【旅行記】特急宗谷と日本海オロロンライン路線バスで行く道北・稚内旅~広島空港から新千歳空港へ~

日本最北端の駅と街、稚内を訪れる
酷暑だった夏が終わり、朝晩も冷え込むようになってきた。夏の間は遠出の旅を少しお休みしていたが、暑さも落ち着き、気候も安定してきたので、また来年の春まで連続的にいろんなところに行ってみようと思う。今回は1年半ぶりに北海道へ旅に出た。
4回目となる北海道。今回は宗谷本線をメインに道北・稚内を旅していく。宗谷本線は旭川~稚内間の259.4kmを結ぶ路線である。かつては深名線や名寄本線、天北線などの路線が枝分かれしていたが、現在は新旭川で石北本線が分かれる以外に枝分かれする路線はなく、JRの路線網からすれば、壮大な盲腸線になっている。そんな宗谷本線の終点である稚内駅は、日本最北端の駅として知られる。JR路線網の最北端の駅であり、国内の全鉄道という括りでも最北端の駅となっている。そんな稚内の駅や街は鉄道ファンにとっては憧れの地であり、自分にとっても稚内へ行くことは子どもの頃からの夢の一つだった。
札幌から稚内へは、特急宗谷を乗り通す。この特急宗谷は札幌~稚内間を約5時間かけて結び、在来線特急列車としては運行距離、時間ともに全国第二位を誇る列車である。この特急宗谷への乗車も子どもの頃からの憧れの一つだった。
一方、復路は日本海オロロンラインを、ひたすらバスで南下して札幌へと戻る。このルートは、2度目の北海道の旅で沿岸バスに乗車した際に、今後乗車したいルートとして構想していたものだった。日本海オロロンラインとは、稚内から小樽間の日本海沿岸を通る道路に付けられた愛称。今回は沿岸バスの豊富-幌延-留萌間の一般路線バス、留萌-札幌間の特急バスに乗車し、豊富から札幌まで、ほぼひたすら日本海側を辿って行く。
3泊4日の日程、巡るのは道北だけではない。稚内へ向かうのは2日目以降で、1日目は札幌に泊まる。1日目は道央エリアを走る日高本線と室蘭本線室蘭支線の2つの未乗路線を巡っていく。
今年もいろんなところに出かけているのに、何回行っても旅行前になると緊張する。道北は旭川や留萌に行ったことがあるとはいえ、今回行く稚内は遥か北へと進んだ全くの未踏の地だった。周期的に天気が変わる中の旅。最終日はあいにくの雨予報だったが、前半3日は比較的天気がよかった。未踏の地へ行く期待と緊張を感じながら、稚内を目指す旅がスタートした。
翌日のフライトに備えて広島空港近くの西条へ
北海道への行き方はたくさんある。今回は新千歳空港から北海道の旅をスタートするつもりだったが、福岡や羽田からの新千歳便には搭乗したことがあり、どうせなら使ったことない空港から飛ぼうということで、今回は広島空港を使ってみることにした。

広島から新千歳へは、ANAが比較的朝早い時間に飛行機を飛ばしている。九州からだと中国地方の空港はなかなか使うことがないので、これをいい機会に使ってみる。広島市内に宿泊してもよかったのだが、広島空港は広島市内からかなり離れた場所にあり、翌日の移動が大変になる。今回はもう少し広島空港に近い東広島市の西条駅へ行き、そこで一泊した。
まずは山陽新幹線の「のぞみ」で広島へ。博多から東海道新幹線へ直通する最終列車の名古屋行きののぞみ272号に乗車した。普段、夜の新幹線を使う時は、格安で乗れるもう少し遅い時間のひかり592号を使うことが多い。名古屋行の新幹線は初めての乗車だった。車内放送の名古屋行きという案内がとても新鮮に感じられた。旅行会社発売のひかり・こだま限定の格安きっぷは、最近値上がりしたと聞く。もしかしたら今後は使う機会が増えるかもしれない。
乗車記録 No.1
山陽新幹線 のぞみ272号 名古屋行
博多→広島 N700A
乗車記録 No.2
山陽本線 糸崎行
広島→西条 227系

広島では20分ほどの乗り継ぎで山陽本線の普通糸崎行きに乗車した。北海道へ行く旅なのに糸崎行きに乗車するなんて、なんだか不思議な気分だ。227系の普通列車でセノハチを登り、広島から約35分で西条駅に到着した。
ホテルに到着し、夕食を食べつつ明日乗る飛行機は何だろうかと調べてみると、ここでちょっとしたハプニング発生した。何やら広島の上空で何機かの飛行機がぐるぐると周回している。この日は前線通過の影響で、日中は雨。前線通過後は強い冬型の気圧配置に変わり、広島空港周辺も強い横風が吹いていた。このため、広島空港では最終便に近い何機かが着陸できない状況になっていた。その中には、明日搭乗予定の新千歳からの飛行機もいた。ダイバートとなれば、明日の搭乗便も欠航は必須。しばらく上空で待機した後、広島空港へ向けアプローチを開始。広島空港に西側から着陸する飛行機は、宿泊している西条駅のホテルのほぼ真上を通っていく。客室から頭上を轟音と共に通りすぎていく飛行機を全力で応援。結果、他の便とともに無事に着陸。翌日便の欠航も免れることができた。せっかく広島空港の近くまで来たのに、危うく北海道へ行けないところだった。
早朝の西条駅からバスで広島空港へ

さて、夜が明けて、西条駅で迎えた1日目。この日は広島空港から新千歳空港へ飛んだ後、乗り残している日高本線と室蘭本線の室蘭支線に乗車にし行く。前日は全国的に荒天だったが、この日は天気がいいらしい。西条駅周辺も晴れていた。
北海道旅行と関係ないが、初めて来たので西条について少し書き留めておく。西条駅は東広島市の中心駅である。東広島市内には山陽新幹線の東広島駅もあるが、そちらは市街地から少し離れた場所にあり、西条駅の方が圧倒的に利用客が多い。乗車券においてこの駅は(陽)西条と表示される。長野県の篠ノ井線に同姓同名の西条がある。
東広島市の人口は約20万人で、広島県内では広島市、福山市、呉市に次ぐ第四の人口規模を誇る。この街を代表する企業と言えば「ダイソー」で知られる大創産業ではないかと思う。西条駅の東側に位置する工業団地の中に本社がある。

山陽本線はこの駅から三原方面に数駅進んだ白市駅まで列車本数が多い。日中でも1時間あたり4本、朝夕には6本程度が運転されている。区間便はほとんど白市発着だが、一部に西条駅発着の列車も何本か設定させている。
西条駅には大事な役割がある。広島から西条までの間にある通称セノハチと呼ばれる区間は、山陽本線の中でも勾配がきつい区間となっていて、貨物列車の難所として知られる。ここを通る上りの貨物列車は、先頭だけでなく最後尾にも機関車を連結して、後ろからも押してもらい坂を登る。後ろから列車を押す機関車の切り離しは西条駅で行われていて、到着後は1両で広島の貨物ターミナルへ戻っていく。
駅へ行くと、ちょうど貨物列車が入線してきて、ここまで後ろを押していた機関車を切り離していた。貨物列車が先に岡山方面へ発車していくと、残された機関車は、普通列車の発車を待って、広島方面へと帰っていった。西条へ来たら見てみたいと思っていた光景だったので、見れてラッキーだった。

さて、西条駅からは広島空港行の西条エアポートリムジンに乗車して広島空港へ。この路線は芸陽バスと中国JRバスの共同運行で計10往復が運行されている。乗車した便はこの日の始発便で、このあたりで路線バスを運行する芸陽バスの担当便だった。朝の広島空港はこれから搭乗する新千歳便に加えて、羽田便が2便出発する。そのため広島市内からのバスは混むだろうということは予想できた。こういう時は少しマイナーな場所からのバスの方が空いている。乗車した便にも12名ほどの乗客がいた。しかし、そのうち航空機利用の乗客は5名ほどで、その他はこの地に赴いている外国人実習生らしき人たちの利用だった。
一般道経由でもそう遠くない距離だが、バスは西条ICから河内ICのわずかな区間で山陽自動車道を走行する。所要時間は20分ほど。あっという間に広島空港に到着した。
乗車記録 No.3
芸陽バス 西条エアポートリムジン 広島空港行
西条駅前→広島空港

広島空港に初めてやってきた。現在の広島空港は1993年に開港した。それまで広島市内にあった空港を移転して開港している。以前の広島空港は、広島市街地の臨海部にあった。しかし、滑走路が1800mと短く、中・大型機の発着ができないことなどから、三原市内の台地の上に移転してきた。現在の空港の滑走路は3000mで羽田便を中心に日常的に大型機も飛来する。昨年行われたG7広島サミットでは、各国の政府専用機が飛来して話題となったのも記憶に新しい。
ちなみに移転前の空港は、広島空港開港後、広島西飛行場に名前を変え、主に小規模路線を中心に各地への便が運航されていた。しかし、2010年に定期便が廃止され、その後2011年に閉港が決定。現在は飛行場の一部がヘリポートとして活用されているが、元滑走路の大部分は物流倉庫街となっている。

広島空港は現在、国内線ではANAとJALが羽田便と新千歳便を、ANAのみが那覇便を、スプリングジャパンが成田便を、IBEXが仙台便を就航させている。このうちスプリングジャパンは、国内線旅客便を成田-新千歳・広島の2路線しか運航していないため、広島空港が西日本唯一の就航地となっている。一方、国際線はソウル、台北、上海、大連・北京、香港、ハノイ便が就航している。このうち、台北便で就航するチャイナエアラインは、国内の地方空港では珍しく広島空港で飛行機が寝泊まりする。コロナ禍前まではシンガポール便も運航されていたが、残念ながら廃止されてしまった。
展望デッキへ向かうと、左からANAの新千歳便、JALの羽田便、ANAの羽田便、チャイナエアラインの台北便の順に駐機していた。しかし、この日JALの羽田便は機材整備で欠航となっていて、まもなくしてトーイングカーで運ばれて行った。ANAの羽田便はBoeing 787-9(78G)での運航。地方空港で見るB789は、大きな空港で見るより迫力があってかっこいい。市街地から離れている分、ロケーションは最高。デッキからの眺めはとてもよかった。
はじめてANA A321ceoに搭乗して新千歳空港へ

広島空港からは8時15分発のANA1271便で新千歳空港へ向かった。ANAは広島-新千歳便を1日1往復運航している。新千歳行きは朝に、広島行は夜に運航されている。この日の使用機材はAirbus A321だった。ANAのA321には2016年に導入されたA321ceoと、2017年に就航したA321neoの2種類がある。両方とも共通運用となっていて、どちらの機材に当たるかは搭乗する日が近づかないと分からないのだが、今回はレアなA321ceoに当たった。A321neoの「neo」は「new engine option」の略、一方の「ceo」は「current engine option」の略である。neoとceoでは取り付けられているエンジンの型式や性能が異なり、neoの方が航続距離が長くなった改良型のエンジンが取り付けている。実際にceoとneoを比較すると、エンジンの大きさが異っているのが分かる。ANAではneo機が22機運航されている一方で、ceo機は4機しかなく、こちらの方が珍しい。ただし、現在neo機は搭載しているプラット&ホイットニー社製のエンジンに不具合が見つかり、その整備が行われているため運用数を減らしている。そのため平常時よりもceo機に当たる確率は高くなっている。ANAのA321への搭乗はこれが3回目。3度目で初めてceo機に搭乗することができた(写真は以前撮影した搭乗機)。

4機しかいないレア機材であるAirbus A321ceoに当たったのは嬉しいのだが、乗客向けの設備面ではneo機より劣る点がある。neo機には全座席に個人用モニターがあるが、ceo機にはない。これは人によっては気になるかもしれない。個人モニターがあるからという理由でA321を選んで、ceo機に当たったらハズレということになる。ANAのA321は必ず個人モニターがあるわけではなく、モニターがある機材に当たるかどうかは運次第。ANAの機材紹介のページにも「一部の機材ではパーソナルモニターを設置しておりません」と小さく書かれている。
モニターがあるかどうか事前に知りたい場合、機材の運用を知らなくても、前日ANAから送られてくる「機内サービスのご案内」メールを見れば分かる。機種が「A321-211」になっていると、モニターのアイコンがない。逆に「A321-211N」ならそのアイコンがある。前者はceo機、後者はneo機である。個人的には、そもそも普段あまり個人モニター装備の機材に乗ることが少ないので、あってもなくても困らない。それよりレアな機材に乗れてテンションが上がった。
乗車(搭乗)記録 No.4
ANA 1272便
広島空港→新千歳空港
Airbus A321ceo JA112A

この日はほぼ満席で出発。定刻より少し早く動きだし、滑走路10のT5からインターセクションデパーチャーで離陸した。今回は眩しいこと承知でK列側の座席を指定した。広島から新千歳へはほぼ日本海側を飛行していくので、A席側はほぼ海となる。離陸すると早速瀬戸内海が見えた。しまなみ海道の因島大橋や多々羅大橋も上空から眺めることができる。たまにインスタグラムなどで広島空港で撮影した飛行機の写真を見かけることがあるが、その背後に因島大橋が写っていることがよくある。空港から端までは25kmだが、望遠レンズで撮ると、かなり近く見えるんだなと毎回びっくりする。

その後は岡山県の津山市や兵庫県の但馬空港の上空を飛行して、京都府京丹後市あたりから日本海へ出た。やや雲が広がる中、若狭湾を眺めて飛行。やがて敦賀半島と敦賀の街が見えてきた。さらにその奥には琵琶湖と名古屋湾が見える。敦賀と名古屋は離れているようで意外と近い。その後は福井県内を機窓に北東へ飛行。石川県内へ入ると、ここから先は雲が広がった。

金沢市の沖を進むと、やがて奥に雲から顔を出す山々が見え始める。今年春に訪れた立山連峰である。春に訪れた日も、今日と似たような天気で、富山市街は雲が出ていたが、美女平から室堂へ向かう高原バスで雲の上に出て、室堂手前ではきれいな雲海を見ることができた。今はさらに遥か上空から雲海に囲まれた立山連峰を眺めている。アルペンルートへの観光は平地に雲が出ていても、山上は晴れていることも十分あり得る。おそらく雲がなければさらに奥には富士山も見えるのではないかと思うが、この日は見えなかった。陸を移動すれば日本も広いなと思う一方で、空から見れば結構狭いなと思う。その後は七尾市、佐渡市、男鹿市の上空を飛行し、津軽平野に差し掛かったあたりから、新千歳空港へ向けて徐々に高度を下げて行った。

津軽海峡付近まで来ると雲が途切れて、機窓には下北半島の北側に位置する尻屋崎を眺めることができた。青森県には数か月前に来たが、ここから先は1年半ぶりである。この日は冬型の気圧配置で、新千歳空港周辺には強い北風が吹いていた。降下中はその北風の影響もあって少々揺れた。やがて北の大地が姿を現した。久しぶりの北海道が機窓に広がると同時に、これから乗車しに行く日高本線の線路が奥へ続いているのが見えた。

新千歳空港では滑走路01Rに着陸。新千歳空港へ着陸するのはこれが3回目だが、南側からの着陸は初めてだった。並行するもう一つの滑走路跨いでターミナルへ。新千歳空港には定刻より15分ほど早く着陸したが、この便はターミナルから少し離れた62番スポットに到着。そこからバスでの移動となった。沖止めはバスでの移動にどうしてもタイムロスが発生してしまう。最終的にターミナルには定刻から10分ほど遅れた10時20分に到着した。
新千歳空港で飛行機を眺めて小休憩

新千歳空港到着後は、苫小牧から乗車する日高本線の列車の発車時刻までの時間調整で展望デッキへ。ここで少しだけ飛行機を撮影した。前日、札幌市内では初雪を観測しており、この時間の新千歳空港の気温は8℃。寒いとは聞いていたので、九州ではまだ早いヒートテックをタンスから引っ張り出して着て来たが正解だった。
ターミナルから滑走路の奥を見ると、千歳線の列車が走っているのが見える。緑帯の列車を見ると、北海道に来たことを実感する。初めて北海道に来て、このデッキから特急北斗のキハ281系を見たときも、すごく感動したのを覚えている。広島を飛び立つ前まではどこか緊張していたが、北海道に着くとその緊張はどこかへ消え、これから旅する北の大地への期待へが大きくなった。

新千歳空港は国内で5番目の利用者数を誇る空港である。利用者数的には個人的に身近な福岡空港の方が多く、便数的にもおそらく多いはずだが、福岡空港は案外小型機の比率が高い。もちろん中~大型機もたくさん発着しているが、Boeing 777-300やBoeing 787-10などの大きな機材は案外見れる時間帯が限られている。新千歳空港はその点、午前の遅い時間帯や夕方にもこうした機材をふつうに見れるのでうらやましい。展望デッキへ着くと、ちょうど10時30分発の羽田行のANA56便(Boeing 787-10)が出発して行き、ほぼ同時に羽田からのANA55便(Boeing 777-300)が到着した。

こちらは関西空港へ向けて出発したAirbus A321neo。広島から搭乗したceo機と比較すると、エンジンの大きさが全然違う。こちらには個人用モニターが全座席に装備されている。工学系も機械系出身なのに、メカ的なことには疎いので、エンジンの性能については詳しく分からないが、neo機のエンジンも、初期に導入されたものにはP&W社のロゴがなく、JA137A以降のエンジンにはロゴがある。小さな違いだが、やはりロゴがあった方がかっこいい。
いきなり札幌近郊の鉄路の洗礼を受けつつ苫小牧へ

さて、空港の展望デッキからしばらく飛行機を撮影した後、新千歳空港駅から北海道内での旅をスタートさせる。最初は日高本線に乗車するため、苫小牧駅まで移動した。新千歳空港から苫小牧駅へは列車で行く方法の他、路線バスに乗車する方法もある。しかし、この路線バスには過去の北海道旅で乗車しているので、今回は列車で行くことにした。まずは快速エアポートで隣の南千歳駅へ。これまで721系にしか乗車したことがなかったので、今回こそは733系にと思ったが、今回もしっかり721系だった。733系に乗れる日はいつになったら訪れるのだろうか。
乗車記録 No.5
千歳線空港支線 快速エアポート61号 札幌行
新千歳空港→南千歳 721系

新千歳空港から快速エアポートに乗車し、3分で南千歳に到着。ここで苫小牧方面の列車に乗り換えた。南千歳駅は千歳線の本線から新千歳空港へ向かう支線が枝分かれすると同時に、道東へのアクセス路線となっている石勝線の起点になっている。したがって、駅の南側で線路は3方向に分かれている。特急北斗、おおぞら、とかちの3列車は千歳駅を通過する一方、この駅には全列車が停車する。そのため、停車本数は千歳駅よりこの駅の方が多い。札幌方面の列車が使う1・2番線ホーム上には石勝線の0キロポストのモニュメントが設置されていた。
ここでは15分ほどの乗り換え時間で千歳始発の普通列車室蘭行に乗車する予定だった。しかし、この日は早朝に札幌駅付近で信号点検があったらしく、乗車予定の普通列車はその影響を受けて、千歳~苫小牧間で運休となっていた。普通列車に乗車予定の乗客は、後続の特急すずらんに乗車券のみで乗っていいとのこと。札幌近郊の列車は遅れやすいとよく聞いていたが、早速その洗礼を受けた。とはいえ、後ろからすぐに特急が運転されていて助かった。

南千歳駅からは特急すずらん4号室蘭行に乗車して苫小牧へ。実は、平常ダイヤであれば、乗車予定だった普通列車は、沼ノ端でこの特急に追い抜かれ、苫小牧には特急の方が先着するダイヤになっている。すずらん4号も10分ほど遅れたので、結果、普通列車の苫小牧到着時刻とほぼ変わらない時間に苫小牧に辿り着くことができた。思わぬ形で初乗車となった特急すずらんだが、この列車には後ほど、室蘭から札幌へ向かう際に乗車し、全区間を乗り通す。なんだかんだJR北海道の特急型電車に乗車するのもこれがはじめてだった。
乗車記録 No.6
千歳線・室蘭本線 特急すずらん4号 室蘭行
南千歳→苫小牧 789系1000番台

新千歳空港で飛行機を撮影して時間調整したものの、日高本線の普通列車の発車時刻まではまだ1時間ほどある。やることもないので駅周辺で暇つぶしした。1本後の列車だともう発車間際になるので、苫小牧で1時間の待ち合わせは仕方がない。苫小牧駅は2度目の訪問。前回は岩見沢から室蘭本線の普通列車でこの駅に到着し、ここから路線バスで新千歳空港へ向かった。

特にやることもないので、駅前ぐるっと歩いてみた。苫小牧駅の駅前にはかつて百貨店だった建物がある。閉店後も長い間解体されずにそのままとなっていて、前回来た時と特に様子は変わっていなかった。苫小牧駅の駅舎自体も相当年季が入っている。駅前の廃墟ビルと年季の入った駅舎は街の玄関口の景色としては少しイメージがよくないかなと思う。駅の北側にはドン・キホーテやヤマダ電機の入った商業施設がある。そちらにも行ってみたが、賑わっているとまではいかなかった。
東西に細長い形をしている苫小牧の市街地。ロードサイド店舗やイオンモールは隣の沼ノ端駅との間に広がっている。室蘭本線はこのイオンモールの前を素通りしてしまう。苫小牧と沼ノ端は結構な距離離れているが、ずっと市街地が広がっているので、正直2駅くらい中間駅があってもいい気がする。そんなことを思って調べてみると、一応イオンモールの辺りに新駅をつくる構想があるようだった。
さて、苫小牧駅からは日高本線の普通列車で鵡川まで往復。その後は室蘭本線の普通列車で東室蘭方面へ進み、室蘭半島を走る同線の室蘭支線に乗車した。
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