行くバスに乗り香林坊で下車して歩く方法があるが、あまり歩きたくなかったので、兼六園のバス停まで行くバスに乗車することにした。駅前ロータリーからはこの時間バスの発着がないので、歩いて5分ほどの大通り沿いの野町バス停へと移動。金沢大学行のバスに乗り、兼六園下・金沢城で下車した。
 
乗車記録No.14
北鉄道金バス 金沢大学行
野町→兼六園下・金沢城
 
 兼六園到着後は1時間ほどかけて園内を散策。日本三名園はこれがここが初めてだった。加賀藩が17世紀に造った庭園で、兼六園という名前は松平定信が名付けたもの。この日は平日だったので、職人さんが木々や池の手入れをしている姿も見ることができた。
 
 今回は兼六園のみの見学だったが、結構じっくり見ていたので、気が付けば1時間以上経っていた。兼六園からは香林坊まで歩き、香林坊から金沢駅行のバスに乗車。終点の金沢駅で下車して次に乗るバスを待った。
 
乗車記録No.15
北鉄金沢バス 金沢駅行
香林坊→金沢駅
 
 金沢駅からは石川県内を縦断して、能登半島北部の輪島へ向かった。
 
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