【旅行記】梅雨の千葉・房総を巡る旅~プロローグ・J-AIR E190で羽田へ編~

梅雨の房総半島を旅する

 前回の旅で関西乗り鉄強化年間を宣言しながら、次の旅の目的地は関東地方となった。関東地方は一時期住んでいたので、8割程度の路線は乗りつぶしている。しかし、東京から少し離れた場所に未乗路線を残している。今回の目的地は千葉県。千葉県へは最近もちょこちょこ訪れていて、通過を除いた前回の訪問は2年前の夏。東京駅から総武線を走破する特急しおさいに乗車して銚子へ向かい、銚子電鉄線に乗車。その後、成田線や東金線を旅している。そして今回は、房総半島をメインに旅していく。房総半島は既に内房線と外房線に乗車済み。4年前の春、特急わかしおと普通列車で一周した。そうとくれば次に乗るのは、この外房線と内房線の輪の中を走る小湊鉄道、いすみ鉄道、そしてJR久留里線の3路線。どの路線も首都近郊のローカル線として知られている路線である。小湊鉄道やいすみ鉄道は古参車両が多く走り、鉄道ファンにも人気の路線で、行楽期を中心に多くの観光客が訪れる。一方、JR久留里線は、木更津市・君津駅の内陸部へと進む路線で、木更津~久留里間は一定の通勤通学需要があるものの、末端部の営業係数が悪く、”天文学的赤字”とも報じられている。そのため末端部分は今後の在り方を検討する会議が開催され、今後の方針について検討が始まっている。
 行程は1泊2日。これら3路線は2日目に訪れるとして、1日目は少し趣きを変える。1日目は同じ千葉県で未乗となっている北総鉄道と、初乗車からしばらく経過しているディズニーリゾートラインに乗りに行く。
 いつも前泊で現地入りすることが多いが、今回は乗車する路線が少ないので、純粋な1泊2日行程とした。しかも羽田空港に着くのは昼過ぎ。というのもせっかくなら羽田線を利用したことがない空港から飛んでみようということで、宮崎空港からの羽田行を予約している。羽田線ではちょっとレアな機材に乗れるので、宮崎を選んでみた。

前旅

 

宮崎空港から旅がスタート

 宮崎にはフライトの2時間ほど前に到着。宮崎市街から宮崎空港へは、電車で10分ほどなので、九州では福岡空港に次いでアクセス利便が高い。乗車した宮崎発宮崎空港行きの普通列車は、787系4両編成を使用した列車だった。乗り得列車ではあるものの、この区間は特急列車自由席にも乗車券のみで乗車できる特例があるので、特段珍しいわけではない。平日昼とはいえ、正直1両で足りるくらいしか、乗客は乗っていなかった。
 
 朝早くに家を出て、たぶん最寄りの空港から飛んでいれば、とっくの昔に羽田に到着している時間に宮崎空港に到着。宮崎空港は伊丹線・福岡線には搭乗したことがあり、実は前々回の北陸の旅の帰り道は、伊丹空港から宮崎空港までANA便を利用している。一方で羽田線は初めて搭乗となる。宮崎空港は航空大学校が滑走路を挟んで、ターミナルの反対側にある。デッキには大学校の訓練機が展示されている。
 

J-AIR Embraer 190運航の宮崎-羽田線に搭乗

 なぜ宮崎から飛ぶのかといえば、それは機材が面白そうだったから。羽田-宮崎線のうちJAL便の一部は、同グループのJ-AIRのEmbraer 190で運航されている(写真は過去に羽田空港で撮影したもの)。この機材は、現在羽田空港に就航する定期便で一番搭乗できる人数が少ない機材。コロナ禍では、ANAがDHC8-Q400を羽田線に就航させていて話題となったが、通常は設定されておらず、羽田に就航する定期便としては、この機材が搭乗できる人数が最も少ない。山形、三沢のほか、九州からは熊本空港からの便もあり、熊本空港からでもよかったのだが、それではちょっと遅すぎるので、宮崎を選んでみた。3月には、羽田空港発着の国内線の最大機材であるANAのBoeing 777-300に乗ったばかり。せっかくなら最小の方にも乗ってみたいと思う。ちなみに長さで言うとAIR DOのBoeing 737-700が羽田空港の定期便で一番短いらしい。
 
乗車(搭乗)記録 No.1
JAL692便(J-AIR運航)
宮崎空港(KMI)→羽田空港(HND)
Embraer 190 普通席
 
 使用機到着遅れにより約15分ほど遅れて出発したJAL692便。宮崎空港の滑走路09から離陸して、高度を上げていった。この日は梅雨前線が南に下がっていたため、宮崎空港周辺も薄曇りだったが、上昇中は雲の中を飛行したためところどころ揺れていた。小さい機材なので、多少揺れることは覚悟で搭乗する必要があるかもしれない。その後、水平飛行に達すると、まもなく眼下の雲はなくなり、高知県の室戸岬が機窓に見えた。さらに南九州路線ではお馴染みの和歌山県の串本を機窓に見ながら、その後も順調に飛行していった。2列シートが並ぶ機内。3列シートが並ぶ機材は少し圧迫感があるので、やはり快適。機内は7割程度の搭乗率で、隣は空席だった。
 
 串本通過後は、伊勢志摩や静岡県の御前岬のなどを機窓に見ながら飛行を続けた搭乗機。天竜川や大井川の河口は濁った水が広がり、数日前の線状降水帯がもたらした大雨の影響を上空からも見ることができた。肝心の富士山だが、今日は積乱雲の中に隠れていて見ることはできなかった。その後は翌日に巡る予定で、この日の宿泊地となっている房総半島の上空をくるっと回りながら飛行し、定刻からわずかに遅れて羽田空港の滑走路22に着陸した。千葉市上空ではD滑走路に降り立つ新千歳便とクロス。飛行機同士の立体交差を楽しめた。
 
 羽田空港に着陸。宮崎と違って青空が広がっていた。777や787シリーズがたくさん行き交う空港内を末っ子のごとく移動。この機材から見るとB738も大きく見える。第一ターミナルへと移動して、北ウイング18番スポットに到着した。小さい機材なので沖留めになることも多いが、日中の空いてる時期帯なのでそのままターミナルに到着となった。
 
 伊丹発着路線では、宮崎、鹿児島、秋田、三沢と何度も搭乗経験があるE190。しかし、羽田発着となると、就航路線・便が限られるため、なかなか貴重な経験になった。また搭乗する機会があれば、ぜひ乗ってみたいと思っている。
 さて、時刻は14時を過ぎたところ。ここから本格的な千葉の旅がスタート。羽田空港からは最初の乗りつぶし路線である北総鉄道を目指す。しかし、話の区切りの都合上、今回の記事はプロローグ編としてここで話を区切り、この先の行程は次回の記事にて書いていく。
 
次話