【旅行記】室戸まわりで阿佐海岸鉄道を再訪する旅~キララエクスプレスとホエールエクスプレスで高知へ

福山-松山線「キララエクスプレス」で四国に上陸

 福山からは松山行の高速バス「キララエクスプレス」に乗車した。今回の旅ではしまなみ海道を走る高速バスに乗車するのも一つの目的だった。約5年前に企画した尾道・しまなみ海道旅では、今いる福山から今治行の高速バス「しまなみライナー」に乗車。しまなみ海道を通って今治まで行ったあと、路線バスと高速バスを乗り継ぎながら、大三島、因島を経由して尾道駅に戻った。この時のしまなみ海道の景色がとても素晴らしかったので、今回もしまなみ海道で四国入りすることにした。
 現在、しまなみ海道を経由して、広島と愛媛を結ぶ高速バスは、広島・福山-今治の「しまなみライナー」、福山-松山の「キララエクスプレス」が運行されている。この日は広島バスセンターを起点に旅しており、広島-松山間の高速バスがあれば便利なのだが、残念ながらこの区間を結ぶ高速バスは走っていない。福山-今治間のバスには以前乗車したので、今回は福山-松山線を利用してみることにした。
 
 福山と松山を結ぶ「キララエクスプレス」は、中国バス、本四バス開発、伊予鉄バス、瀬戸内しまなみリーディングの4社の共同運行となっている。1日4往復が設定されているが、平常時は減便運行が続いており、普段は2往復しか運行がない。ただし、旅行日は年末年始が近かったため、4往復全てが運行されていた。2往復減便時は広島側の2社、愛媛側の2社が日替わりで1往復ずつを担当する形になるが、4往復のときは各社が1往復ずつを分担している。今回は広島側の運行会社である本四バス開発便に乗車した。
 本四バス開発は、尾道市に本社を置くバス会社であり、しまなみ海道の開通に際して、かつて離島への船舶航路を運航していた会社が共同出資をする形で設立された。当路線の愛媛側の運行会社である瀬戸内しまなみリーディングも同じ形で設立されている。本四バス開発のバス路線には因島大橋~尾道駅間で乗車した経験があり、今回が2度目の乗車だった。
 福山-今治間の「しまなみライナー」は非予約制だが、「キララエクスプレス」の方は予約制となっている。各社とも基本的には4列シート車が使用されるが、中国バス運行便については独立3列車が使用されることもあるらしい。本四バス開発便に関しては車両後方にトイレが装備されているが、コンセントの設置はなかった。発車時刻の10分前になると、高速バスのりばには長い行列ができたが、ほぼ全ての乗客が広島行の「ローズライナー」吸われて行き、松山行に乗車したのは、自分を含めてたった2人だった。
 
乗車記録 No.4
本四バス開発 キララエクスプレス 松山市駅行
福山駅前→松山市駅
 
 たった2人の乗客を乗せてバスは福山駅前を発車。日中の便だが、日曜日でこの人数というのはちょっと寂しい。駅前の大通りを進み、福山郵便局前交差点で国道2号線へ。その後は芦田川を渡って、福山の市街地を出た。バスは道なりに国道2号線のバイパスへ入り、いくつかのトンネルを抜けて尾道方面へ進んでいく。キララエクスプレスはほぼ同じ経路を走るしなまみライナーと運行経路が微妙に異なっている。このバスは西瀬戸尾道ICから直接しなまみ街道に入るのではなく、一旦ICを素通りして尾道市街へ入り、新尾道駅を経由していく。
 
 栗原ICで尾道バイパスを下りたバスは新尾道駅へ。こだまで新大阪~博多間を乗り通したときに一度ホームに降りたことがあると思うが、外から駅を見たのはこれが初めてだった。山がちな尾道市街地を横切る形で、トンネルとトンネルの間に駅が設けられている。新幹線もこのあたりでは三原、新尾道、福山と比較的近距離に連続して駅がある。この駅は周辺自治体の負担で1988年に開業した請願駅と呼ばれるタイプの駅。こだましか停車しない駅のため、関西・東京方面へは福山から在来線を利用する人も多い。ここでは3人の乗客を乗せた。
 
 新尾道駅を出たバスは来た道を戻って、栗原ICから再び尾道バイパスへ。その後西瀬戸尾道ICからしまなみ海道へと入った。しまなみ海道は正式な路線名を西瀬戸自動車道という。尾道から今治を7つの海を渡る橋を越えて結んでいる。バスはまもなく1本目の橋である新尾道大橋を渡った。新尾道大橋は、本州と向島の間の尾道水道を跨ぐ橋で、一般道の尾道大橋も一緒に向島へ渡っている。車窓には尾道市街が見えた。5年前は千光寺からこの尾道大橋を含めた尾道の街並みを眺めた。
 橋を渡った先の向島にも尾道市の市街地が広がっている。対岸の本州側とは渡船も運航されていて、その光景がまた尾道らしい。バスは向島で、向東BSと向島BSの2ヵ所に停車する。因島のバス停までは乗車専用。この2ヵ所では乗客の姿はなかった。
 
 西瀬戸自動車道の本線料金所を通過すると、バスは因島大橋を渡り、因島へ進んでいく。この橋を渡ると、バスはすぐに大浜PAに設置された因島大橋BSに停車した。この因島大橋BSは5年前の旅で立ち寄った思い出のバス停。因島大橋を下から見るためにここでバスを下車した。因島大橋周辺も展望台などが整備されているものの、開通からかなり時間が経過しているため、一部は荒れ放題で、海岸線へ出るのに迂回が必要だった思い出がある。因島と尾道の間には一般の路線バスも走っている。高速道路を経由するため、バスの座席にはシートベルトが装備されている。
 
 因島大橋BSを出たバスは因島の島内を進み、因島重井BSに停車。その先では因島の街並みの奥に生口橋と生口島が見渡せる場所があった。次の生口島がしまなみ海道における広島県最後の島となる。ちょっと雲が多いのは残念だが、それでも瀬戸内海に浮かぶ島々がとても美しかった。
 
 生口島では、進行方向の左側に海を眺めながら走っていく。高速道路の周辺には段々畑が広がり、レモンやみかんなどの柑橘類がさかんに栽培されている。自分は平成生まれだが、いろんな駅の接近・発車メロディーになっている瀬戸の花嫁が大好きで、時々口ずさんだりしてしまうが、歌っているときはいつも、このあたりの景色が頭に浮かんでくる。
 バスは生口島で瀬戸田BSと瀬戸田PAに停車。因島のバス停までは乗車のみの取り扱いだったが、生口島この2ヵ所のバス停は、乗降ともに可能になっている。多々羅大橋が目の前に見える瀬戸田PAではインバウンドの観光客らしき2人が下車していった。
 
 バスは生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋を渡った。この橋が広島県と愛媛県の県境。バスは広島県尾道市から愛媛県今治市に入った。四国本土はまだ先だが、一応ここで、約5年ぶりの四国上陸となった。大三島は5年前の尾道・しまなみ海道旅で立ち寄った思い出の地。大三島BS近くにある道の駅多々羅しまなみ公園からは、多々羅大橋を一望することができた。車窓の奥の方には本州が見えている。奥に見える造船所は、呉線の安芸幸海付近にある。
 
 広島・福山-今治間の「しまなみライナー」は、大三島とその次の伯方島で、大三島BS、上浦BS、伯方島BSに停車するが、キララエクスプレスはこの3つのバス停を通過する。この2つの島は素通りとなる。大三島と伯方島の間ではアーチ橋の大三島大橋、伯方島と大島の間では伯方・大島大橋を渡った。大島にある大島BSがこのバスの愛媛県最初の停留所。ここから先は松山まで降車専用のバス停となる。やがて、車窓の奥の方には、来島海峡大橋の主塔が見え始めた。
 
 バスはしまなみ海道最後の橋、来島海峡大橋へ。来島海峡大橋は第一、第二、第三の3つの橋からなるしなまみ街道最長の橋。途中には馬島があり、ここには馬島BSがあるが、キララエクスプレスは通過する。この来島海峡大橋を最初に見たのは大阪南港と別府を結ぶさんふらわぁの船の上が最初。小学6年生の時に初めて乗船した際、明石海峡大橋、瀬戸大橋を見て、来島海峡大橋を見ないのはもったいないと、夜中まで起きて見たのを覚えている。現在の時刻表だと、別府行の便が来島海峡大橋を通過するのは深夜2時過ぎとのこと。もう15年以上前の話で当時の時刻表は分からないが、小学生が起きていていい時間ではなかったのは確かである。
 
 西瀬戸自動車道は今治ICが終点。現在はここから先の今治道が今治湯ノ浦ICまで未開通となっているので、バスは今治ICで自動的に高速から下ろされ、そこからしばらく一般道を走行していく。ちなみにこのキララエクスプレスが、今治道・松山道経由となったのは最近の話。以前は予讃線と同じ海岸沿いを経由して、松山へ向かっていた。所要時間は今治道経由の方が早く、最近になって運行ルートが変更になっている。
 しばらくロードサイド店舗が立ち並ぶ国道196号線を走った後、今治湯ノ浦ICから今治道へ入り、再び高速道路を走行した。
 
 今治道はいよ小松JCTで松山道と接続している。ここまで来ると、松山も目前となる。バスは高速道路で峠を越えて、松山へ。バスは途中川内ICに停車するが、この日は下車客がいなかったので、そのまま通過となった。松山ICでバスは高速道路を下り、その後は松山の市街地へ進んだ。
 
 松山市内の途中停留所は松山インター口のみ。他の多くの高速バスが経由する大街道は経由しない。松山南警察署前の交差点を左折すると、その後はしばらく直進。松山南道路から立花の狭い通りへ入り、中ノ川通り経由で終点の松山市駅に到着した。
 
 福山駅から2時間40分、ついに松山市駅に到着した。松山を訪問するのは2019年3月以来約5年半ぶりだった。松山市駅は伊予鉄の中心駅。ここには横河原線、高浜線、郡中線の郊外電車3路線と、路面電車が乗り入れて、駅前には高速バスも多数発着している。駅には百貨店の伊予鉄高島屋が併設されており、JR松山駅より圧倒的に駅規模が大きい。
 しばらく来ない間に駅前ではロータリーの再整備が行われており、一般車の乗り入れが禁止になっていた。バスやタクシーは大街道側からのみ進入できるようになっており、反対側は仮設ながらイベントスペースになっていた。現在道路の真ん中にある路面電車の松山市駅電停は、これから駅舎・伊予鉄高島屋の建物前に移設される予定。その横にはちゃんとしたイベント広場が整備されることになっている。

久しぶりの松山で路面電車に乗車し、新・JR松山駅を訪問

 松山では高知行のバスに乗り換える。しかし、次のバスまでは2時間20分ほど待ち時間があった。何をしようかといろいろ考えた結果、今回は路面電車の乗車と、高架化で新しくなった松山駅を見ていくことにした。高知行のバスは、松山市駅ではなく、JR松山駅が始発なので、新・松山駅を見た後は、そこからそのまま高速バスに乗り込む。
 松山の路面電車の乗車記録を振り返ると、初めて乗車したのは2015年で、道後温泉-JR松山駅前間に乗車。その後2019年3月にその他の全路線に乗車している。2019年に乗車した際には、日程の都合で少々慌ただしい乗車となってしまった思い出がある。今回は松山市駅から久しぶりに2系統に乗車。大街道から上一万を経て、松山城の裏手を周り、市街地をほぼ一周する形で路面電車を楽しむことができた。
 
乗車記録 No.5
伊予鉄市内電車 2系統 大街道経由松山市駅行
松山市駅→大手町
 
 一旦、JR松山駅を通りすぎて、大手町で下車。ここの名物と言えばやはり伊予鉄高浜線と路面電車との平面交差。2015年に一度見に来たことがあるが、もうそれも10年前になってしまったので、久しぶりに見ておくことにした。到着後、すぐに踏切が鳴りだし、高浜線の上下列車が通過。運よく路面電車も登場し、平面交差の様子を楽しめた。前回からの最大の変化は、郊外電車も路面電車も路線バスも皆オレンジ一色になったということ。最初は違和感満載だったオレンジ一色の車両もいつの間にか見慣れてしまって、逆に昔の塗装がどんなものだったか忘れている。
 
 大手町から歩いて松山駅へ。ここ5年の四国地方の鉄道路線の変化で、阿佐海岸鉄道DMVの運行開始に次ぐ大きな変化となったのが、ここ松山駅である。数年前から高架化の準備が進められてきたが、2024年9月29日、ついに高架化され、新しい駅がオープンした。現在はまだ旧駅舎とホームが残されていて、解体待ちとなっている。
 
 現在は旧改札口から地上時代のホームと線路を跨ぐ形で設置された通路を通って新駅舎へ歩いて行ける。線路の架線は取り外されているが、線路はまだそのままま状態。数か月前まで列車が行き交っていた面影が残る。以前の駅の裏手には車両基地があった。車両基地は松山駅構内から北伊予駅付近へ移転。以前の車両基地の跡地に高架の新駅舎が建設されている。
 
 新しい松山駅舎に到着。旧駅舎は70年以上の歴史をもっていたため、やや時代遅れな感じが否めなかったが、新駅舎で一気にその雰囲気も変わり、現代的な駅舎となった。せっかくなので、入場券を購入して、ホームの様子も見に行ってみた。地上駅時代の松山駅は、2面3線だったが、新しい駅では2面4線となった。改札口とホームの間には中間階があり、ここに待合室やお手洗いが設置されている。地上駅時代には、岡山・高松とこの駅を結ぶ特急「しおかぜ・いしづち」と、この駅と宇和島を結ぶ特急「宇和海」が縦列停車で接続を取っていた。高架後は2面4線化により、縦列での接続から対面での接続に変更されている。
 
 残念ながら特急列車の発車時間ではなく、対面接続の様子は見ることができなかったが、ちょうど伊予市行きと伊予西条行きの普通列車の発車時間だったのでこれを見ていくことに。先に4番線の伊予市行の普通列車が発車していき、その後3番線に伊予西条行の普通列車が入線してきた。予讃線を普通列車だけで走破するというのもいつかチャレンジしてみたいなと思うが、その前に特急しおかぜにももう一度乗ってみたい。しばらく四国に行っていなかったので、やりたいことが山ほどある。

伊予鉄バス「ホエールエクスプレス」で高知へ

 さて、JR松山駅からは伊予鉄バスの「ホエールエクスプレス」に乗車して高知へ向かった。「ホエールエクスプレス」は愛媛側の伊予鉄道と高知側のとさでん交通の2社が運行する高速バス路線。同じ区間にはJR四国バスの「なんごくエクスプレス」も運行されているが、これとは別の路線で、運行ルートと停車停留所が微妙に異なっている。別の路線だが、運行時間は被らないように設定されていて、利用者目線では都合のいい時間の便を選べる。今回はホエールエクスプレスの方が都合がよかったので、こちらを利用した。
 バスの側面に書かれているように、ホエールエクスプレスは特急便を運行しており、松山市駅~高知駅間を2時間10分で結ぶ。特急便は途中の川内ICと三島川之江ICを通過する。1日の運行本数は5往復で、このうち日中の3往復(うち1往復は減便運休中)が特急便。乗車便もこのうちの1本だった。ちなみに、始発のJR松山駅からだと、所要時間は少し長くなり、高知駅まで2時間30分となる。バスの終点ははりまや橋。今回ははりまや橋に用事があったので、終点のはりまや橋まで乗車した。
 車内は4列シートで後方にトイレの装備があった。各座席にはコンセントも用意されている。JR松山駅では7人ほどが乗車。こののりばを先発する西日本JRバスの松山エクスプレスが、駅前ロータリーの混雑で少々遅れて発車したため、このバスも数分遅れで松山駅を発車した。
 
乗車記録 No.6
伊予鉄バス ホエールエクスプレス はりまや橋行
JR松山駅前→はりまや橋
 
 バスは松山市内で、大街道、松山市駅、松山インター口に停車する。JR松山駅からだと大街道より松山市駅の方が近いが、運行ルートの関係で大街道が先の停車となる。松山市内のこの運行ルートが、松山市駅~高知駅間2時間10分を実現させており、その変わりに松山駅からの所要時間が長くなっている。バスは路面電車と共に松山城のお堀を見ながら進み、その後繁華街へと入って、大街道に停車。ここでも5名ほどの乗車があった。勝山交差点を左折すると、続いて再度左折して中ノ川通りに入り、松山市駅に停車。ここでも多くの乗車があり、窓側席は大体埋まった。各バス停で見送りに来ている人の姿もあった。日曜の夕方便ならではの光景である。松山市駅を出ると、一旦千舟通りに入った後、大街道交番前交差点で左折。その後は先ほどキララエクスプレスでも通った立花の狭い通りを進み、その後は松山南道路を経由して松山ICへ向かった。
 
 松山IC手前の松山インター口バス停でも2名の乗車があり、これで乗客全員の乗車が完了した。ちなみにJRバスの「なんごくエクスプレス」も松山ICから松山道へ入るが、松山市内での運行ルートが異なっており、松山駅→松山市駅→大街道→松山インター口の経路で走る。また、ホエールエクスプレスが停車しない大手町と天山橋バス停にも停車する。
 松山ICから松山道へ入ると、その後はノンストップで高知へ向かっていく。夕暮れの市街地を眺めながらバスは松山を後にした。西日に照らされた山々が美しかった。
 
 いよ小松ICまでは来た道を戻る形となるので、さっき見た景色をもう一度眺める形になるが、そこから先は久しぶりに通る区間となる。前回ここを通ったときは夜間走行だったので、車窓を眺めるのは初めてだった。このあたりの松山道は山に沿う形で建設されている。進行方向の右側はずっと山な一方、左側は予讃線沿線の各地を見ながら走る。夕暮れの西条、新居浜、三島の街を見ながら快走するバス。新居浜の街の大きさが高速道路からだとよく分かった。街の奥には瀬戸内海に浮かぶ島々が見えていた。
 バスは川之江JCTで松山道から高知道へ進む。その先すぐの川之江東JCTでは徳島道が分岐していく。設備上は川之江JCT~徳島方面への道路から高知方面への道路が分岐する形だが、路線上は川之江JCTから高知方面が高知道である。このあたりで日没の時間を迎え、その後は四国山地の山の中を真っ暗な中走っていった。高知道の川之江東JCTから高知ICまでは55kmほど。山の中を直線的に貫いているので、意外と高知まではあっという間である。やがて土佐山田付近から高知の灯かりが見え始め、バスは高知ICで高知道を下りた。
 
 高知ICで高知道を下りたバスは、すぐに一宮(いっく)バスターミナルに停車。ここで数人が下車していった。一宮バスターミナルは、とさでん交通のバスターミナルで、同社と共同運行会社の高速バスと、このあたりの路線バスが発着している。JR四国バスは、とさでん交通の路線と共同運行の路線についてはこのバスターミナルに乗り入れるが、JRバスの単独路線についてはここには乗り入れず、高知中央ICバスターミナルを使う。高知中央ICは高知ICから高知東部道を1区間だけ進んだところにある。松山-高知間のバスは、JR系が単独運行のため、なんごくエクスプレスについては高知中央ICバスターミナルに停車する。一宮バスターミナルを出ると、次は高知駅前に停車。ここで大半の乗客が下車していき、乗客は2名だけとなり、バスは終点のはりまや橋に到着した。

はりまや橋で地域ICカードを購入し高知駅へ

 高知駅前に宿泊するのに終点のはりまや橋まで乗車したのは、はりまや橋にあるバスの窓口に立ち寄るため。ここで高知県内の路面電車や路線バスで使える「DESUCA」を購入した。明日は高知東部交通の路線バスを乗り継ぐ。現金払いだと小銭の用意や両替が面倒なので、ICカードを購入した。他のICカードと同様に500円のデポジットがかかるので、その分だけ旅費も高くなるが、両替の手間を考えたらこっちの方がいい。日中は高知駅のバスターミナルでも買えるが、営業時間が18時までで、タッチの差で間に合わないので、19時まで営業のはりまや橋の窓口で購入した。
 
 その後ははりまや橋電停から短区間だけとさでん交通の路面電車に乗車して高知駅へ。乗車したのはかつて名鉄の岐阜市内線などで活躍していた車両だった。翌日のバス運賃を計算した結果、路面電車の運賃を含めると、余計に1,000円チャージする必要があることが分かったので、ここではDESUCAは使わず、現金で支払った。
 
乗車記録 No.7
とさでん交通桟橋線 高知駅前行
はりまや橋→高知駅前 590形
 
 広島を出て12時間あまりでやっと高知駅に到着。高知駅で1日目は終了となった。広島から府中、福山、松山と3ヵ所を経由してきたが、いろんな路線を楽しむことができて楽しい1日だった。この日は駅の西側すぐのところにあるJRクレメントイン高知に宿泊した。
 明日は高知からいよいよ旅の本題に入っていく。前日が夜行バス泊であまり眠れておらず、明日は朝6時発かつ夜行バス泊という予定だったため、21時半ごろには就寝し、体力を回復させた。
 
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